2007/04/10

Copyrighted Clips Not That Important To YouTube?

3月31日、Vidmeter.comがYouTubeにおける著作権侵害ビデオの人気を数字に基づいて出すこと、そして自作ビデオの人気を計る目的で「YouTubeにおける著作権ビデオの分析」というレポートを出している。ただし、YouTubeから削除されなかった著作権侵害ビデオはカウントしていないし、法的な評価や推測、仮定を行うものではないと書き出している。その結果、YouTubeにアップされている著作権侵害ビデオは全体からするとわずかな割合しかないという結果を発表した。

Videmeter.comは、昨年12月9日から今年3月22日まで、もっとも人気のある視聴回数の多い6,725ビデオクリップを調査した。これらは合計15.9億回の視聴回数を獲得していた。そのうち621本(全体の10%以下)がViacomなどの訴えを受けて著作権侵害ビデオとして削除されている。これら削除されたクリップは合計9,400万回の視聴回数で、YouTube全体の6%にしか過ぎない。
次にYouTubeから削除されたビデオの本数、視聴回数を著作権所有者ごとにブレークダウンしている。それぞれYouTube全体のビデオ本数、全視聴回数に対する比率を出している。
そして削除されたビデオの視聴回数を著作権所有者ごとの比率をグラフ化している。72本のビデオが削除され、合計3,768万回視聴されていたViacomは全体の40%に達している。
続けてViacomを筆頭に、各著作権者ごとにトップ5ビデオとショートコメントを載せている。例えば、Viacomが削除要求を出したビデオの大半、およびもっとも視聴された回数の多いビデオは「Panic! At The Disco - I write Sins Not...」、「hips don't lie」などのミュージックビデオだ。また「Daily Show」、「Colbert Report」、「South Park」などのコメディも含まれる。

最後に「(削除された)著作権侵害ビデオ本数は、YouTubeでもっとも人気のあるビデオ本数からすると相対的に小さな比率であり、視聴回数にいたってはもっと少ない比率だ」。また、「TV番組や映画から録られた長尺・完全版の盗作ビデオもあるが、削除された大半のビデオで視聴されているのはミュージックビデオおよびコメディやスポーツシーンのショートクリップだ」という結論を出している。

Source:MediaPost / Just an Online Minute
Source:Vidmeter / Copyright Report (pdf)

そして4月5日にフォローアップのコメントを出している。これはMedia Postが伝えるようにViacomは、YouTubeは依然として著作権侵害ビデオをアップしており、Viacomの要求に応じて削除した数は少なく、調査結果と方法に異議を唱えているからだ。
  1. 削除されたビデオだけをカウントしたこと
    削除されたビデオだけをカウントし、削除されていないビデオをカウントしていないという批判には、「その通り」と答えている。ただし、調査の目的、「『YouTubeのトラフィックの大半は著作権侵害ビデオへいっているのか』という問いに対する基本的な推測」を提供することから考えれば目的を果たしていると答え、もしもっとも人気のあるビデオの三分の一が削除されたとしても視聴回数は18%にしか過ぎず、全体から見れば過半数には程遠いとしている。
  2. 削除されていないビデオに有利な見方
    削除されたビデオは視聴回数を伸ばすことはできないが、削除されていないビデオの視聴回数は伸びるため削除されていないビデオに有利だという点に対しては、「その通り」としている。ただし、全体的に見れば削除ビデオへのトラフィックはYouTubeに対して大きな貢献はしていないとしている。
  3. ランダムなサンプルではないこと
    視聴回数の多いビデオだけを取り上げていることに対しては、YouTubeのトラフィックパターンはロングテールであり、もっとも人気のあるビデオへのトラフィックは人気のないビデオに比べ多い。だからトラフィックパターンを良く理解するためには最も視聴されたビデオを取り上げる必要があるとしている。
  4. 大げさに推測しすぎている
    このレポートは数字に基づいた推測を提供することにあり、YouTubeトラフィックの6%が著作権侵害ビデオへ行っているのではなく、Vidmeterがモニターした最も人気のあるビデオへのトラフィックの6%が著作権侵害ビデオへ向かっていること、そしてYouTubeの大半のトラフィックはちゃんとしたビデオへ向かっていることを結論しているのがレポートだと強調している。
Source:Vidmeter / Copyright Report

どう見てもVidmeterの調査は納得できない。簡単にデータが出せる方法を取ったため、ぼやけたといよりは、違った結論に結びついてしまったような気がする。特にVidemeterは、YouTubeへのトラフィックの大半は著作権侵害のない、ちゃんとしたビデオへ向かっているとしているが、以前取り上げたAd Ageの「Who's Really Viewing YouTube」によれば人気のある、視聴されているビデオは以下のタイプだ。これを見ると著作権侵害ビデオだろうと思われる、ニュース、天気、ミュージック、スポーツなどが上位に来ている。(映画プレビュー、TV番組のクリップ・プレビューなどは著作権者がアップしていると見られるので除外)

特にニュース、天気ビデオをTV・新聞社以外の著作権者がアップするとは考えられない。これらは完璧に著作権侵害ビデオだ。何もAd Ageの記事が絶対というわけではないが、もう少し詳しい調査方法と精査した結論を出す次のレポートに期待したい。

参考:Who's Really Viewing YouTube

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