2007/04/05

New Metrics from comScore and Compete

comScoreから「Visit」、そしてCompeteから「Attention」というWebサイトの評価やマーケティングに活用できる指標が出てきた。

comScoreの「Visit」は、アクセス頻度指標であり、特定Webサイトでの個別行動セットとして規定されるユーザEngagementのインジケーターだ。もしユーザが特定サイト内で30分間、何も行動しなければVisitが終了したと判定され、次にユーザが同じサイトにアクセスしたときに次のVisitとしてカウントされる。Visit指標には、Visit合計、平均滞在時間@Visit、平均Visit数@ビジター、平均Visit@日などがある。

comScoreヨーロッパのマネジングディレクター、Bob Ivinsは、「Ajaxなどの利用増によりEngagement指標としてのページビューの価値が下がっている」、そこで「技術の進歩に合わせ、顧客に最適なWeb利用統計を提供するため、Visitをベースとする指標を導入する」と語っている。

通常のユニークビジター指標で2月のUKのトップ10Webサイトを見ると、普段どおりの名前が並んで知る。(Table 1)

しかし、これを平均Visit数@ビジターで見ると様相が違う。(Table 2)

Google、MSは同じだが、3位にBEBO、7位にTiscaliが入ってくる。BEBOはサイトランクでは15位、Tiscaliは65位だ。

BEBOはSNS、Tiscaliは伊ベースの通信・ISPだがデート紹介や画像共有、求人、ハードコア系のエリアもありSNS的なサイトだ。こういったサイトが、ビジターあたりの平均Visit数では一般的な大規模サイトに肩を伍してくる。

次にCompeteの場合、「Engagement(Webサイト滞在時間)」と「Traffic(ユニークビジター数)」から「Attention」という指標を導き出したものだ。そしてCompte.comへアクセスすれば、無償で使うことができる。なお、Competeはデータ収集にツールバーを利用しており、200万人以上のアクティブなユーザのトラフィックデータが元になっている。

Attentionで見ると、Yahoo!、MSN、Googleを抜いて、MySpaceがトップを占めているし、一般的な指標では436位のRunescape.comが15位に顔を出している。
このAttentionという指標には、Visitors、Engagement、Growthの3要素があり、以下のように分かれている。
  • Vistiors
    • People Counts - Monthly (ユーザ数)
    • Rank - Monthly
    • Visits - Monthly (アクセス回数)
  • Engagement
    • Attention - Daily(全米インターネットユーザの総時間に占めるサイト滞在時間の割合)
    • Average Stay - Monthly(分)
    • Pages/Visit - Monthly
  • Growth
    • Velocity - Daily(毎日のAttentionの伸び)
そこでYahoo.comとYelp.comをVelocity - Dailyで比較している。Yahooは2月にユニークビジターが3.8%伸びているが、過去45日間のVelocityは減少している。一方、Yelpは毎日のようにVelocityが伸びていることがわかる。

Source:comScore / Announces New "Visit" Metric for Measuring User Engagement
Source:Compete.com (Blog)/ Compete.com Announces the only Attention-Based Web Metrics
Source:Compete.com (Press Release)/Compete Introduces the Only Attention-Based Web Metrics for Online Marketers

上のプレスリリースで、Competeは、「多くのトップWebサイトの規模は拡大しているが、消費者(ユーザ)はより小規模なサイトでリサーチしたり、ショッピングしたり、ソーシャライズしている。このインターネットテールが伸びることにより、Webサイトの勢力図は分散されつつある。そのため従来からの一般的なオンラインメディア指標を使うマーケターにとり頭の痛い問題となっている。消費者(ユーザ)が広範なニッチサイトで時間を消費し、ポータルサイトで相対的に短い時間を消費している中で、オンラインマーケターは予算を大規模サイトに集中し続けるという矛盾が生じている」と、書いている。

これはAlexaのグラフなどを見ても大規模サイトのリーチが下がっていることからもうなづける。
インターネットのロングテール化が大規模サイトにも影響し、アクセスやトラフィックの分散化が顕在化している。大規模サイトの重要性がなくなるわけではないが、中小ニッチサイトのトラフィックにも目を配る必要がある。

0 件のコメント: