いずれもForresterのVP、主席アナリストのCharlene Liがまとめたものだ。最初のレポートのExecutive Summaryには、「多くの大企業がBlogを開始するか否かの瀬戸際に立っているが、飛び出すのをためらっている。一方、すでに開始している企業は、 ビジネスが向かうゴールに効果があることを示せずにいる」、「Blog価値を正確に測ることは難しいが、3つのステップを踏むことで、Blogのメリット、コ スト、リスクを正しく描くことができ、それによってビジネスの目的にどのようなインパクトを与えるかを理解できる」、結果として「Blogをすべきか、すべきではないのかといった質問への回答を得られ、あるいは既存Blogに関する正しい選択を行うことができる」と結んでいる。
MicropersuasionのRubelによれば、ForresterはRubelや、以前GMでFastlane Blogを立ち上げた同僚のMichael Wiley、そしてMS、Sun、BMC、Dell、HPなどFortune500の9社にもインタビューしたそうだ。Forresterのインタビューで企業Bloggingのメリットとしてもっとも頻繁に言及されたのは以下の点だったそうだ。
- 既成メディアWebサイトでのより大きなブランドの可視性
- クチコミ
- 向上するブランド認識
- 瞬時の消費者フィードバック
- 販売効果増加
- 企業カスタマーサービス主導のPR炎上
Forresterがインタビューした個人や企業がもっともあげたBlogのメリットは
- 増加するブランドの可視性
- 顧客からのフィードバック
- ネガティブCGC (Consumer Generated Content) からの影響減少
- 増加する販売効果
例としてGMのFastLane Blogを上げている。このBlogのゴールは製品情報を共有すること、そしてGMのリーダーと顧客間で対話を開始することだ。だから重要な指標は、顧客が何件コメントを書き込んだかということになる。FastLaneには毎月、100人がコメントしている。これは従来同様にフォーカスグループから製品に関する顧客の洞察を獲得していることと同じことになる。これを試算すると、毎月15,000㌦、一年で18万㌦を支出し、フォーカスグループを召集し、意見を求めているコストと同等ということになる。
Forresterによれば、GMはFastlane Blogの運営費として2005年に291,000㌦を支出し、578,000㌦、すなわち99%のリターンを獲得したことになるそうだ。
Source:Forrester Research / New ROI of blogging report
参考:Micropersuasion / Forrester Creates a Model to Measure Blogging ROI
このレポートをまとめたCharlene Liは、2006年3月にNewComm Forumにおいて彼女のBlogはForrester Researchの利益100万㌦に値すると発言したことがある。その後、どのようにBlogのROIを算出するかという質問の嵐に見舞われたようだ。
それを6月5日のポストで取り上げ、数量化の難しさを訴えていたが、10月2日のポストでROI算出のドラフトを提示し、Bloggerからのコメントを募集していた。その結果が、上のレポートに結実したわけだ。
彼女のBlogのFAQには、「Blogの標準的ROIはあるのか?」とか、「Blogはリスクがあるんじゃない?」とか、「CMO/CEO/CFOは決定的なBlog ROIを出さないとBlogを承認しない」とか沢山の項目が挙げられている。米国でもまだまだBlogに二の足を踏む企業が多いことを表わしている。しかし、彼女が掲げたフレームワークや、FAQに対する回答はひとつの参考になる。特にフレームワークを使った試算から始めてみるのはいかがだろうか?
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