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2010/07/15

Domestic Market Shrinking

DisplaySearchのニュースリリースによれば、2012年に中国におけるFPD TVの販売台数は5,000万台を超えるそうだ。
そして、中国では1990年代中ごろにカラーTVの出荷が急増した。8~10年というTV寿命からすると4.5億台のCRT TVが、これからの5~10年の間にFPD TVに切り替えられると予想している。その結果、世界市場で見ると、2011年には米国市場を抜くと予想されている。
Source:DisplaySearch / China FPD TV Market on Track to Surpass 50M by 2012

中国が世界の工場から、世界一の市場へ成長してゆくのをこれから見てゆくことになる。そして、2010年にあった日本市場の世界シェアが2014年には半分以下に落ち込むのを見ることにもなる。それは、世界の市場規模が拡大するにつれて当然のシェアダウンではあるが、販売台数的にも、金額的にもダウンすることになるはずだ。

ということは、伸びの見込めない国内よりも、中国や欧米、東南アジアなどでの販売に注力することになる。その際、国内広告・マーケティング予算がそのままだろうか?

税法上、海外子会社への利益供与と判断される海外子会社の広告・マーケティング予算の一部負担を直接的に国内予算から行うことはないとしても、少なくなる販売額にも関らず、前年同額の広告予算が支出されるのだろうか?同じ人員規模の広報・広告部が活動するのだろうか?

縮小するばかりで底の見えない国内市場に今と同じ人員、予算をはりつける過ちを犯すのか、それとも、先進国+新興国市場に対するグローバルなマーケティングを本社が行うために新しい組織、人員、予算を既存組織からシフトさせるのだろうか?

2014年にはおそらくソーシャルメディアスペースで世界中のデジタルネイティブ達が英語でコミュニケーション、エンゲージメントを毎日、様々な形で行っている。そのスペースに参加もせず、モニタリングもせず、エンゲージもできない企業・ブランドが淘汰される実例がひとつや二つはでてきていそうだ。

それを考えれば、今こそ、組織改革の時だと思うが、いかがでしょうか?

2010/03/24

Worldwide TV shipment 2009

ひと月ほど前、Display Searchが、全世界のTV出荷台数をアップしていた。

全世界のTV出荷台数は2.11億台、そのうちLCDは1.46億台。Q4の出荷台数も5,000万台を越えて前年比50%増、前期比35%増と破竹の勢いだ。LCD、Plasma、OLEDなどフラットTVのシェアは75%ラインを初めて超えて、売上の90%を占めたそうだ。
なかでもLCD TVの中でLEDバックライトタイプは出荷台数の4%、金額は11%を占めるまでに成長している。

そして、ブランド別の売上ではとにかくSamsungが強い。LGEも含めてトップ5ブランドで前年比増を達成したのは韓国メーカーだけ。日本メーカーは3社とも前年比減となっている。
なお、LGEは2009年の売上シェアで2ポイントもアップして13.2%にまで達した。トップ5の中で前年同期比20%増も達成し、伸び率ではトップを飾っている。
Source:DisplaySearch / Global LCD TV Shipment Reached 146M Units in 2009

さて、LGEがなぜ2009年に伸び率トップ、年間売上シェア13.2%を達成したかというと、2008年12月11日に出ているプレスリリースからうかがい知ることができる。

初めて世界市場に向けて「stylish design and smart technology」というブランドIDを掲げ、11月から英国でプリント広告キャンペーンを開始、12月から英、仏、豪、ブラジル、露でTVキャンペーンも開始する。

フォーカスする製品は以下の通り。
  1. タッチスクリーンの携帯
  2. TV
  3. 洗濯機
  4. HDサウンドのホームシアター
ブランドキャンペーンに使われたプリント広告、およびTVCFは以下の通り。
LG  screen.


そして、今は閉鎖されているが、マイクロサイトも立ち上げていたようだ。また、面白いのはConde Nastとタイアップして、VogueやVanity Fairなどでプレースメント広告などもやり、5年間のF1スポンサーシップも契約して長期間のブランドキャンペーンを継続する。

という内容だ。

Source:LGE / LG Electronics Launches Global Brand Campaign Based on News Brand Identity

各国で行われたこういったブランドキャンペーンがLGEの売上シェアに直結したと短絡するつもりはないが、消費者心理が冷え込んでいた2009年に売上シェアを2ポイントも伸ばし13.2%に達した主要な原動力になったことだけは間違いのないところだろう。

そして、LGEのオンラインバズはSamsungのそれと拮抗している。過去6カ月においてLGEは約100万件、Samsunは約114万件だ。両社のバズシェアはLGE47%に対してSamsungの53%となっている。どのカテゴリも同様のシェアなのだが、唯一、Twitterバズは違う。LGEが74%に対してSamsungは26%でしかない。

バズは広告・広報・イベントキャンペーンなどがトリガーとなるが、それを拡張、拡大、共有、再露出してくれるソーシャルメディアユーザを忘れてはいけない。そして、そのバズはユーザマインドにしみこみ、ブランド認知、想起などへつながってゆく。

SamsungがCESのプレスコンファレンスをTwitterで同時中継したことは「Samsung Twitter Press Conference」で紹介した。そのSamsungをニュース配信プラットフォームとしてFacebookの上を行くTwitterバズで圧倒しているLGEのTwitterマーケティングや、広告キャンペーンの物量で勝るSamsungにどのようにLGEが対抗し、これだけのオンラインバズを発生させてきたのか、興味が尽きない。

参考:Samsung Twitter Press Conference (Online Ad 2010/01/08)

2010/03/08

Unrealistic TV Effectiveness

Television Bureau of Canadaから「Innerscope : Media Effectiveness」というレポートが出ている。

18~49歳までの男女100人に対して、24のターゲットブランドが出現する広告を露出させた調査結果を明らかにしている。

以下の5つのパターンでターゲット広告を視聴した翌日の助成想起を比較している。
  • TVCFとラジオ広告
  • TVCFとオンラインビデオ
  • TVCFとオンラインディスプレイ広告
  • TVCFと新聞広告
TVCFとオンラインディスプレイ広告を比較すると、翌日の助成想起は、TVの34%に対してオンライン広告は7%でしかない。その差は5倍に達する。
次にTVCFとオンライン広告の視覚的な注目度を比較している。平均するとTVCFの視覚注目度は88%だが、オンライン広告は1%にも満たない結果となっている。
それは、オンライン広告の視線トラッキングのヒートマップを見ればよく分かる。ターゲット広告が2つあるが、そこへ移動している視線はほんのわずかしかない。ほとんど全ての視線は左側のテキストや、セクション見出し、移動ボタンなどに集中している。
最後に同心円の先端にTVが位置し、一段下がった位置にオンラインビデオがあり、その下に新聞とラジオが来て、最後、もっとも低い位置にオンラインディスプレイ広告があるスライドがある。このスライドはあまりにもひどい誤解を生みかねないので省略する。

Source:TV.org

この調査結果を見れば一目瞭然だ。オンライン広告なんて何の役にも立たない。やっぱりTVCFが一番だ。ソーシャルメディアなんか糞食らえといった雄たけびが遠くカナダで木霊しているのが聞こえてくる。

しかし、実際のところ被験者は、テスト室に閉じ込められ、TVの場合30分のコメディ番組を視聴してもらい、オンラインの場合15分間MSN.Caをサーフしてもらうことになる。テスト中はとに角、それ以外何もできない。

こんな日常生活は存在しない。TV視聴者はCFタイムになればチャネルを切り替えるし、TVだけを視聴する人間は少なくなっている。携帯やPCを操作しながらTV番組にも目を走らせ、iPodで音楽を聴いている消費者の方が多いくらいだ。

オンライン化し、ソーシャルメディア化した時代に逆行し、TVという一時代を築いたメディアの効果を最大限に発揮するこんな非日常をベースにした調査を行い、TVCFの助成想起が一番だといった結果を公表する予算があるのなら、もっと別なところへ使った方がいい。DVRがらみの録画視聴率など、他にもこれに類似した調査がたくさんあるが、これほどひどい結論を導き出したものはめったに見たことがない。

それだけTVと言うメディアの衰退を押し留めることができない実態が見えてくる。もう、一方通行のコミュニケーションでは露出できたとしても、共感も共有も拡散もしてくれない。パラダイムシフトに逆らっても得るものは何もない。

2009/10/19

US TV Ad Spending in 2009 Q2/1H

TVBから2009年Q2および1HのTV広告費データが出ている。

Q2は全体で前年比12.8%(14億㌦)減の96億㌦だ。上半期も前年比12.3%(28億㌦)減の201億㌦だ。
カテゴリ別に1H実績を見ると、マイナスもあるがプラスもあるといった昨年の1H時点とは違い、25カテゴリ中、プラスになっているのは2カテゴリのみ。他はすべてマイナスだ。中でも自動車が前年比53.3%(7.3億㌦)マイナスの約64億㌦でしかない。
(注:下図の2008、2009は左右逆になっているようだ)
広告主トップ25を見ると前年比で増えたのはVerizon、Time Warnerなど4社だけ。72.5%も減らしたNissanを筆頭に、Toyotaが60.9%減、Chryslerが51.8%減、Fordが39.4%減となっている。
(注:下図の2008、2009は左右逆になっているようだ)
Source:TVB Online / Ad Revenue Track

広告主トップ25を何度も見直したがGMが顔を出していない。4月のChryslerに続き、6月に経営破たんしたGMだが、Chryslerは前年比51.8%だが7,192万㌦を支出している。しかし、GMはトップ25に顔さえも出していない。

昨年のデータを取上げた際、
Ad Ageの3月18日に「GM Roars Forward Into Digital Ad Channels」という記事があった。それは今後2~3年間のうちに、年間30億㌦の広告予算の半分を、TVおよび印刷媒体からデジタルおよび消費者ダ イレクトチャネルへ移行するというものだ。GMは過去数年間で数億㌦をTVおよび印刷媒体から引き上げ、デジタルおよび消費者ダイレクトチャネルへ投下し ている。
と書いた。

ブランド廃止・売却、経費削減、組織統廃合など、まだまだ再建途上だし、個々のメディア予算がどうなっているのか不明なので確定的なことは言えないが、少なくとも一部ではそれが実行されているようだ。

参考:US TV Ad spending in 2008 Q2/H1 (Online Ad 2008/08/25)

そして、ReutersによればGMのQ3の米国内シェアは19.5%だ。TVCFなしでもこれだけのシェアを取れると見るか。あればもっとシェアは高くなると見るか。どちらだろう?

Source:Reuters / GM assumes 19 percent-plus U.S. market share-director

なお、よく、他社が広告費を削減している際には広告費を増やしてシェアを取れとか、景気が減速している今だから広告を出すべきだなどという声が聞こえてくる。しかし、こういった声にマーケティングの本質、真実はあるのだろうか?

2009/09/17

Ford: Online Monitoring

先日、アップした「Twitter Report」の「Branding & Awareness」にFordを取上げた。

参考:Twitter Report (Online Ad 2009/09/11)

そのFordのケーススタディを詳しく見てみたい。
















まず、2008年12月9日、18:10、Ford RangerのファンサイトであるThe Ranger Stationから火の手が上がった。














その種火は、Fordの法務部門からサイトへ送られた「警告状」だ。これはサイトオーナー、Jim Oakesに対してWebを閉鎖、URLを返上し、5,000㌦を支払えというものだ。何が何だか分からないJimは、サイトのユーザフォーラムでうっぷんをぶちまけたところ、その後の22時間で916回のレスポンスを受けた。この火種はWeb、Blog、フォーラム、SNS、Twitterと様々なチャネルを通して延焼していった。

12月10日、5:30、Fordのグローバルデジタル・マルチメディアコミュニケーションマネージャ、Scott Montyは通常通り、Twitterをチェックしたところ、ひとつのTweetが1:30から待っていた。
上は、Jim OakesのオリジナルエントリをアップしているFordの別ファンサイト、FocalJetへリンクされている。別にScottには別のファンサイト、Mustang Evolutionにある類似エントリを知らせるDMもあった。野火がファンサイトからファンサイトへ飛び火、延焼していた。FordのカスタマーサポートセンターにはJimのオリジナルエントリを出火場所とする1,000通以上の苦情emailが殺到していた。

Scottは午前中一杯、内外の状況把握に努めていた。そのステータスをTwitterで発信している。
そして、彼は、ある程度、状況が把握できた時点で下のTweetを行っている。これが最初の消火活動となっている。それは「fordファンサイトに関する法的手段に関して関心を寄せる方へ:現在、法務と問題解決の交渉中」というメッセージもそうだが、画期的なポイントは、「RT乞う」というメッセージだ。
その時点でScottのフォロワーは5,600人。そのうち19人が彼の要請に応えてRTした。その19人が抱えていたフォロワーは13,400人。

その後も、Scottは法務からのフィードバックを供給し続けている。曰く、「法務からは全く別の話が分かってきた」、「サイトオーナーからチャンと返事がもらえていなかった。これにはもっと深い問題がある」「サイトで偽物が売られていたことが分かった。URLに関しては調査中」
ScottはTweetの間に社内の法務とコンタクトして、「サイトでFordのロゴを付けた偽物が売られていたという警告状送付の理由、URL返上・サイト閉鎖や5,000㌦要求は法的手段に訴えるという脅し」だったことを確認している。

ようやくここまで原因調査や火災消火の方法、今後の対処などが決まると、ScottはJime Oakesに直接、電話している。これまでの状況を説明し、これからの対処を説明し、Jim側の話も聴取している。双方が対処方法に納得したのち、ScottはTweetしている。
その後もTweetを続け、Scottが鎮火を宣言したのは翌日の2:29だった。Ranger Stationでの発火から鎮火まで、22時間26分かかったことになる。

Source:RonAmok / Ford, Fansites, and Firefighting
Source:RonAmok / The Ranger Station Fire: How Ford Motor Company Used Social Media to Extinguish a PR Fire in Less Than 24 Hours.

Ron Amokは、
  1. Everything is Public
  2. Company don't talk: People do
  3. Without Support: New Media Fails
を挙げてまとめとしている。

Ron Amokは、上の3点を挙げ、下の7点を比較してROIを出せとしている。
  1. Scott Montyはこの問題解決にあたり19時間を費やした
  2. 彼は問題の原因調査を主導した
  3. 彼は複数のミーティングを開催した
  4. 彼は複数の電話をかけた(サイトオーナーJim Oakesへも)
  5. 彼は138回、今回の問題に関してTwitterにメッセージをアップした
  6. 彼はフォロワーに助けを請い、フォロワーは合計32,332人へメッセージを転送した
  7. 彼は今回の問題を24時間以内に完全鎮火、解決した
これらにかかったコストと、今回の問題が解決されず放置され、オンライン史上最大の大火となり、販売台数減少、ブランドイメージ・価値・評価が地に落ち、マスメディアを駆使した販売・イメージ回復キャンペーンに費やした総コストを比較した場合、そのROIはどうなるのかと。

彼の3点に
  1. ソーシャルメディアスペースにおけるリスク管理
  2. オンラインモニタリングの重要性
  3. RT (ReTweet)効果
  4. ソーシャルメディアマーケティングの人員・組織・予算化の必要性
を付け加えたい。

特に、リスク管理にソーシャルメディアを取り込んでいる米企業もまだ13%でしかない。ハドソン川の奇跡を伝えたTwitterが、企業に牙をむくのは今日かもしれない。
Source:Source:Russell Herder / EMBRACING THE OPPORTUNITIES,
AVERTING THE RISKS

2009/07/13

Michael Jackson on Facebook

以前、「RIM MJ」を書いた。

参考:RIM MJ (Online Ad 2009/06/27)

その絡みでちょっとFacebookを確認したところ、Michael JacksonのFacebookにあるPageには、すでに780万人以上(7月9日時点)のFanがついている。今朝はもう877万人を超えている。あっという間にObama大統領を追い抜いてFacebookで最もFanを抱えているページになっている。

InsideFacebookによれば、7月8日だけで90万人以上、1週間で454万人以上がFanになっている。チョー強烈な伸びだというほかはない。
MJのWallには、ライブ追悼式の件、追悼式の告知、無料ギフトなど上がっている。
そして、MJのFanになった筆者のFacebookページには、他のFanや友人が書き込んだコンテンツと一緒にMJコンテンツも反映されている。
ということで、Facebookは世界中に友達の輪が広がってゆくネットワークであり、コンテンツの流通チャネルであり、露出増幅マシーンでもある。

また、Facebookをメディアと捉えるとMJの場合、877万人もの読者、聴取者、視聴者がいる自前メディアを持っていることになる。自前メディアなのでコストはかからない。

既成レガシーメディアであれば双方向のコミュニケーションはもちろん存在しないし、ワンウェイのコミュニケーションを行ったところでそれを他人が知る術はない。最初から会話が成立するベースは存在していない。また、メディアから押し付けられるコンテンツを受け入れるか、あるいは拒絶するかの選択肢しかない。

ところがオンラインのソーシャルメディアスペースで最大であるFacebookのページ、Wallであれば、MJからのコンテンツも、Fanからのコンテンツもオープン、透明に供給され、消費され、共有され、再露出されているし、会話が成立する。

こういったコミュニケーションチャネルこそ、企業・ブランドが昔から、広告というメッセージを発信した時から希求していたものだ。いや、最初はマスメディアを使うことで露出を稼ぎ、押し売りするメリットを最大化しようとしていただけなのかもしれない。

しかし、2006年のANA総会でP&GのCEO、A. G. Lafleyが、

パワーは消費者が握っている
「マーケターおよび小売業者は、消費者にしがみついて後れないようについて行っている」
P&Gは長い間、消費者がどのように商品を理解、使用すべきかを教えてきたが、
「DVRや衛星ラジオなどの技術を使った広告を、いつ見たり、いつ消すかを消費者が選択している今日、小売側は消費者とともに学んでいる段階だ」
消費者があらゆる意味で我々のブランドを所有し、ブランド創造にも参加している
「我々は、消費者や好きな製品の回りに築かれるオンラインコミュニティによってコマーシャルが創造されるこのトレンドを認めるべく学習すべきだし、それを歓迎すべきだ」

と述べているように、「トップダウン方式のマーケティングからボトムアップ、グラスルーツ方式のマーケティングへ変えていかなければならない」という理解は広まり、実践するケースが増えこそすれ、少なくなったり、消えてゆくようなことはない。そして、現在、ボトムアップ、グラスルーツ方式のマーケティングの中身が変化してきている。

参考:Letting Consumer Control Marketing : Priceless (Online Ad 2006/10/17)

話をFacebookに戻すと、ボトムアップ・グラスルーツ方式から、参加、共有、コラボ、拡散、再露出というソーシャルメディアマーケティングへ移行してきた状況で、そのメディア・コミュニケーションシーンのトップに立つFacebookを活用することで、既存メディアの存在意義が薄まってくる。

なにしろコストのかからないメディアなど今まで存在していなかったのだから。レガシーメディアへの広告がなくなることはない(だろう)が、そのシェアは減るしかない。
参考:Beyond Advertising (Online Ad 2009/04/30)

新聞や雑誌広告、TVCFに金をかけ、仰々しく額装丁されたエビデンスプレートをオフィスに飾るステータスとしてのレガシーメディアが全てを牛耳っていた時代から、一般消費者・ユーザ・顧客が手綱を握るソーシャルメディアへ参加することで初めてコミュニケーションが成立する時代へ変わってきている。

こういった時代にレガシーメディアに広告を出しているだけで、ソーシャルメディアスペースで露出することもできないし、参加することなど全くできはしない。今こそ、マインドセットをシフトする時なのだが...。

2009/06/01

Susan Boyle - Final

2009年のBritain's Got Talentの決勝戦が終わった。結果はDiversityが優勝、賞金10万ポンドを獲得し、エリザベス女王の前でパフォーマンスを披露することになる。

予選、準決勝でも一糸も乱れぬダンスパフォーマンスを披露していた彼らが最後の栄冠を手にするのは当然だっだのかもしれない。

Susanは予選でのエントリ曲、「I Dreamed A Dream」を再び歌い、会場を沸かせたが残念ながら予選ほどの圧倒的な力はなかった。緊張が窺える硬い表情もあり、予選時に彼女の体全体からほとばしり出ていたパワーが消え、声自体の幅や深み、そして伸びに欠けていた。準決勝後のトラブルが後を引いていた。

出生時の低酸素症による脳への軽い障害を持ち、幼いころからイジメにあい、両親とともに過ごしてきた彼女の人生を一変させた2009年のGritain's Got Talentが終わった。Susanの勇気と歌声に大きな拍手を送りたい。

Source:DailyRecord / Exclusive : Susan Boyle's first ever song ...

さて、Facebookにある彼女のページには7件の書き込みがある。それに対して合計で70,740件のコメント、313,102回「Like」がクリックされている。(5月31日朝時点)

この70,740件のコメントは、そのすべてが彼女の歌声、個性を褒め称えるものではない。四文字熟語や、ねたみ、容姿のあげつらい、そして彼女の人気にあやかって自分のWebやBlogへトラフィックを誘引しようとするアフィリエート的な輩もいた。

Source:Facebook / Susan Boyle

ま、言い換えれば人間社会の立場、動きすべてが凝縮されているといっても過言ではない。

FacebookやBlogなど、オープンで対等な会話を醸成するスペースにいる限り、また、彼女の歌声を世界中のインターネットユーザに広く知ってもらうために参加したスペースにいる限り(ただし、これは彼女の本意ではなく、talent.itv.comの狙いだが)、清濁併せ飲む必要がある。その意味でネガティブコメントも受け止めなければならない。

ところで、このネガティブコメントはどれくらいの比率になるかというと、Keller Fay Groupから出ているWOMのデータでは全体の10%だ。しかし、その6倍以上が「非常に肯定的」なWOMになっている。
また、肯定的なWOMは否定的なWOMよりも他の人にリレーされている。
Source:Keller Fay Group LLC / Single-Source WOM Measurement (pdf)
参考:36% (Brand Advocate) Talk Brands Online (Online Ad 2006/12/19)

世界中がインターネットというネットワークであり、かつ最大のメディアによってつながれている現在、企業・ブランドの意思にかかわらず、ブランドコンテンツは消費され、共有、拡散されている。それもマスメディア経由のコンテンツではなく、ソーシャルメディアスペースでユーザが創造した、あるいは共有されたコンテンツからブランドが発信されている。

この時代にソーシャルメディアスペースに参加する勇気を持たず、ネガティブコメントに怖気をふるい、レガシーメディアだけの情報・コンテンツ発信を続け、コンテンツ流通をモニターもしていない企業・ブランドに明日はない。

たった10%のネガティブコメントに対処できないために、62%に達するブランドアドボケートを見殺しにするのも、ネガティブコメントよりも他の人々へリレーされる肯定的なWOMを醸成しないのも本末転倒だ。

もうひとつある。

Facebookの彼女のページに何度も何度も「ゴタク」や「ヨタ」を飛ばす輩に対して、別の多くのユーザが「諭し」、「無視し」、「封殺」しようとしていた。それはSusan Boyleの価値を最もよく理解し、その価値をまだ知らぬ人々に知らせたい、届けたいと希求するアドボケーターが、ネガティブコメントに対してSusanに代わって奮戦していたということだ。彼らはSusanのサポーターでもある。

アドボケーター、(WOM)リレーされるコンテンツを提供すること、そしてサポーターを支援することこそがマーケティングだ。そして、このマーケティングはSusanの歌声が世界中の英語圏、非英語圏に届く時代に特定の国だけで行っていても意味がない。

今回を含め6回にわたり、Susan Boyleの歌声、彼女の歌声を広めたソーシャルメディア、ブランドバス、ネガティブコメントなどに関して書いてきた。彼女の存在、歌声、勇気、影響はとてつもなく大きい。それは一人の女性としてだけではなく、世界中を巻き込んだ嵐としても...。

参考:Amazing Voice : Susan Boyle (Online Ad 2009/04/20)
参考:Susan Boyle -2 (Online Ad 2009/04/21)
参考:Susan Boyle -3 (Online Ad 2009/04/27)
参考:Susan Boyle -4 (Online Ad 2009/05/02)
参考:Susan Boyle -5 (Online Ad 2009/05/31)

最後にやはりSusanの最高の熱唱を聞きたい。

2009/03/31

Facebook URL on TV Ads

March Madnessの中、NCAAの学生バスケットボール選手権を見ていたBivings ReportのTodd Zeiglerが気づいたことがある。

Vitamin Waterというスポーツ飲料メーカー(?)のTVCFのエンドロールにFacebookのURLが出ていたのだ。見にくいが、下の画像がVitamin WaterのFacebookページのURLが表示されている。
詳しくはYouTubeのビデオで。

さて、1か月ほど前にアップしたようなVitamin WaterのFacebookページへ行くとすでに5万人強がファンになっている。


Source:Bivings Report / Vitamin Water Uses TV Ads to Drive Traffic to Facebook Fan Page

日本でも企業Webサイト、あるいはキャンペーンサイトのURLがTVCFのエンドロールに表示されている。特定キーワードを「検索してね」といったタイプもよく見る。

しかし、FacebookなどSNSのURLを表示するTVCFは米国でも初めてのようだ。

企業の公式Webサイトにしたところで、キャンペーン用マイクロサイトにしたところでスタティックなWebサイトは参加するスペースはなく、コンテンツの共有も行われない。それからするとSNSのページをランディングページにしたほうがベターだ。

今後、多くの企業・ブランドがこの方法を執ってくるだろう。

が、しかし、現在、日本のグローバルブランドが米国や欧州のTVCFのエンドロールにFacebook、MySpace、BeboなどのURLを表示するのは不可能だ。欧米企業のオンライン戦略、そしてWeb 2.0戦略から大きく引き離されている日本企業は、露出ギャップに加えてユーザとの会話ギャップも抱え込んでいる。ブランド価値は落ちるばかりだ。

それにしても、Bivings Reportがエントリの最後に付け加えたように、Vitamin WaterのWebサイトはひどい。Vitaminwater.comはそのすべてがFlashで構築されていてどこかのブランドサイトと同じだ。とんがったクリエイティブが全身全霊を注ぎこんで作ったことが見て取れる。最新のカッコいいサイトに出来上がっているが、アクセスするユーザのことを全く無視している。このデザイン、サイト構築にいくらの無駄金を払わされたのだろう。加えて、ページのタグには「Glaceau」というメーカー名しかなく、「Vitamin Water」で検索してもたどりつくのは至難の業だ。

また、Facebookのページも内容がない。ページを立ち上げる際にコンテンツをアップしただけで、アクセスしたユーザとの会話がない。

2008/12/04

TVB Revised 2009 Forecast

11月11日、TVB (Television Bureau of Advertising) が9月に出した2009年の予想を改訂した。TVBが過去に予想を改訂したのは2002年の予想を改訂したときだけだ。それは2001年9月11日のあの事件があったからだ。

さて、TVBは2009年の総スポットTV収入は、今年の7%から11%のダウンと見ている。
加えて、TVBは2008年のTV収入を昨年比7.1%ダウンと予想した。ということは、2007年を100とすると2009年は84から87のレベルということになる。TV収入が急降下してゆく。

9月予想時点のデータ(上半期)を見ると、トップ10カテゴリの中で前年比減となっていないのは、Telecom、Gov、Propertyだけ。中心である自動車は13.5%も落ちている。
自動車カテゴリの中でリストアップされている13メーカーの中で広告費が増えているのはBMW、Daimler、Volkswagenのドイツ系のみ。Big3はもとより日系メーカーも軒並み減らしている。
そして、TVスポットのほうもがた落ちだ。
Borrel AssociatesによるTV局のWeb広告収入は、年々増加してゆくが2010年の予想でもまだ全体の8.8%にしか過ぎない。
Source:TVB / 2009 Forecast (Sept 2008)
Source:TVB / Revised 2009 Forecast
Source:MarketingCharts / TVB Revises 2009 Forecast to Reflect Larger Declines

新聞、雑誌などが購読者数減、広告収入減の板ばさみにあって何とかオンラインで穴埋めをと考えてもまだまだその一部にしかならない状況がある。その状況がTVにも起こってきそうだ。

エネルギー・食料価格高騰、信用収縮、不動産価格下落、DVR普及、オンラインビデオ、モバイルWeb、オンライン検索広告、そしてソーシャルメディアマーケティングとそろってくると、今回の金融危機およびメディアシフトによるTVへの影響は長期間にわたる。この間、企業・ブランドは効果、効率の良いメディア、マーケティング手法へ移行してゆく。そして、この道は不可逆のルートになるから、メディアシーンは大きく変わることになる。

2008/11/26

eMarketer - Seven Strategies

eMarketerのCEO、Geoff Ramseyが「Digital Marketing Now Seven Strategies for Surviving the Downturn」という資料をアップしている。

このホワイトペーパーは底知れぬ金融危機を迎えたマーケターが検討すべき戦略、戦術をリストアップしているのだが、その戦略へ行く前に、大きな流れ、トレンドを説明している。まず、各調査会社の今年、来年の広告費を上げている。基本的に弱含みだと見られ、昨年までの力強さはない。
次に企業マーケター側の予想だが、2008年の広告予算が削減されると見るマーケターが多い。減収減益パターンのもとで広告予算が突出して消化されるとは考えにくい。
予算枠が削減されるので、予算配分が重要となる。調査各社によると新聞、雑誌、TV、ラジオなどのレガシーメディア予算は大幅な削減が予想されている。Epsilonが調査したケースでは59%、MarketingProfsの場合85%が既成マスメディア予算を削減すると回答している。
一方、オンライン広告はというと各調査会社ともに強気の見方をしている。これは当然だろう。既成マスメディア予算が削減されるのは広告効果、効率が低下しているからだし、効果そのものを測定できないからだ。それとは逆にオンラインは効果測定ができるだけ予算枠は増加する。
だからこそ、総広告費に占めるオンライン広告の比率は昨年で7.6%だったものが、2013年には18.3%に達すると予想できる。
Source:eMarketer / Seven Strategies for Surviving the Downturn

と、ここまでは大方の予想通りの数字、予想が並んでいる。しかし、注目したいのは下の数字だ。
企業側マーケターが配分する予算の中で広告、既成マーケティングの予算枠を削減すると回答したのは、それぞれ59%、65%にも達している。逆にインタラクティブ/オンラインマーケティングを増やすとするのは63%になっている。

この「インタラクティブ/オンラインマーケティング」にオンライン広告は入っていない。オンラインもオフラインもすべて「広告」にくくられている。上にあるようにオンライン広告の伸び、シェアは増加するだろうが、「広告」枠内での話だ。

IBMが「The End of Advertising」というペーパーを出して、「マスメディアというコンセプトは終了した」と宣言したようにオンでも、オフでも広告、すなわち一方通行のメッセージ配信の時代は終了した。オンライン広告のCTRやVTRが下落傾向なのはそれを如実に現している。

参考:The End of Advertising (Online Ad 2008/08/29)

米国企業が「インタラクティブ/オンラインマーケティング」でやろうとしているのは、ブランド認知や販促といった側面もあるだろうが、本質は顧客の意見、アドバイス、批判などの洞察を獲得して製品改善、新製品開発、顧客マネージメントに活かすことだし、オープンなコミュニケーション、会話を通して企業・ブランドとのエンゲージメントを強化し、コンテンツ(ブランド)の消費や流通、再発信に参加して(させて)もらう、共有して(させて)もらうという目的がある。

オンライン広告を出せばWeb 2.0スペースへ参加できるのではない。Blog/SNS/Forum/Communityへの参加なしに、単にそれらにオンライン広告を出している企業・ブランドと、既存サイトへの参加だけではなく独自のメディアとしてBlog/SNS/Forum/Communityを構築している企業・ブランドとのギャップは否応もなく広がってゆく。

金融危機以降、効率重視のメディア選択が一層、強化されるとともに、自前メディアを積極活用するマーケティングが主流となる。媒体費の要らないメディアを持っていることに気づかない企業・ブランドはWeb 2.0スペースでのブランド認知は低下し、顧客ロイヤルティあるいはブランドの評価は低下するしかない。

2008/11/10

Palin didn't know Africa was a continent

どうやら昨年の「Miss Teen USA 2007 - South Carolina answers a question」に続いて、全米でおバカちゃんと言われそうなのが、共和党の副大統領候補だった「Sarah Palin」のようだ。

アフリカが国ではなく大陸だとは知らず、NAFTAの何たるかも知らないという話だ。


Source:YouTube / Fox News: Palin didn't know Africa was a continent
参考:No Map in USA (Online Ad 2007/09/03)

彼女はFox Newsの話を打ち消しているようだが、ドレス代が報道されている15万㌦以上だとの話も再度、持ち上がっており、大統領選挙が終わっても喧しい。

11月5日(水)にアップされ、金曜日(19:00)ですでに79.6万回視聴され、218Blogの書き込み、3,111もコメントがアップされていた。11月8日(土)の昼に100万回を超え、コメントは5,000近い。日曜日の朝には類似ビデオを合わせて148万回も視聴されている。

Miss Teen USAには届かないだろうが、おバカタレントが受けている日本同様に洋の東西を問わず、ちょっと下に見る気分は抑えられないから結構な視聴回数に行くだろう。

さて、「Evolution of Dance」の笑いを伴った面白さ、「Amazing ball girl」の驚きや意外性、「Coke & Mentos」の馬鹿馬鹿しさ、「Miss Teen USA」や「Palin」のおバカさ加減を哂うというビデオだけがバイラル化しているわけではない。「Dove Evolution」、「Free Hug」、「Last Lecture」など真の美しさ、隣人への愛や家族と命を取り上げ、本質や心に伝わる暖かさ、そして感動を伝えてゆくビデオもある。

マーケターが前者、あるいは後者系のバイラルビデオのどちらかを取るかと問われれば後者を取りたいだろうが、なかなか難しい。その点、「Dove Evolution」の成功はどのマーケターにとっても垂涎の的としか言いようがない。たった1分15秒のビデオに凝縮された「真の美は表面に現れる加工美ではない、ステレオタイプの美を捨て、自尊感情を高く持って」というメッセージが持つパワーは圧倒的だ。

マジックボール、泡や、ドミノもいいが、ここら辺で日本のグローバル企業が「Green」、「Environment」、「Climate Change」、「Water」、「Waste」といったテーマでバイラルを展開してくれることに期待したい。

参考:Video viewed more than 100 million times (Online Ad 2008/04/28)
参考:Amazing Ball Girl (Online Ad 2008/06/30)
参考:Crowdsourcing (Online Ad 2006/10/27)
参考:Free Hug Campaign : Global Viral Effect (Online Ad 2006/12/05)
参考:Anything Possible : Last Lecture by Randy Pausch (Online Ad 2008/07/30)

2008/11/07

Marketing in Recession

10月16日~19日にかけて開催されたANA (Association of National Advertisers) の年次総会で1,200人の企業側マーケターおよび代理店を対象として調査が行われた。

今後のマーケティング・メディア予算に関しては;
  • 33% のマーケターは支出を削減
  • 33% のマーケターは予算配分を再検討
  • 27% のマーケターは予算を増額
  • 7% のマーケターは変更なし
来年のマーケティング計画に関しては;
  • 26% 10%以上予算を増額
  • 28% 予算枠変更なし
  • 14% 10%以内で予算減額
  • 19% 10%以上の予算減額
マーケティング予算の配分を増やすセグメントに関しては;
  • 28% ソーシャルメディア関連
  • 19% グラスルーツ、バイラル関連
  • 17% 30秒TVスポット
  • 16% Web広告
  • 7% 新聞一面広告
  • 7% DM
  • 5% ラジオ
Source:BtoB Online / Daily News Alert

金融危機、信用収縮、業績悪化という背景がありながらも今年度の予算を増額する企業が27%もいる。来年10%以上増額するところも26%、そして増額するセグメントの大半(SNS、バイラル、Web広告)はインターネット関連だ。

その一方、当然のごとく今年度予算も来年度予算も減額する企業もいる。

今年から来年にかけてのマーケティングギャップは、予算額・枠だけには留まらない。今、消費され、共有され、再発信されるコンテンツのボリュームが上乗せされてくる。来年末には大きな差が出てきそうな予感がする。

2008/10/07

Brand Visibility in Web 2.0

Web 2.0スペースには様々なサイト、サービス、ツールがある。その中でもコアなタッチポイント22箇所でのブランドの可視性をスコア化して出してくれるサービスをHowsociableが提供している。

22タッチポイントには、Technorati、Blogger、Twitter、Facebook、MySpace、LinkedIn、del.icio.us、YouTube、Yahoo!、Google Search、Flickr、Beboなどがある。それらでの露出件数を検索し、スコア化し、それぞれにウェートをかけて総合的なブランド可視性スコアを出している。

例えばTVメーカー11社のブランド可視性を比較してみると、Sonyがトップで可視性スコア2,266、Sharpが1,539、LGが1,529、そしてSamsungが1,473となっている。飛びぬけているSonyを三強が追っているといった形だ。以降は、Pioneer、Philips、Panasonicと続き、最下位はHitachiの442となっている。(このスコアは露出数、リンクなどが増減するため日々、変動している)
それをタッチポイントごとの合計スコアで見ると、Sonyは「del.icio.us」での大量露出が大きい。タッチポイントごとの合計スコアではLGが33,659、Sharpが32,237となっているが、上の総合スコアでは順位はSharpが2位、LGが3位となっている。LGが高スコアをたたき出しているPhotobucket、Magnoliaのウェートはそれほど重くなく、NingやUpcomingenventsのウェートが高いようだ。
サマリご希望の方は詳細プロファイルの連絡先へ

Source:Howsociable.com

Universal McCannの資料によれば、16-54歳で毎日、あるいは一日おきにインターネットにアクセスするアクティブなユーザは4億7,500万人いる。Blog閲覧、SNS参加、写真・ビデオサイトへアクセスするユーザは2~3億人いるわけだ。これらのユーザはWeb 2.0スペースでのブランド露出を消費しながら、自分のWeb/Blogからブランド露出を拡散してくれている。

このブランドアドボケーターにブランド、コンテンツを提供するチャネルとして典型的な22チャネルでどのように露出を行っていく戦略を構築しているブランドはまだない。

Source:Universal McCann / Wave III
参考:Blog Write and Read (Online Ad 2008/06/10)

2008/09/24

Beijing Olympic

Big ResearchがTVで放映された北京オリンピックの各種競技ごとの視聴率データを出している。

といっても18~34歳の視聴率トップ15に入った競技のみだが以下を見ると、開会式が飛びぬけているが、閉会式も78.4%だ。この2つを除けば体操が競技では一番人気がある。
さてオリンピック関連情報をどのメディアを使って収集したかというと、当然、TVが一番で84.4%だ。しかし、2番目に75%のインターネットが来ている。新聞は58%、携帯以降は40%以下となっている。
Source:Big Research / Special Report : 2008 Beijing Olympics (登録要)

TV、新聞、WOM、雑誌、ラジオ、その他という非インターネット系と、インターネット、携帯、Email、Webラジオ、携帯テキスト、Blog、IM、携帯ビデオというインターネット系のメディアが情報収集に使われている。

すくなくとも18~34歳の中国の人たちは様々なインターネットのタッチポイントチャネルを駆使して、情報を収集している。また、それぞれのチャネルで情報、コンテンツを発信していたのだろう。膨大なコンテンツが流通しているわけで、その流通チャネルはマスメディアからソーシャルメディアへ移行しつつある。マスメディアを活用するマーケティングだけではもう立ち行かない。また、マスで使っているマーケティング戦略をそのままソーシャルメディアに流用することなどできるわけもない。

専属部署を立ち上げ、耳をそばだてることから始める必要がある。

2008/08/25

US TV Ad spending in 2008 Q2/H1

TVB (Television Bureau of Advertising) Onlineから2008年Q2のTV広告費データが出ている。

Q2は全体で前年比4%減(約5億㌦減)の110億㌦だ。上半期H1も前年比1.3%(約4億㌦)減の229億㌦となった。
カテゴリ別にH1実績を見ると、自動車が15%減、Car&Truckディーラーが8.8%減など上位4カテゴリすべてが前年比減となっている。
Source:TVB Online / Q2 2008 TV Ad Revenue Figures

GMのH1を見ると約12%減の1.7億㌦だ。昨年から2,000万㌦減らしている。

Ad Ageの3月18日に「GM Roars Forward Into Digital Ad Channels」という記事があった。それは今後2~3年間のうちに、年間30億㌦の広告予算の半分を、TVおよび印刷媒体からデジタルおよび消費者ダイレクトチャネルへ移行するというものだ。GMは過去数年間で数億㌦をTVおよび印刷媒体から引き上げ、デジタルおよび消費者ダイレクトチャネルへ投下している。

GMのオンライン広告だけを見ても昨年は1億9,700万㌦だった。これが今年倍増するのかもしれない。

Ad Ageは同じ記事で韓国の現代自動車も2007年の2倍のオンライン広告を投下すると書いていた。「30秒のTVスポットよりオンラインが重要になるポイントに近づいている」とマーケティングVPのJoel Ewanickが語っている。

このコメントは自動車メーカーだけに適応するわけではない。