2007/01/12

Internet in India 2006

IAMAI (Internet & Mobile Association of India) からインドのインターネット白書2006が出ている。欧米なら様々なデータがあるが、インドのデータは珍しい。

注:INMAIをIAMAIへ訂正(2008/01/23)

都市生活者だけで2.43億人という数字からまず驚かされる。これをベースに漏斗型でインドのインターネットユーザを現している。識字者が2.03億人、英語基礎レベルが7,700万人、PC使用者が5,900万人、インターネット経験者が3,200万人、アクティブユーザが2,100万人という構造になっている。

PC利用者は2000年の1,600万人から2006年には270%増の5,900万人へ、インターネット経験者は2000年の500万人が540%増の3,200万人へ、アクティブユーザは2000年の200万人が950%増の2,100万人へ飛躍している。

インターネット経験者のうちアクティブユーザが占める比率は2000年の40%が、2006年には66%へ伸びている。

地理的には2001年時点で27%にしか過ぎなかった地方・小都市ユーザが、2006年には39%に伸びている。マスメディアの報道やクチコミでインターネット熱が地方へ広がっており、中央の大都市だけではなく、地方にもインターネットユーザが広がっている。
8大都市のユーザはアーリーアダプターを構成し、最大グループを構成していたが、地方都市の比重が上昇してくるようだ。

社会階層的に見ると2006年に、SEC Aが42%、SEC Bが35%、SEC Cが21%、SEC D & Eが3%となっている。下位階層でもインターネットの認知が上がり、PC購入やインターネット接続契約が手の届く範囲になってきたこと、また、試験結果確認、チケット発券など単純なアプリを使う簡単な経験などからインターネットの利用が広がっている。加えて、企業内デジタルデバイド根絶プログラムやNEGPイニシアティブなどにより、2~3年内には下位階層での利用も上昇すると見られている。

他にもいろいろと面白いデータがあるが、インターネットのアクセスポイントというデータが面白い。2003年にはアクセスポイントの52%をサイバーカフェが占めている。2006年でも39%だ。これはサイバーカフェが、下位階層の人々にとって唯一のアクセスポイントであり、多数ユーザにとってもインターネットに最初にアクセスする場所ということから最大のアクセスポイントになっている。

インドでもブロードバンド普及が27%に達している。2008-09年にダイアルアップを追い越し、2009-10年に75%に達するとされている。通常ならその大半は企業や家庭になるはずだが、今後、増える下位階層のインターネットユーザが使うアクセスポイントはサイバーカフェとなるため、現状の39%から急激にシフトするとは見られていない。

Source:Internet in India 2006

大都市圏だけでも英語基礎レベルの人間が7,700万人、PC利用者が5,900万人ということは、UKの3,800万人とカナダの2,200万人を合わせたような規模の英語圏に近いインターネットユーザがいるということだ。中国では2005年に1億7670万人が英語を学んでいるというし、その他の非英語圏の国にしたところで英語情報へアクセスすることが最初の一歩になる。ビジネスや音楽などの最新情報は英語がソースだ。だからcomScoreのデータが示すように米国トップWebサイトへのアクセスの大半(60~70%)は米国以外からのものだ。

ローカルはローカルに情報発信をすべきだが、日本本社から英語での情報発信が重要だ。それによって各国のアーリーアダプターに訴求でき、彼らが持ち帰る英語情報がローカル化されて国内に拡散してゆく。

参考:Lingua Franca & Internet/Online Marketing
参考:Global Online Marketing and Branding Available

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