まずReprise MediaのデータはSuper BowlのTV広告主がどのように検索エンジンとマーケティングを統合しているか、ランディングページ構成はどうなっているか、あるいは全くオンラインを考慮していないのかなどをベースにスコアカード形式で検証したものだ。
- ファンブル
- ボール(広告効果)をファンブルしたと評価されたのは、Ford、Deritos、T-Mobile、Toshibaなどだ。
- オンライン露出が無きに等しく、それにより生成されるトラフィックを全く無視している。
- ヤードロス
- 攻撃権を持っていたにもかかわらず前進できなかったのは、FedEx、GM、Sierra Mist、Chevroletなど。
- オンライン露出はあったが、検索エンジンを使った統合マーケティングはされていない。
- ファースト&ゴール
- 最初に得点・ゴールをあげたが今一歩だとされたのは、Coke、Sprint、Nationwide Insurance、HPなど。
- オンラインを統合したマーケティングを実施していたが、最大の効果を挙げるまでにはいたっていない。
- タッチダウン
- 大量点を上げて勝利したのは、SalesGenie.com、Snickers、GoDaddy.comなど。
- TVCFは検索エンジンと統合され、ランディングページの付加価値コンテンツで最大効果をあげた。
- 58% 検索キーワードを購入、前年比16%増
- 3/4 TVCFと検索広告を統合していない
- 90% TVCFにURLを表示しているが、90%近くがトラフィックを誘導するための特定アクション表示はない
- 1/4 [Super Bowl Ads]などのキーワードを購入
- 70% ランディングページにはトラフィックを誘導したTVCFと関連するコンテンツがない
- ランディングページ
- 31% TVCFとの統合あり
- 45% TVCFで特定アクション表示あり
- 47% オンラインでTVCF提供
- 45% 付加価値コンテンツ提供
- 88% Web解析ソフト使用
- 3% 特定ビジター用にページの最適化実施
Hitwiseのデータは、Super Bowl広告主のカスタムグループをつくり、試合前後のWebトラフィック増減を比較している。それによるとカスタムグループ全体のトラフィックは、その前の日曜日(1/28)に比べSuper Bowl当日(2/4)は5.2%増加している。しかし、前週月曜日(1/29)と試合翌日(2/5)を見ると4.6%増と若干伸びが落ちている。
Snickers、Budwiser、Bud Lightなどは大幅なトラフィック増を獲得したが、結局、ビールやスナック菓子サイトへアクセスする理由は、もう一度、Super BowlのTVCFを見ることだ。あるいはおまけの面白い広告や懸賞が目当てだ。ところが最近では普通のTVCFならYouTubeで、Super BowlのTVCFならYouTubeやCBS Sportslineなどで見ることができる。Super BowlのTVCFによりWebトラフィックが増加するのか、効果があるのかとHitwiseのLeeAnn Prescottは疑問を投げかけている。
Webベースビジネスの広告主はもっとも大きなトラフィック増加を期待する。今年の場合、GoDaddyとSalesgenie.comがそれぞれ75%、156%と大きな増加を記録している。しかし、CareerbuilderとE*Tradeの場合、求職者が殺到したり、投資家が取引を集中する試合翌日の月曜日は3%増加に留まっている。これは全体の4.6%増と比べても伸びが低い数字だ。Super Bowlの広告は7,000万人という巨大なマスマーケットへ露出できる反面、ターゲティングの面では効果が期待できない。ということで彼女はTVCFとオンライン広告に関するユーザの意見を募集している。
Source:Reprisemedia / Super Bowl Search Marketing Scorecard
Source:Hitwise / Super Bowl Advertising - A Way to Increase Web Traffic?
Reprise Mediaは積極的にXMM、TVCFと検索エンジンを統合したマーケティングを評価、査定している。が、一方、HitwiseはWebアクセス増加目的の妥当性、目的や業種によるTVCFの価値および効果、そしてマス露出とターゲティング露出のトレードオフに注目している。
両者のスタンスの違いといってしまえばそれまでだが、まずHiwiseの視点があり、Reprise Mediaの視点が来るのが妥当だろう。単純にXMMをすればいいというものでは決してない。XMMの期待できる効果をベースに最適解を求めてゆくがマーケターの本質だ。
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