2007/08/24

Intelligent New Business Survey 2007

米150社を対象に調査し、マーケティングコミュニケーション会社がどのように見込み企業から新規ビジネスを獲得するべきかを明らかにしたRainmaker の「The Intelligent New Business Survey」が公表されている。


マーケティング会社、代理店が新規ビジネスを獲得するにあたり正確な洞察がクリティカルとなる以下の3つのポイントで調査したものだ。
  1. 企業が新しい代理店を物色する理由
  2. 代理店が最も効果的に企業とエンゲージする方法
  3. 企業が多くの競合代理店の中から特定代理店を選択する理由
サマリ
  • 企業は代理店の規模に関心はない。が、代理店はそうだと感じている。代理店は規模で仕事をすべきではない。
  • 企業の83%は代理店の所在地を問題としない。が、代理店はそう思っている。代理店は地理的な近さが提案するソリューションの受注成功にはつながらないことを理解すべきだ。
  • 企業の85%は代理店が新規ビジネス提案を行う事前調査、準備を十分だとは思っていない。代理店は現状分析に一層投資すべきだ。
  • 企業の75%はビジネスの諸問題に対するソリューションを求めている。が、代理店は広告、PR、クリエイティブなど自分の得意分野を求めていると誤解している。代理店が提案すべきはソリューションだ。
  • 企業は競合他社の先を行く対応を代理店に求めている。が、代理店の多くは冷房の効いた居心地のいいオフィスにいることを好む。代理店は新規ビジネス獲得のためにプロアクティブに行動すべきだ。
  • メジャートレンドとして疑いもなく企業から求められるのは消費者動向分析だ。代理店はより正確な消費者動向分析を行い、積極的に企業に提案すべし。
Source:Rainmaker / The Intelligent New Business Survey (pdf)

詳細は上のリンクを参照していただきたい。

この調査は、相応のマーケティングコミュニケーション能力を持つ代理店を必要とする意識と目的が高く、(グローバルな)ビジネス戦略を持つ企業を対象としているので、こういう結果になっているのだろう。

そうではなく普通のごく一般的な企業の場合、サマリ結果の逆が真になっているのが実情だろう。代理店の規模は大きい方が良いに決まっているし、締め切り後の変更などにわがままが効く近場の代理店を重宝し、言われたことをやるだけでいちいち時間のかかる新規ビジネスの提案などしてこない代理店が良いし、得意分野でアプローチしてくる代理店の中から相見積もりで指定するのが楽だし、企業内部での調整に時間のかかる一歩先を行く提案は無いに越したことはないし、消費者動向分析などされても分からないというのが本当ではないだろうか?

これは国内でも勿論だが、海外向けにおいて一層、真だと言える。それはCMOなど存在せず、現地法人からの販売支援要請に唯々諾々と従うことが通例となり、グローバルなマーケティング戦略を持たない企業が多いからだ。

現状のオンライン露出量調査となるとNielsen//NetRatingsなどのAdRelevanceを使った出稿量調査をベースとするのだろうが、そんなトラディショナルメディアと同じ方法でオンラインの露出、認知、想起は計測できない。BlogやWebサイトへのリンク、トラックバックなどを加味している調査を行う代理店はいるのだろうか。Google Trend、Digg、del.icio.usなどのデータや露出を活用する代理店はいるのだろうか。ごく一部では実践している代理店もいるだろうが例外だろう。それは、そういったデータを元にした現状分析を求める企業が少ないからだ。

ただし、日本の税務当局が海外広告に関して課税を強化しているというマイナスファクターがあることも事実だ。広告宣伝費ではなく、海外現地法人への利益供与だとして課税されているのは納得が行かない。このインターネット時代にグローバルWebサイトを活用したオンラインブランディングなしにどんなマーケティングが可能だと言うのだろう?
それを実践している日本のグローバル企業は皆無だが...。

0 件のコメント: