2007/01/19

Marriott's CEO Blog Launched

70歳を超えるMarriott Internationalの会長兼CEOのBill MarriottがBlogを始めた。

「このBlogを立ち上げることによって私は地図に載っていないテリトリに足を踏み入れる冒険を始めることになります。社内の情シスチームが旅行やツーリズムに関するBlogトラフィックをレクチャーし始めた1年前まで、Blogが何なのかも知りませんでした。今、お客様と直接対話をしたいなら、そして声を聴くには、ここがその場所であることを理解しています。すぐにBlogにオーディオ版が追加されます。そうなれば、お話をし、お話を聴くという私が最も得意な場所になるでしょう」と、書き出している。

彼はBlogを開始する前に、Sun MicrosystemのCEO、Jonathan SchwartzのBlog、BoeingのマーケティングVPのRandy BaselerのBlogを読み、そしてイリノイ州上院議員Barack ObamaのPodcastを聴き、十分な予習を行った上で書き始めたようだ。

正直なところコンピュータにあまり詳しくはないこと、10年前オンライン予約システム構築時には懐疑的だったことを告白した上で、私は改宗者、転向者だと宣言している。多分、Blogは彼の話を書き起こしているのだろう。数十件のコメントに対して数件のレスポンスがあるが、どれも「彼からの指示により」と書き始められている。

そして、80年前に自分の両親、J. WillardとAlice MarriottがWashington D.C.で始め、後にHot Shoppeと改称される「ルーツビールスタンド(このルーツビールからどのようにしてMarriottというグローバルビジネスにまで拡大してきたかの話は今後語られる予定だ)」から話を起こしている。

各ホテルのアソシエートから話を聴き、顧客から話を聴くという何十年にもわたる彼の仕事を、Blogでも実践することでグローバルベースで「Management by walking around」という父親直伝の経営哲学を実践しようとする姿勢がある。また、80周年を迎えたMarriott Internationalを将来に向けて大きく羽ばたかせるためにもBlogを活用しようとする経営者の品格がある。

最後に、「私は、お客様とのコミュニケーションを信じていますし、そしてインターネットはグローバルに、まったく新しい方法でそれをすることができます。私達が企業として学び、育ってきたやり方、すなわち直接対話に参加したいと考えています。考えておられること教えてください。そして一緒にMarriottを動かしてください」と結んでいる。

Source:Marriott on the Move / Bill Marriott's Blog
参考:Micropersuasion / Marriott's CEO Blogs
参考:Sun CEO's Blog

1月16日に開始されたばかりのBlogには、すでに数十のコメントが寄せられている。どれも彼の行動を褒め称え、次のポストに期待する、したいという内容ばかりだ。また、Marriottの取締役が何を考えているのか知りたいというコメントもある。

Marriottでの宿泊体験、高いサービスの質、1920年代の思い出、新婚旅行の思い出、ビジネスで年に100日、200日をMarriottで過ごす人々の声が多く聴かれ、2~3件のアドバイスに加え、当然、何件かはネガティブなコメントもある。それに対しても即座に、レスポンスを返している。

オープンなコミュニケーションチャネルが開かれ、彼の長年の苦労や喜び、顧客からの声が聞かれる予感が今後、多くのオーディエンスを集めることは間違いない。彼のBlogは、彼自身の歴史を語ることになり、またそれはMarriott InternationalのホスピタリティとしてのブランドPRともなり、コーポレートブランディングともなる。

予想されるネガティブコメントや、不慣れなPC、ネットワークをものともせず、大海に乗り出した彼のBlogに期待したい。が、一方、日本のグローバル企業のCEOやCMO (Chief Marketing Officer) がいつ、顧客やユーザ、ビジネスパートナー、その他のステークホルダーに対してオープンな対話を始めるのか、こちらも興味津々だ。

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