2007/02/14

Online Video Study

米国最大の広告ネットワークであるAdvertising.comがオンラインビデオ視聴とビデオ広告へのレスポンスに関する調査データを公表している。InsightExpressのパネルを用い、今年1月5日から8日にかけ、18歳以上の500人を対象にいつ、何を、なぜユーザが視聴するかを調査したものだ。

メディア消費パターン
調査対象の84%は2006年は2005年と同じか、それ以上オンラインビデオを視聴したということで、66%は最低週に一回視聴し、その44%が18-34歳で、56%が35歳以上となっている。

82%はオンラインビデオを視聴することでTV視聴時間が削られることはないと答えている。しかし、32%はDVRを持ち、その86%はTVCFをスキップすると答えている。このグループは全体の66%より高い73%が最低週に一回オンラインビデオを視聴している。またこれは自分でビデオを作成したり、気に入ったビデオクリップを友人に転送するグループだ。加えて48%はTV番組を見損なったときはオンラインでエピソードを見ると答えている。

ストリーミング視聴の大半、87.9%は家庭で見られている。職場が8.5%、学校は3.6%でしかない。
そして視聴するビデオタイプは、ニュースクリップが48.6%、音楽ビデオが47.4%、映画トレーラーが32.6%となっている。(左図)

それをカテゴリ、年代別にインデックスで見ると、
18-34歳では音楽ビデオが138、TV番組が127、UGV (User Generated Video) が126、35歳以上はニュースクリップが124、スポーツクリップが112、映画が104となっている。若年層とそれ以外ではっきりと区分けされてている。

さてTVCFよりも短いビデオ広告がもっとも好まれるのが明らかだ。(左図)
30秒よりも15秒スポットのほうがいいわけで、30秒スポットのついたストリーミングビデオの視聴完了率(ビデオを最後まで視聴)は45%だが、15秒スポットのほうは54%となっている。

スポットの長さだけではない。ビデオコンテンツも視聴完了に関係している。キャリア、エンタテイメント、健康、スポーツ、ゲーム、自動車、ニュース・情報、旅行というカテゴリで見ると、ニュースのビデオクリップはもっとも人気の高いコンテンツだが、ビデオ視聴完了率はキャリアサイトが15秒であれ、30秒であれもっとも高い数字を残している。

また、ビデオを最後まで視聴する完了率もすべてのカテゴリで30秒スポットよりも15秒スポットもののほうが高くなっている。

次にCTRもカテゴリごとにばらついている。(左図)
ゲームの0.87%を筆頭にスポーツまでの7カテゴリが0.5%以上だが、旅行は0.12%、健康は0.06%と低い数字となっている。ニュース・情報やエンタテイメントサイトはもっとも視聴されるコンテンツだが、ゲーム、キャリア、自動車Webサイトのほうが高いCTRをたたき出している。これは情報コンテンツと、エンタテイメントコンテンツを比べると、情報コンテンツのほうが消費者はより広告を受け入れやすいと見られるからだ。例えば、消費者は自動車サイトで購入予定のサービスや製品を探しているわけだから、関連する広告を受け入れやすいとされる。

Source:Advertising.com / The State of Online Video (pdf)

特に18-34歳はメディア消費にオンラインストリーミングを取り入れつつある。中年以上は単純にニュースやスポーツクリップをオンラインで視聴するだけだが、若年層はTVエピソードをオンラインで視聴し、ビデオクリップを自作し、友人・知人に転送するセグメントだ。情報の発信と共有を行い、ブランド露出を拡大してくれるセグメントだ。

DVR普及が目の前に迫っている現状に加え、通常のオンライン広告の下がりつつあるCTRを考慮し、また消費者との密な関与や参加、そして対話を促すためにオンラインビデオを活用するのが得策だろう。ただし、TVの30秒CFをそのまま流すのがいいというわけではない。

0 件のコメント: