2007/02/20

Radio and the Internet: Powerful Complements

Radio Ad Effectiveness Lab (RAEL) から「いかにラジオ広告がオンラインキャンペーンを補完するか」という新しい調査データが出ている。

調査はこれら2つのメディアがいかに交差しているかを示すため、最初にバックグラウンドとしていくつかのデータを提示している。

まず、TVのライトユーザのうち41%、雑誌のライトユーザのうち24%、新聞のライトユーザのうち29%はラジオとインターネットのヘビーユーザであること。
加えて、ラジオとインターネットはユニークなリーチパターンを持っており、それが組み合わさるとパワーが増している。インターネットと他メディアを組み合わせた場合、TVとの組み合わせに次いでラジオが18-54歳の82.9%のリーチすることができる。
また、メディアの同時利用を時間帯ごとに見た場合、月~金の午前6時~正午の間にインターネットユーザが同時に利用しているメディア(ラジオ、TV、両方ともなし)の中でラジオが33%、TVが22%と、断然ラジオとの同時利用が上回っている。


































これらを背景として、オンライン広告だけの場合、そしてオンライン広告とラジオ広告をミックスした場合のリーチ効果、自然想起、助成想起、ブランドごとの想起、そして性別・年代・人種・学歴別の想起データなどを出してきた。その中からいくつか拾ってみる。

例えば自然想起の場合、2つのオンライン広告(ラジオ広告なし)を露出されたグループの6%がブランドを想起することができたのに対して、オンラインとラジオ広告をひとつづつ露出されたグループは、その27%がブランドを想起することができている。これはオンライン広告だけの露出に比べて4.5倍の結果となっている。

また助成想起の場合、2つのオンライン広告(ラジオ広告なし)を露出されたグループの25%がブランドを想起することができたのに対して、オンラインとラジオ広告をひとつづつ露出されたグループは、その58%がブランドを想起することができている。これはオンライン広告だけの露出に比べて2倍強の結果となっている。

次に年代ごとの自然想起を見る。オンライン広告だけを露出されたグループよりも、オンラインとラジオ広告をひとつづつ露出されたグループは、
18-34歳で5倍
25-44歳で7倍
35-54歳で7.5倍
ブランドを想起することができている。

その他、性別、人種、学歴によらず、RAELの調査では、複合露出することにより、オンラインだけの露出に数倍する結果が出ている。

当然、調査された8ブランドすべてを見ると、ばらつきが出ている。業種や、「買う物」、「使うもの」といった製品・サービスの違いによって、Webサイトへのアクセス、想起や購入意思にばらつきがある。

しかし、広告を露出された結果、「Webサイトへ必ずアクセスする」、あるいは「多分アクセスする」という調査を見ると5ブランドで複合露出したほうがオンラインだけの露出よりも上回っている。また、「製品・サービスを必ず購入する」、あるいは「多分購入する」という調査でも5ブランドで複合露出したほうがオンラインだけの露出よりも上回っている。
Source:Radio Ad Effectiveness Lab / Raido and the Internet: Powerful Complements for Advertisers (full report: pdf)
Source:Executive Summary: Raido and the Internet: Powerful Complements for Advertisers (pdf)

クロスメディアミックス効果による想起度アップ調査でよく目にするのはTVや雑誌と複合させた場合だ。EIAA、OPA、IAB、DoubleClickなどから多くの資料が出されている。しかし、ラジオとのクロスメディアミックス資料は珍しい。そしてのその効果がTVや雑誌の数10%レベルとは違い、数倍レベルに達しているラジオとの複合効果は注目すべきだ。特に、EIAAのデータに良く出てくるようにヨーロッパのインターネットユーザのメディア消費時間でラジオが大きな割合を占めているが、地域特性メディアとしてラジオを検討すべきだろう。

今回はCBSラジオなど通常ラジオ局をベースにした調査だが、ぜひ、衛星ラジオ、あるいはインターネットラジオなどを含めた調査に期待したい。

参考:X Media Impact

0 件のコメント: