2004年1月、英国の広告代理店が初めてSecond Life (SL) に拠点を開いたところ、抗議のプラカードをかざした数多くの住人からデモをかけられた。それから、数年経ち、SLはまるでドットコムバブルのような状況を 呈している。擬似3D世界でマーケティング活動を行っているのは様々で、MTV、Coke、Dellもいれば、衣料、金融、車関係のブランドもある。しか し、これらSLに参加する数多くの企業に、「一体、Second Lifeに参加したというアナウンス効果以外に、どんな効果、メリットが得られるのか」という厳しい質問を投げかけたケースはあまりない。
ということでGigaOMは、まずKomjunitiの調査結果:(SLの住人200人が調査対象)を持ち出してきている。それによれば;
- 72% SL参加者はブランド企業が行う活動に失望している
- 40% これらブランド企業が行う活動は長続きしないと思う
- 7% ブランドイメージにポジティブな影響を与え、将来の購買に影響する
- 65% いつもオンライン広告に爆撃されているような気持ちになる
- 60% オンラインのマーケティングおよび広告に関してかなりネガティブな意見を持つ
- 41% オンライン広告が消費者にとって少なくとも何らかの意味を持つと考えている
Yankelovichの41%と比べると、SLベースのプロモーションが将来の購買行動に対してポジティブなインパクトを持つと答えたのはKomjunitiでは7%となっている。SLでのプロモーションが期待する効果を発揮できていないのは明らかだ。しかし、Komjunitiの調査対象者は、「SLに出先を持つブランドともっとつき合える様になることを希望」してはいるが、実際のところ、ホテルや小売が、最もポジティブなアクションを獲得しているだけだ。
ということでGigaOMは、Komjunitiがカバーしていない3つのポイントを挙げ、SLでのプロモーションの困難さを指摘している。
Source:GigaOM / Marketing in Second Life doesn't work... here is why!
Source:Komjuniti / Press Release ( published on openPR.com : pdf)
Source:InternetNews.com / Consumers Becoming Marketing-Resistant
GigaOMがあげる3点は、日本語版SLを計画している人たちに検討していただくとして、下の図をご覧いただきたい。これはK Zeroが作成したSecond Lifeのブランドマップだ。これを見ると、まるで住宅展示場のように様々なブランドが出展しており、異様な感じさえする。どのブランドも競合に後れてはならじと、後先を考えず、「まず出展しろ」といったトップからの「天の声」があったのかと思ってしまうほどだ。(クリックで拡大)
Source:K Zero / Second Life Brand Map
SLという擬似3D世界に殺到する世界中のブランドがいる。それら種々雑多のブランドと住人が疑似体験を繰り返し、混沌と呼ぶしかない世界がある。一日に24時間、週に7日間ぶっ通しで踊り明かすヒップホップダンスパーティ、大蛙のフォークロック、サムライの果し合いがあり、時として、その3つが同時に行われるような世界で、ブランドを確立することが必要なのだろうか?
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