2007/05/09

Web 2.0 ... Beyond E-text (2nd Draft)

YouTubeに「Web 2.0 ... Beyond E-text (2nd Draft)」が上がっている。今年の2月末に「The Internet and Web 2.0」として紹介した時点では、「Web 2.0 ... The Machine is Us/ing Us」というタイトルの1stドラフトだったが、タイトルも変わり、2ndドラフトとなっている。

以前、1stドラフトの終盤近くで表示されるテキストが印象的だとして、以下を挙げた。(5月8日:tracingをtradingへ修正)
The Web is linking people…
   Web 2.0 is linking people…
   …people sharing, trading, and collaborating…

2ndドラフトではE-textが強調され、上記テキストの後に、
We'll need to rethink a few things...
                    copyright
                    authorship
                    identity
                   ethics
                   aesthetics
                   rhetorics
                    governance
                    privacy
                   commerce
                   love
                   family
                    ourselves.

と続き、幕を閉じている。

参考:The Internet and Web 2.0

Web 2.0が社会生活にも浸透し始めたことで、様々な軋轢、亀裂を生じさせている。それがCopyright、ID、Governance、Privacyだということだろう。また、オンラインデートもあれば、家族間のコミュニケーション、我々自身の存在やコミュニケーションにも大きな影響が出てきているということだ。

既成メディアを使ったコミュニケーション時代では考えることさえできなかった現象、影響が顕在化してきた今、我々を取り巻く様々なコンポーネントを再検討することが必要なのは分かる。が、集合知を得るまでのプロセスで流される汗、涙、血も不可欠では...?


なお、Bloggerは
  • YouTubeなどからのストリーミングファイルをHTMLモードで貼り付けても、作成モードで一度でもプレビューすると、embedタグが削除されてしまい保存できない
    • 保存するには毎度、embedタグを書き込まなければならない
と以前、Lord of the Internetで書いていたが、今回、この記事にストリーミングを使っているが、embedタグの書込みは不要だ。問題なくHTML編集、作成、プレビューを表示させることができた。5ヶ月経ってようやく修正できたようだ。

参考:Lord of the Internet

2007/05/08

News and Media Landscape in USA

HitwiseからUS News & Media Report April 2007 (ユーザ登録必要) が出ているので紹介する。

ニュース&メディアトレンド
  • トップ10のニュース&メディアWebサイトのマーケットシェアは2006年3月と比べ、2007年3月には3.8%ダウン。ユーザがニュースソースを新しいニュースWebサイトへ拡大するにつれて、ニュース消費が分散化し始めている。
  • トップ10のニュース&メディアWebサイト
    10位のBBCとFox Newsが入れ替わっただけで、その他の順位は昨年と変わらず。ただし、Yahoo Newsのシェアは昨年から18.15%増。
  • 検索エンジン、ポータルのフロントページ、ニュースアグリゲータがニュース&メディアWebサイトへのトラフィックソースとなっており、Googleからプリント系Webサイトへのアップストリームは29.7%増、TV系メディアWebサイトへのアップストリームは35.9%増となっている。
    NYTなどプリント系Webサイトへのアップストリームトラフィックのうち23.26%は検索エンジンからのもので、その64.1%はGoogleから、17.27%がYahoo Searchからだ。
オンラインビデオのインパクト
  • オンラインビデオがニュース&メディアWebサイトへ与えたインパクトは大きく、ニュース&メディアWebサイトからエンタテイメント・マルチメディアWebサイトへのトラフィックは196%増と拡大。
急成長Webサイトおよび新トレンド
  • オンラインのセレブゴシップニュースが急増。トップ20のセレブBlogトラフィックは2倍。
  • ローカルニュース消費はTopixの登場で激変した。Topixは昨年からのシェア81%増となり、ケンタッキー、南ダコタなどで平均以上のユーザを獲得し、ローカルコミュニティでの参加、関与に成功。
  • Diggは若年、テクオタクの人気を集め、エンタテイメント、ニュース&メディア、そしてBlogWebサイトへのダウンストリームトラフィックの増加に貢献しているが、まだまだニュース&メディアWebサイトに対しては大規模トラフィックソースとまでは至っていない。
Source:Hitwise / US News & Media Report April 2007
(注:上記URLでユーザ登録必要)

Topixに代表されるローカルニュースアグリゲータは、当然、ニュースだけではなくClassifieds (案内広告) も充実している。不動産広告がオンラインへ移行し、案内広告もオンラインへ引越しされてしまうと新聞の広告収入は激減する。また、ひとつ紙媒体の頭痛の種が大きくなろうとしている。
上のTopixのビジター数推移はHitwiseのデータだが、内部サーバによれば月間1,500万人を超えている。1,500万というとNYTimes.comと同等に近い数字だ。そしてその可能性はもっと大きい。

Source:Topix / MediaKit (pdf)

2007/05/07

Panasonic and LGE Will Be the Worst in Greenness

以前、Greenpeace Ranks Apple Last in Greennessを書いたが、5月2日になりAppleのSteve JobsがOpen Letterを公開した。

「製品からの有害化学物質排除、製品のリサイクルに関してAppleは、リーダーではないとある環境団体から批判されて」という書き出しから始まり、「将来計画を声高に言いつらうことはAppleの方針ではない。しかし顧客、株主、従業員そして業界に対して語られていない面があり、ステークホルダーがそれを求めるのも尤もだ」として、有害化学物質排除と製品リサイクルに関して説明している。

鉛、カドミウム、6価クロム、ヒ素、水銀、ポリ塩化ビニール、臭素系の難燃剤など、個別物質ごとにその排除実態、今後の予定、競合メーカーの現状と比較を加えて、製品のリサイクル計画を説明している。(米国内の話だけだが)

参考:Greenpeace Ranks Apple Last in Greenness
Source:Apple / A Greener Apple
Source:Apple / A Greener Apple (pdf)

Steve JobsのOpen Letterが、ステークホルダー、中でも株主に向けられたものであることは10日に開催予定の株主総会があること、そして比較として挙げたのは米国企業だけであることからも明らかだろう。また、Steve Jobsのメールボックスに毎日、届く数百、数千の抗議メール、Blogやメールで拡散していくGreenpeaceキャンペーンに神経を尖らせた結果でもあるのだろう。そして5月1日に発表されたWebby AwardでGreenpeaceの「Green My Apple」が「Best Activist Site」として選出されたことも影響しているかもしれない。

Source:Webby Award / ACTIVISM Webby Award Winner

しかし、少なくともAppleはGreenpeaceキャンペーンに対して、正面から、オープンに対話を行い、説明責任を果たしたと見ることができる。たった一月やそこらで現状の対応、将来計画をまとめ、毎年、定期的に公表することを公約した。加えてこれら情報提供が遅れていたことを詫びている。ここに大きなポイントがある。

さて、MacWorldによれば、Greenpeaceはこれを受けて、Appleの評価を2.7から5.0へ引き上げたようだ。4月公表時のランク最下位のAppleが評価5に上がれば、PanasonicとLGEがGreener Electronicsの最下位になる。
Source:MacWorld /Greenpeace responds to Apple's environmental plans

Greenpeace Ranks Apple Last in Greennessでも書いたが、Greenpeaceの矛先が日本企業に向けられ、Apple、Steve Jobsに対して実施したようなEmailキャンペーンが実施された場合、どうするのだろう?

特に日本企業ではPanasonicが最下位になりそうなわけだが、Greenpeaceキャンペーンや、Appleの動きなどをモニターしているのだろうか?この頃、日本であまりGreenpeaceの動きが報道されることがないが、どんな次の手を検討しているのだろうか?

もしPanasonicを対象とした次のキャンペーンが行われた場合、PanasonicのCEOはどんなOpen Letterを出すのだろうか?それもJobsのように役職名なしのOpen Letterを書けるのだろうか?
グローバルなブランディングのリスク管理として興味が尽きない。