ついこの前、「The End of Paid Content (?)」でNYTimes.comがTimesSelectの無料化を決定したと(推測した)NYPostの記事を紹介し、有料サービスから無料サービスへの戦略転換の話を書いた。
そのエントリでもSteve Yelvingtonの話を伝えたが、NYPostの記事の裏にはいろいろとあるようで、WiredのBlogで書かれているように、「NYPostの記事は大量の塩をかけて品定めしなければならない」ような眉唾物かもしれない。その話を引きながらHitwiseのBill Tancerが、NYTimes.com、TimesSelectのサイトデータを出して分析している。
7月にwww.nytimes.comの中で最もトラフィックを稼いでいたのはselect.nytimes.comで全体の8%になる。ところがNYTimesからSelectへアクセスしたトラフィックは前年比16%減となっている。Select自体のトラフィックのうち67%はNYTimesからのもので、米国からのSelectへのトラフィックは前年比22%となっている。
年代別のオーディエンスをNYTimesとTimesSelectで比較してみると、TimesSelectは18~44歳までのインデックスが100を超えている。NYTimes全体を100とするとTimesSelectのユーザの方が例えば、18-24歳では138.83となる。25-34歳では149.29で、これを合計した34歳以下ではNYTimesがTimesSelectの45%増しのオーディエンスを集めていることになる。
また、同様に15万㌦以上の世帯収入を持つグループのインデックスは約150だ。TimesSelectの50%増のオーディエンスがNYTimesへアクセスしていることになる。TimesSelectよりNYTimes全体のオーディエンスのほうが高級管理職、自営業者などの富裕層が多いことになる。
参考:The End of Paid Content (?) (Online Ad)
Source:Wired / Rumor Control : Post Says Times Select To Go Free
Source:Hitwise Blog /New York Times Select Rumor - Data Perspective
Bill Tancerの結論は、「TimesSelectを無料化してもオーディエンス増加につながるかどうか不明だが、富裕ヤング層を人気コラムニストの記事に触れさせることで広告売上の増加が期待できそうだ」としている。
やはり米国内の広告主を対象とした戦略はすでに限界だと感じる。20日のエントリ、「Online Time More to Content Than E-mail」でも書いたが、コンテンツのクオリティこそNYTimesが推すべきキラーアプリだし、訴求対象は米国のみならず全世界のクオリティオーディエンスだろう。
NYTimes.comへのBlogインバウンドリンク数をみれば83,740を集め、二位以下のCNN、YahooNews、BBCなどを大きく引き離している。また、全Blog言語の37%を占める日本語はさておき、36%の英語、8%の中国語、3%の伊、西、2%の露、仏、ポルトガル、1%の独語を見ればおのずと戦略は定まると思うのだが...?
Source:Sifry's Alerts
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