UKのThe Independent、The Sunがバイラルビデオを流している。
The Sunは昨年の11月、The Independentは今年の4月だ。
The Sunのビデオは、Engadget、Huffington Post、Gizmodo、Boing Boing、Technoratiなどが取上げ、11月30日にはDiggのフロントページにも取上げられた。今年4月時点で合計25万回以上のビデオ視聴、RT1,858回、Twitter上におけるCTRは5.2%、コメント154件、お気に入り1,098件という結果だ。期待、希望以上の結果をうけてThe Sunは、60秒のTVCFとして英国で放送したそうだ。
Source:Unruly Media / The Sun - Best Handheld for 40 Years
ま、それを目の当たりにしたIndependentが二匹目のドジョウをねらったという形だ。
新聞社、新聞そのもの、新聞社が新しく開発したサービス、サイトに価値がないわけではない。しかし、どの新聞社も一般事業会社と同じマインドセットなので、それらを旧態依然のコミュニケーションチャネルを通して広報、広告、マーケティングしているだけのように見受けられる。
そのコミュニケーションチャネルは数十年、いや百年以上をかけて築きあげてきたもので今までは効果が実証されてきたかもしれない。しかし、今は違う。情報・コンテンツの送信元が限られていたわが世の春といった時代ではない。この時代にそれを理解しないマーケティングをしても効果は薄い。
The Sunのキャンペーン詳細は上のソースに任せるが、この新しい読者獲得キャンペーンは新聞社に限らず、一般事業会社、企業・ブランドにとって何らかの参考にはなると思うが、どうだろう?
2010/05/19
2010/05/18
Most adaptable to change
一般にダーウィンの言葉として伝えられる、「It is not the strongest of the species that survives, nor the most intelligent that survives. It is the one that is most adaptable to change.」という言葉がある。日本語では「強い者が生き残ったわけではない。賢い者が生き残ったわけでもない。変化に対応した者が生き残ったのだ」と訳されていることが多いようだ。
ただし、これはどうもダーウィンの言葉ではないようだ。本当は「Monkey Trial(Scopes Trial、スコープス裁判、1925年)」においてClarence Darrow(写真)という被告側弁護士が言った言葉のようで、1987年の米議会で引用されて議事録にも残っているようだ。
それがいつの間にやらというか、1997年頃からダーウィンの言葉として引用されるようになり、何代か前の威勢のいい日本の首相もそのまま引用してしまったらしい。
Source:Darwin Correspondence Project
Source:Mahalo Answers
Source:Wikiquote / Clarence Darrow
それはさておき、「強い者が生き残ったわけではない。賢い者が生き残ったわけでもない。変化に対応した者が生き残ったのだ」という言葉は、次のように言い換えてはどうだろう。
すなわち、「新興のソーシャルメディアがコミュニケーションを変革し、絶大な力を誇っていたレガシーマスメディアが衰退し、苔むした旧態依然の広報、広告、マーケティング、ブランディング戦略はソーシャルメディアスペースでは評価されることもなく、ブロードキャストされるメッセージのROIは地に落ちた。新しいコミュニケーションスペース、ユーザとのオープン・対等・双方向のエンゲージメント、個人の持つリレーションズ、コネクションズ、ネットワークがコアになりつつある変化に対応できる企業・ブランドだけが評価される(生き残る)」。
それを如実に示している図がある。YahooやMSが抱えるアドネットワークは別としてサイト単体での広告impression数だ。レガシーマスメディア系サイトの停滞、落ち込みを横目に見ながらただ一人、右肩上がりを続けるのはFacebookのみだ。
Source:SAI Chart of the Dayこれらレガシーマスメディアにしがみつく企業・ブランドの価値、評価も停滞、落ち込むimpression数と運命を共にしなければと願う。
ラベル:
Internet,
Marketing,
Misc.,
Newspaper/Magazine
2010/05/11
Pageviews Plunge with Pay Wall
昨年12月から、Varietyが有料化した当時、月間320万のPVを数えていたが、3月には40%落ちて190万PVにまで減少した。UU(ユニークユーザ)は74.5万人から18%減少し、60.9万人へと落ち込んだそうだ。

Source:MarketingVox / As 'Variety' Charges for Online Access, Pageviews Plunge
そして、PaidContentによれば、Times OnlineやSun Onlineは、英ABCのトラフィック公査をやめるようだ。
Source:PaidContent / Before The Paywall, Murdoch Stops Disclosing UK News Site Traffic
Murdockの判断にVarietyのPVやUU減少が影響したかどうかは不明だが、有料化すればどちらも落ち込むのは間違いないはずだ。ただ、少なくなったPVやUUであったとしても金を払ってでもサイトにアクセスするユーザに対する露出を行いたいとする広告主はいる。PVやUUが落ち込んだからと言って、すぐに広告売上も右肩下がりに陥るとは考えられない。ただし、半年後、1年後にどうなっているかは神のみぞ知るだ。
一つ言えることは、PVやUUといったKPIだけでサイト価値を謳わなければならない(レガシーマス)メディアサイトは、今後とも拡大するソーシャルネットワークスペースにおける価値はもちえないということだ。彼らが存在しうるのは、ディスプレイ広告のユーザ行動に与える影響をトレースし、あるいは、サイトへアクセスしたユーザの購買をトレース、実証する仕組みを提供できる場合のみだ。
また、下で書いたように
そして、Facebookの「Like」のように自身のリレーションズ、コネクションズ、ネットワークをソーシャルメディアスペースに絡みつかせなければダメだろう。
Source:MarketingVox / As 'Variety' Charges for Online Access, Pageviews Plunge
そして、PaidContentによれば、Times OnlineやSun Onlineは、英ABCのトラフィック公査をやめるようだ。
Source:PaidContent / Before The Paywall, Murdoch Stops Disclosing UK News Site Traffic
Murdockの判断にVarietyのPVやUU減少が影響したかどうかは不明だが、有料化すればどちらも落ち込むのは間違いないはずだ。ただ、少なくなったPVやUUであったとしても金を払ってでもサイトにアクセスするユーザに対する露出を行いたいとする広告主はいる。PVやUUが落ち込んだからと言って、すぐに広告売上も右肩下がりに陥るとは考えられない。ただし、半年後、1年後にどうなっているかは神のみぞ知るだ。
一つ言えることは、PVやUUといったKPIだけでサイト価値を謳わなければならない(レガシーマス)メディアサイトは、今後とも拡大するソーシャルネットワークスペースにおける価値はもちえないということだ。彼らが存在しうるのは、ディスプレイ広告のユーザ行動に与える影響をトレースし、あるいは、サイトへアクセスしたユーザの購買をトレース、実証する仕組みを提供できる場合のみだ。
また、下で書いたように
ひとつの宇宙の中に浮かんでいる小島が、宇宙の中でどのようなリレーションズ、コネクションズ、ネットワークを構成し、一部となっているかを示すデータが 必要だ。参考:Future of Legacy Media Online Site (Online Ad 2010/04/12)
そして、Facebookの「Like」のように自身のリレーションズ、コネクションズ、ネットワークをソーシャルメディアスペースに絡みつかせなければダメだろう。
ラベル:
Case Study,
Newspaper/Magazine
2010/04/12
Future of Legacy Media Online Site
先週、久しぶりにNYTimes.comへアクセスした処、なんとも寂しい思いをした。
下の画面はNYTのグローバル版で、その下は米国版だ。
グローバル版のHome Page SOV(Share of Voice=NYTロゴの左右に位置するスペース)には、IHT購読プロモーションが掲出されているが、米国版は空白だ。
もう5年ほど前の話だが、SOVには毎月、5クライアントがユーザアクセスごとのローテーションで入り、最低3,000万impression、確か10万㌦程度の広告スペースだったはずだ。そのSOVに自社広告と空白スペースしかないというのは、世界の新聞とも言えるNYTのトップページとしては実に寂しい。
IHTと合併させたグローバルサイトのオーディエンスセクションには、780万人の海外読者がついており、世界とビジネスニュースのソースとして毎日数回アクセスし、FT.comやWSJ.comより欧州およびアジアからのユニークユーザは多いと書いている。また、欧州とアジアの詳細データを挙げている。
そして、HPSOV、HPMPU、Videoなどの広告スペース・オプションごとに、ブランディング、ターゲッティングなどの可能性を説明している。
しかし、今、必要なのは上のようなスタティックデータではない。上のようなスタティックデータは新聞をレガシー広告媒体として売るためには必要だが、Webサイトをオンライン広告媒体として売るためには役に立たない。
現在、いかなるWebサイトも単独で存在していないし、存在できない。それはNYTに限らず、CNNであれ、Yahooであれ同じだ。レガシーメディアの新聞が地域的に隔離されたり、業務・職務の読者で分類されたりと、差別化要素を個々に持ち得るのとは違い、いかなるWebサイトであろうと世界中をひとつのオンラインスペースに抱合するインターネットのごく一部でしかない。そこに、昔からのマインドセット通り、購読者数だとか、デモグラフィックスだとか、UU数だとか持ってきても意味を成さない。
ひとつの宇宙の中に浮かんでいる小島が、宇宙の中でどのようなリレーションズ、コネクションズ、ネットワークを構成し、一部となっているかを示すデータが必要だ。それはソーシャルメディア関連データでしかあり得ないし、ソーシャルメディアスペースにおけるユーザ評価でしかない。
そしてレガシーメディアのオンラインサイトと同様に、企業・ブランドのWebサイトも全く同じだ。裸の王様は、おとぎ話の世界だけにいるのではなく、リアルな世界にもいることはわれわれ自身が身をもって体験している。そして、我々だけではなく、裸の王様になってしまった経験を持つ世界に冠たる企業・ブランドも多く存在する。寒々しい風が吹き付ける裸のわが身を認めない限り、レガシーメディアのオンラインサイトはCNNであれ、NYTであれ、存続することは非常に困難だと思う。
下の画面はNYTのグローバル版で、その下は米国版だ。
グローバル版のHome Page SOV(Share of Voice=NYTロゴの左右に位置するスペース)には、IHT購読プロモーションが掲出されているが、米国版は空白だ。
もう5年ほど前の話だが、SOVには毎月、5クライアントがユーザアクセスごとのローテーションで入り、最低3,000万impression、確か10万㌦程度の広告スペースだったはずだ。そのSOVに自社広告と空白スペースしかないというのは、世界の新聞とも言えるNYTのトップページとしては実に寂しい。IHTと合併させたグローバルサイトのオーディエンスセクションには、780万人の海外読者がついており、世界とビジネスニュースのソースとして毎日数回アクセスし、FT.comやWSJ.comより欧州およびアジアからのユニークユーザは多いと書いている。また、欧州とアジアの詳細データを挙げている。
そして、HPSOV、HPMPU、Videoなどの広告スペース・オプションごとに、ブランディング、ターゲッティングなどの可能性を説明している。しかし、今、必要なのは上のようなスタティックデータではない。上のようなスタティックデータは新聞をレガシー広告媒体として売るためには必要だが、Webサイトをオンライン広告媒体として売るためには役に立たない。
現在、いかなるWebサイトも単独で存在していないし、存在できない。それはNYTに限らず、CNNであれ、Yahooであれ同じだ。レガシーメディアの新聞が地域的に隔離されたり、業務・職務の読者で分類されたりと、差別化要素を個々に持ち得るのとは違い、いかなるWebサイトであろうと世界中をひとつのオンラインスペースに抱合するインターネットのごく一部でしかない。そこに、昔からのマインドセット通り、購読者数だとか、デモグラフィックスだとか、UU数だとか持ってきても意味を成さない。
ひとつの宇宙の中に浮かんでいる小島が、宇宙の中でどのようなリレーションズ、コネクションズ、ネットワークを構成し、一部となっているかを示すデータが必要だ。それはソーシャルメディア関連データでしかあり得ないし、ソーシャルメディアスペースにおけるユーザ評価でしかない。
そしてレガシーメディアのオンラインサイトと同様に、企業・ブランドのWebサイトも全く同じだ。裸の王様は、おとぎ話の世界だけにいるのではなく、リアルな世界にもいることはわれわれ自身が身をもって体験している。そして、我々だけではなく、裸の王様になってしまった経験を持つ世界に冠たる企業・ブランドも多く存在する。寒々しい風が吹き付ける裸のわが身を認めない限り、レガシーメディアのオンラインサイトはCNNであれ、NYTであれ、存続することは非常に困難だと思う。
2009/07/17
The End of Paid Content(?) -2
Silicon Alley InsiderのChart of the Dayにビジネス誌の広告売上グラフがあった。
Economistだけはまだ前年対比でプラスになっているが、残りは全滅といった状況だ。

Source:Sillicon Allery Insider / Business Magazines Head For The Abyss
売りに出されているBusinessWeekが最も落ち込んでいる。Economistにしたところで、起死回生の挽回策があるわけでもない。
もうひとつSilicon Alley InsiderのChart of the Dayがある。今度は、各サイトでの滞在時間のグラフだ。Facebookはアクティブユーザが2億人いると言っているので、6月にFacebookのアクティブユーザは数10億時間をサイトで費やしたことになる。その費やされた時間がどこから搾り取られてきたかというと、これはもうレガシーメディアからでしかない。

Source:Silicon Alley Insider / Users Spend A Billion Hours On Facebook In June
オンラインにおいてニュースやクオリティコンテンツがタダで入手できる状況がある限り、レガシーメディアは印刷・編集・輸送といったコストをどこへも転嫁できない。NYTがオンラインの有償化を目指しているようだが、確か2005年にTimes Selectを一時期有料化したが、2007年に無料化へ後戻りしていた。結局、前回と同じ道を戻ることになるのではないだろうか?
参考:The End of Paid Content (?) (Online Ad 2007/08/10)
昨日、「How Teenagers Consume Media」で引用したように、デジタル化しか生き残る道はないように見える。
そうなのだが、印刷メディアが印刷・編集・輸送などのコストをオンライン広告収入だけで埋めるには無理がある。オンラインを残して、印刷メディア部門を切るといった策は愚者の選択でしかない。
そのうち、もしプリントのクオリティメディアが全滅したとき、GoogleやYahooはどうするのだろう?
今のところ、回答のない大問題だ。
そして、GoogleやYahoo自体も対岸の火事を一人ほくそ笑んでいることはできない。

Source:Silicon Alley Insider / Street Expects Another Lousy Quarter
Economistだけはまだ前年対比でプラスになっているが、残りは全滅といった状況だ。
Source:Sillicon Allery Insider / Business Magazines Head For The Abyss
売りに出されているBusinessWeekが最も落ち込んでいる。Economistにしたところで、起死回生の挽回策があるわけでもない。
もうひとつSilicon Alley InsiderのChart of the Dayがある。今度は、各サイトでの滞在時間のグラフだ。Facebookはアクティブユーザが2億人いると言っているので、6月にFacebookのアクティブユーザは数10億時間をサイトで費やしたことになる。その費やされた時間がどこから搾り取られてきたかというと、これはもうレガシーメディアからでしかない。
Source:Silicon Alley Insider / Users Spend A Billion Hours On Facebook In June
オンラインにおいてニュースやクオリティコンテンツがタダで入手できる状況がある限り、レガシーメディアは印刷・編集・輸送といったコストをどこへも転嫁できない。NYTがオンラインの有償化を目指しているようだが、確か2005年にTimes Selectを一時期有料化したが、2007年に無料化へ後戻りしていた。結局、前回と同じ道を戻ることになるのではないだろうか?
参考:The End of Paid Content (?) (Online Ad 2007/08/10)
昨日、「How Teenagers Consume Media」で引用したように、デジタル化しか生き残る道はないように見える。
カンヌでMSのCEO、Steve Ballmerが、「消費者は10年以内にデジタルプラットフォームを通して、すべてのメディアにアクセスするようになる。ということは、オンラインとオ フラインのコンテンツプロバイダーは、迅速に変化する状況に適合してゆく必要がある」。また、「スタティックなコンテンツは将来まで生き残れないから新 聞、雑誌、そしてTV番組といったレガシーコンテンツは、すべてオンラインになる」と語っている。参考:How Teenagers Consume Media (Online Ad 2009/07/16)
そうなのだが、印刷メディアが印刷・編集・輸送などのコストをオンライン広告収入だけで埋めるには無理がある。オンラインを残して、印刷メディア部門を切るといった策は愚者の選択でしかない。
そのうち、もしプリントのクオリティメディアが全滅したとき、GoogleやYahooはどうするのだろう?
今のところ、回答のない大問題だ。
そして、GoogleやYahoo自体も対岸の火事を一人ほくそ笑んでいることはできない。
Source:Silicon Alley Insider / Street Expects Another Lousy Quarter
ラベル:
Newspaper/Magazine
2009/07/13
Michael Jackson on Facebook
以前、「RIM MJ」を書いた。
参考:RIM MJ (Online Ad 2009/06/27)
その絡みでちょっとFacebookを確認したところ、Michael JacksonのFacebookにあるPageには、すでに780万人以上(7月9日時点)のFanがついている。今朝はもう877万人を超えている。あっという間にObama大統領を追い抜いてFacebookで最もFanを抱えているページになっている。
InsideFacebookによれば、7月8日だけで90万人以上、1週間で454万人以上がFanになっている。チョー強烈な伸びだというほかはない。
MJのWallには、ライブ追悼式の件、追悼式の告知、無料ギフトなど上がっている。
そして、MJのFanになった筆者のFacebookページには、他のFanや友人が書き込んだコンテンツと一緒にMJコンテンツも反映されている。
ということで、Facebookは世界中に友達の輪が広がってゆくネットワークであり、コンテンツの流通チャネルであり、露出増幅マシーンでもある。
また、Facebookをメディアと捉えるとMJの場合、877万人もの読者、聴取者、視聴者がいる自前メディアを持っていることになる。自前メディアなのでコストはかからない。
既成レガシーメディアであれば双方向のコミュニケーションはもちろん存在しないし、ワンウェイのコミュニケーションを行ったところでそれを他人が知る術はない。最初から会話が成立するベースは存在していない。また、メディアから押し付けられるコンテンツを受け入れるか、あるいは拒絶するかの選択肢しかない。
ところがオンラインのソーシャルメディアスペースで最大であるFacebookのページ、Wallであれば、MJからのコンテンツも、Fanからのコンテンツもオープン、透明に供給され、消費され、共有され、再露出されているし、会話が成立する。
こういったコミュニケーションチャネルこそ、企業・ブランドが昔から、広告というメッセージを発信した時から希求していたものだ。いや、最初はマスメディアを使うことで露出を稼ぎ、押し売りするメリットを最大化しようとしていただけなのかもしれない。
しかし、2006年のANA総会でP&GのCEO、A. G. Lafleyが、
「パワーは消費者が握っている」
「マーケターおよび小売業者は、消費者にしがみついて後れないようについて行っている」
P&Gは長い間、消費者がどのように商品を理解、使用すべきかを教えてきたが、
「DVRや衛星ラジオなどの技術を使った広告を、いつ見たり、いつ消すかを消費者が選択している今日、小売側は消費者とともに学んでいる段階だ」
「消費者があらゆる意味で我々のブランドを所有し、ブランド創造にも参加している」
「我々は、消費者や好きな製品の回りに築かれるオンラインコミュニティによってコマーシャルが創造されるこのトレンドを認めるべく学習すべきだし、それを歓迎すべきだ」
と述べているように、「トップダウン方式のマーケティングからボトムアップ、グラスルーツ方式のマーケティングへ変えていかなければならない」という理解は広まり、実践するケースが増えこそすれ、少なくなったり、消えてゆくようなことはない。そして、現在、ボトムアップ、グラスルーツ方式のマーケティングの中身が変化してきている。
参考:Letting Consumer Control Marketing : Priceless (Online Ad 2006/10/17)
話をFacebookに戻すと、ボトムアップ・グラスルーツ方式から、参加、共有、コラボ、拡散、再露出というソーシャルメディアマーケティングへ移行してきた状況で、そのメディア・コミュニケーションシーンのトップに立つFacebookを活用することで、既存メディアの存在意義が薄まってくる。
なにしろコストのかからないメディアなど今まで存在していなかったのだから。レガシーメディアへの広告がなくなることはない(だろう)が、そのシェアは減るしかない。
参考:Beyond Advertising (Online Ad 2009/04/30)
新聞や雑誌広告、TVCFに金をかけ、仰々しく額装丁されたエビデンスプレートをオフィスに飾るステータスとしてのレガシーメディアが全てを牛耳っていた時代から、一般消費者・ユーザ・顧客が手綱を握るソーシャルメディアへ参加することで初めてコミュニケーションが成立する時代へ変わってきている。
こういった時代にレガシーメディアに広告を出しているだけで、ソーシャルメディアスペースで露出することもできないし、参加することなど全くできはしない。今こそ、マインドセットをシフトする時なのだが...。
参考:RIM MJ (Online Ad 2009/06/27)
その絡みでちょっとFacebookを確認したところ、Michael JacksonのFacebookにあるPageには、すでに780万人以上(7月9日時点)のFanがついている。今朝はもう877万人を超えている。あっという間にObama大統領を追い抜いてFacebookで最もFanを抱えているページになっている。
InsideFacebookによれば、7月8日だけで90万人以上、1週間で454万人以上がFanになっている。チョー強烈な伸びだというほかはない。
MJのWallには、ライブ追悼式の件、追悼式の告知、無料ギフトなど上がっている。
そして、MJのFanになった筆者のFacebookページには、他のFanや友人が書き込んだコンテンツと一緒にMJコンテンツも反映されている。
ということで、Facebookは世界中に友達の輪が広がってゆくネットワークであり、コンテンツの流通チャネルであり、露出増幅マシーンでもある。また、Facebookをメディアと捉えるとMJの場合、877万人もの読者、聴取者、視聴者がいる自前メディアを持っていることになる。自前メディアなのでコストはかからない。
既成レガシーメディアであれば双方向のコミュニケーションはもちろん存在しないし、ワンウェイのコミュニケーションを行ったところでそれを他人が知る術はない。最初から会話が成立するベースは存在していない。また、メディアから押し付けられるコンテンツを受け入れるか、あるいは拒絶するかの選択肢しかない。
ところがオンラインのソーシャルメディアスペースで最大であるFacebookのページ、Wallであれば、MJからのコンテンツも、Fanからのコンテンツもオープン、透明に供給され、消費され、共有され、再露出されているし、会話が成立する。
こういったコミュニケーションチャネルこそ、企業・ブランドが昔から、広告というメッセージを発信した時から希求していたものだ。いや、最初はマスメディアを使うことで露出を稼ぎ、押し売りするメリットを最大化しようとしていただけなのかもしれない。
しかし、2006年のANA総会でP&GのCEO、A. G. Lafleyが、
「パワーは消費者が握っている」
「マーケターおよび小売業者は、消費者にしがみついて後れないようについて行っている」
P&Gは長い間、消費者がどのように商品を理解、使用すべきかを教えてきたが、
「DVRや衛星ラジオなどの技術を使った広告を、いつ見たり、いつ消すかを消費者が選択している今日、小売側は消費者とともに学んでいる段階だ」
「消費者があらゆる意味で我々のブランドを所有し、ブランド創造にも参加している」
「我々は、消費者や好きな製品の回りに築かれるオンラインコミュニティによってコマーシャルが創造されるこのトレンドを認めるべく学習すべきだし、それを歓迎すべきだ」
と述べているように、「トップダウン方式のマーケティングからボトムアップ、グラスルーツ方式のマーケティングへ変えていかなければならない」という理解は広まり、実践するケースが増えこそすれ、少なくなったり、消えてゆくようなことはない。そして、現在、ボトムアップ、グラスルーツ方式のマーケティングの中身が変化してきている。
参考:Letting Consumer Control Marketing : Priceless (Online Ad 2006/10/17)
話をFacebookに戻すと、ボトムアップ・グラスルーツ方式から、参加、共有、コラボ、拡散、再露出というソーシャルメディアマーケティングへ移行してきた状況で、そのメディア・コミュニケーションシーンのトップに立つFacebookを活用することで、既存メディアの存在意義が薄まってくる。
なにしろコストのかからないメディアなど今まで存在していなかったのだから。レガシーメディアへの広告がなくなることはない(だろう)が、そのシェアは減るしかない。
参考:Beyond Advertising (Online Ad 2009/04/30)新聞や雑誌広告、TVCFに金をかけ、仰々しく額装丁されたエビデンスプレートをオフィスに飾るステータスとしてのレガシーメディアが全てを牛耳っていた時代から、一般消費者・ユーザ・顧客が手綱を握るソーシャルメディアへ参加することで初めてコミュニケーションが成立する時代へ変わってきている。
こういった時代にレガシーメディアに広告を出しているだけで、ソーシャルメディアスペースで露出することもできないし、参加することなど全くできはしない。今こそ、マインドセットをシフトする時なのだが...。
2009/06/04
The End of Advertising -2
随分長いこと、印刷媒体に関して書いていないと思っていたが、Silicon Alley Insiderが送ってきた6月3日付のChart of the Dayを見るとそうも行かない。
奈落の底へ落ちてゆくような急降下を見せているのは四半期ごとの米国新聞広告費だ。2009年Q1は前年比30%ダウン。オンライン広告も2004年から初めて、ふたケタの減少となり前年比13%ダウンだ。

Source:Silicon Alley Insider / Chart of the day : The end of Newspapers
これは昨年の金融危機、その後の世界同時不況によって広告費が大幅にカットされたからだし、案内広告・不動産広告がオンラインへ流れたことや、購読者が減る媒体に広告は出せないからだ。また、広告効果が可視化できず、測定できない媒体であることも影響しているだろう。
ということは、この傾向は新聞だけではなく、TVなど他のマス媒体にも反映されるということだ。
この不況から回復した時には新聞に広告費が戻ると考える楽観的な業界人はいない。同じように減らされたTV広告費が復活する理由はない。
「過去50年間に起こったことよりも、今後5年間に広告業界に起こる変革は大きい。力を持った消費者、独立独歩色を強める広告主、そして変革を継続する新技術が、どのように広告が販売され、消費され、追跡されるかを決定する。消費者、ビジネスモデル、ビジネスデザインにおける革新をうまく実装していかなけ れば、伝統的な広告業界のプレイヤー、TV局、広告代理店などは弾き飛ばされるかもしれない」というイントロから書き起こしているIBMの「The End of Advertising」を紹介したことがある。
参考:The End of Advertising (Online Ad 2008/08/29)
そしてIBMは、「The End of Advertising」に続いて「Beyond Advertising」で、2002年に47%だったTV、Print、ラジオ、OOHなど既存マス媒体広告費のシェアは、2007年に41%に落ち、2012年には32%へダウンすると予想している。
参考:Beyond Advertising (Online Ad 2009/4/30)
広告というメッセージ配信システム、あるいはビジネスモデルが存亡の時を迎えている。
以下の参考で紹介したのはソーシャルメディア(スペース)を活用して企業・ブランドが行っているマーケティングだ。すべてが広告抜きというわけでもない。しかし、本質は広告は不要で、ダイレクトに企業・ブランドが顧客・ユーザとオープンで対等な会話をすることにある。その会話の中からアドボケーター、サポーター、ブランドアンバサダーといったユーザを育成し、ともに力を合わせてブランドの価値を伝えてゆくことにある。ユーザの意見をしっかりと聴き、オープンな形でコンテンツやメッセージを修正してゆくことになる。言いぱなし、送りっぱなしの一方通行のメッセージ配信では立ち行かないことになる。
こういったマーケティングが増えれば増えるほど、中心になればなるほど、マスメディアを使った広告や効果を可視化できないメディアは出番がなくなる。とすると、新聞もTVも出番はないことになる。
参考:Kodak Facebook Strategy (Online Ad 2009/04/17)
参考:P&G Digital Hack Night (Online Ad 2009/03/25)
参考:Virgin Atlantic Social Media Approach (Online Ad 2009/03/09)
参考:HP - Social Media Marketing (Online Ad 2008/12/01)
参考:Royal Customer Advocacy (Online Ad 2008/09/01)
参考:Olympic Marketing : Lenovo (Online Ad 2008/07/10)
奈落の底へ落ちてゆくような急降下を見せているのは四半期ごとの米国新聞広告費だ。2009年Q1は前年比30%ダウン。オンライン広告も2004年から初めて、ふたケタの減少となり前年比13%ダウンだ。
Source:Silicon Alley Insider / Chart of the day : The end of Newspapers
これは昨年の金融危機、その後の世界同時不況によって広告費が大幅にカットされたからだし、案内広告・不動産広告がオンラインへ流れたことや、購読者が減る媒体に広告は出せないからだ。また、広告効果が可視化できず、測定できない媒体であることも影響しているだろう。
ということは、この傾向は新聞だけではなく、TVなど他のマス媒体にも反映されるということだ。
この不況から回復した時には新聞に広告費が戻ると考える楽観的な業界人はいない。同じように減らされたTV広告費が復活する理由はない。
「過去50年間に起こったことよりも、今後5年間に広告業界に起こる変革は大きい。力を持った消費者、独立独歩色を強める広告主、そして変革を継続する新技術が、どのように広告が販売され、消費され、追跡されるかを決定する。消費者、ビジネスモデル、ビジネスデザインにおける革新をうまく実装していかなけ れば、伝統的な広告業界のプレイヤー、TV局、広告代理店などは弾き飛ばされるかもしれない」というイントロから書き起こしているIBMの「The End of Advertising」を紹介したことがある。
参考:The End of Advertising (Online Ad 2008/08/29)
そしてIBMは、「The End of Advertising」に続いて「Beyond Advertising」で、2002年に47%だったTV、Print、ラジオ、OOHなど既存マス媒体広告費のシェアは、2007年に41%に落ち、2012年には32%へダウンすると予想している。
参考:Beyond Advertising (Online Ad 2009/4/30)広告というメッセージ配信システム、あるいはビジネスモデルが存亡の時を迎えている。
以下の参考で紹介したのはソーシャルメディア(スペース)を活用して企業・ブランドが行っているマーケティングだ。すべてが広告抜きというわけでもない。しかし、本質は広告は不要で、ダイレクトに企業・ブランドが顧客・ユーザとオープンで対等な会話をすることにある。その会話の中からアドボケーター、サポーター、ブランドアンバサダーといったユーザを育成し、ともに力を合わせてブランドの価値を伝えてゆくことにある。ユーザの意見をしっかりと聴き、オープンな形でコンテンツやメッセージを修正してゆくことになる。言いぱなし、送りっぱなしの一方通行のメッセージ配信では立ち行かないことになる。
こういったマーケティングが増えれば増えるほど、中心になればなるほど、マスメディアを使った広告や効果を可視化できないメディアは出番がなくなる。とすると、新聞もTVも出番はないことになる。
参考:Kodak Facebook Strategy (Online Ad 2009/04/17)
参考:P&G Digital Hack Night (Online Ad 2009/03/25)
参考:Virgin Atlantic Social Media Approach (Online Ad 2009/03/09)
参考:HP - Social Media Marketing (Online Ad 2008/12/01)
参考:Royal Customer Advocacy (Online Ad 2008/09/01)
参考:Olympic Marketing : Lenovo (Online Ad 2008/07/10)
2008/12/11
End of Newspaper Era?
「NYT Facebook Campaign」でNYTの実施したFacebookでのキャンペーンを取り上げたばかりだが、UKのGuardianが伝えるところによると、NYTは本社ビルを売却、あるいは証券化、リースバックして2.25億㌦を調達する検討をしているようだ。
数年前に買収したAbout.comの売却も可能性がありそうだ。こちらは5億㌦の価値はありそうなので、こちらが先かもしれない。
参考:NYT Facebook Campaign (Online Ad 2008/12/09)
Source:Guardian Unlimited / New York Times Looks to sell HQ to raise $225m
McClatchyは旗艦であるMiami Heraldの廃刊を検討しているようだし、LA TimesやChicago Tribuneを発行しているTribuneは今週、破産法の適用を申請した。
この新聞業界、新聞社の話は米国だけではない。日本も欧州も同じだ。インターネット、オンラインメディア、ソーシャルメディアへユーザがシフトする中、効果的な対策の取れない既成メディアは消え去るしかないのかもしれない。
NYTほどの危機感があり、Facebookキャンペーン、LinkedInとの提携、Self service広告導入、Extraリリースなど、手を打ってきていたメディアでも、購読・広告収入の落ち込みをオンラインだけでは埋めきれない。マインドセットをシフトするしかない。
30秒スポット、全面広告で何十万~何百万ドルというビジネスモデルは一部の例外を除き、昔の話になりつつある。ユーザがシフトしているオンライン、Web 2.0スペースは手間隙がかかり、売上の少ないオンライン広告で単純に埋め合わせるのは困難だ。消え行く、減り行く購読料や広告収入に依存する今までのビジネスモデルを少しずつでも変えていくしかない。
まだ、それが明らかな成果をあげるまでには至っていないが、新しい取り組みを始めている既成メディアがある。このメディアは「マインドセットをシフト」したのだと思う。
参考:Mindset Shift Required (Online Ad 2007/03/07)
参考:Agencies Unsatisfatory (Online Ad 2008/10/22)
数年前に買収したAbout.comの売却も可能性がありそうだ。こちらは5億㌦の価値はありそうなので、こちらが先かもしれない。
参考:NYT Facebook Campaign (Online Ad 2008/12/09)
Source:Guardian Unlimited / New York Times Looks to sell HQ to raise $225m
McClatchyは旗艦であるMiami Heraldの廃刊を検討しているようだし、LA TimesやChicago Tribuneを発行しているTribuneは今週、破産法の適用を申請した。
この新聞業界、新聞社の話は米国だけではない。日本も欧州も同じだ。インターネット、オンラインメディア、ソーシャルメディアへユーザがシフトする中、効果的な対策の取れない既成メディアは消え去るしかないのかもしれない。
NYTほどの危機感があり、Facebookキャンペーン、LinkedInとの提携、Self service広告導入、Extraリリースなど、手を打ってきていたメディアでも、購読・広告収入の落ち込みをオンラインだけでは埋めきれない。マインドセットをシフトするしかない。
30秒スポット、全面広告で何十万~何百万ドルというビジネスモデルは一部の例外を除き、昔の話になりつつある。ユーザがシフトしているオンライン、Web 2.0スペースは手間隙がかかり、売上の少ないオンライン広告で単純に埋め合わせるのは困難だ。消え行く、減り行く購読料や広告収入に依存する今までのビジネスモデルを少しずつでも変えていくしかない。
まだ、それが明らかな成果をあげるまでには至っていないが、新しい取り組みを始めている既成メディアがある。このメディアは「マインドセットをシフト」したのだと思う。
参考:Mindset Shift Required (Online Ad 2007/03/07)
参考:Agencies Unsatisfatory (Online Ad 2008/10/22)
ラベル:
Newspaper/Magazine
2008/12/09
NYT Facebook Campaign
11月5日にFacebookを使ってNYTがキャンペーンを実施した。
これはNYTの社長、Scott Heekin-Canedyによると、FacebookでNYTのファンを増やし、インタラクティブ・ニュースセンターとしてのNYTimes.comの認知を向上させ、Facebookコミュニティ・ユーザとの間で大統領選挙結果に関してエンゲージメントを確立することが目的だった。
ということで、Obama氏が次期大統領に選出された後、「大統領として最初に何をすべきか?」という質問を投げかけたところ、40万人以上が回答し、それまで4.9万人だったNYTのファンは16.4万人以上(現在は、18.4万人)増加した。
それに加え、NYTはFacebookのフロントページにロードブロックを仕掛け、Obama氏のビデオをフィーチャーした下の広告を出稿している。ここでも「大統領として何をすべきか?」という問いに対するコメントを募集している。この広告は6,830万回視聴され、34,000件以上のコメントが寄せられた。この視聴回数だけで広告費支出の4.3倍の価値があるとHeekin-Canedyは語っている。
FacebookのNYTのページ
Source:Facebook / The New York Times
Source:NYT / Times 3 Highlight from The NYT Business (pdf)
Source:MarketingVox / NYT Fan Figures
Heekin-Canedyは、最後に「FacebookのNYTファンはその後も継続して増加を続けており、将来のマーケティングメッセージを飛躍させるパワフル、無料のWOMになる」と記している。
紙媒体の購読・広告売上が減少する中、世界の新聞とも称されるNYTにしてもオンラインを強化してはいるが光明は見えない。しかし、メディアがシフトしている現状を見れば、紙に留まっていても結果は見えている。とするとオンライン戦略を強化するしか術はなく、それもWeb 1.0では時代遅れ。当然、Web 2.0的アプローチを取らなければならない。コミュニティ、ユーザと直接、会話チャネルを構築し、EpidemicやPandemicを発生させるソースと手段を獲得する必要がある。
参考:Infection, Epidemic and Pandemic (Online Ad 2006/10/16)
自分の首を絞めかねない戦略をとらざるを得ないレガシーメディアの代表格、NYTだが、少なくとも今、ユーザ・ターゲットがどこに存在し、何を消費し、何をリンク、共有、参加しているかは把握している。このスペースに参加しなければならない必要性も理解している。ところが、自身がオンラインメディア化しなければならないはずの大半の企業・ブランドには、まだNYTほどの危機感はない。
Tribuneが破産法適用申請を検討しているとWSJが報道している。この話は何も米国に限った話ではない。日本でも、欧州でも同じだ。危機感のない既成メディアはCSMのようにオンラインでしか生き延びることができず紙は消滅するしかない。
Source:WSJ / Tribune Co. Taps Lazard,Weighs Filing for Chapter 11
Source:Christian Science Monitor / Monitor shifts from print to Web-based strategy
これはNYTの社長、Scott Heekin-Canedyによると、FacebookでNYTのファンを増やし、インタラクティブ・ニュースセンターとしてのNYTimes.comの認知を向上させ、Facebookコミュニティ・ユーザとの間で大統領選挙結果に関してエンゲージメントを確立することが目的だった。
ということで、Obama氏が次期大統領に選出された後、「大統領として最初に何をすべきか?」という質問を投げかけたところ、40万人以上が回答し、それまで4.9万人だったNYTのファンは16.4万人以上(現在は、18.4万人)増加した。
それに加え、NYTはFacebookのフロントページにロードブロックを仕掛け、Obama氏のビデオをフィーチャーした下の広告を出稿している。ここでも「大統領として何をすべきか?」という問いに対するコメントを募集している。この広告は6,830万回視聴され、34,000件以上のコメントが寄せられた。この視聴回数だけで広告費支出の4.3倍の価値があるとHeekin-Canedyは語っている。
FacebookのNYTのページ
Source:Facebook / The New York TimesSource:NYT / Times 3 Highlight from The NYT Business (pdf)
Source:MarketingVox / NYT Fan Figures
Heekin-Canedyは、最後に「FacebookのNYTファンはその後も継続して増加を続けており、将来のマーケティングメッセージを飛躍させるパワフル、無料のWOMになる」と記している。
紙媒体の購読・広告売上が減少する中、世界の新聞とも称されるNYTにしてもオンラインを強化してはいるが光明は見えない。しかし、メディアがシフトしている現状を見れば、紙に留まっていても結果は見えている。とするとオンライン戦略を強化するしか術はなく、それもWeb 1.0では時代遅れ。当然、Web 2.0的アプローチを取らなければならない。コミュニティ、ユーザと直接、会話チャネルを構築し、EpidemicやPandemicを発生させるソースと手段を獲得する必要がある。
参考:Infection, Epidemic and Pandemic (Online Ad 2006/10/16)
自分の首を絞めかねない戦略をとらざるを得ないレガシーメディアの代表格、NYTだが、少なくとも今、ユーザ・ターゲットがどこに存在し、何を消費し、何をリンク、共有、参加しているかは把握している。このスペースに参加しなければならない必要性も理解している。ところが、自身がオンラインメディア化しなければならないはずの大半の企業・ブランドには、まだNYTほどの危機感はない。
Tribuneが破産法適用申請を検討しているとWSJが報道している。この話は何も米国に限った話ではない。日本でも、欧州でも同じだ。危機感のない既成メディアはCSMのようにオンラインでしか生き延びることができず紙は消滅するしかない。
Source:WSJ / Tribune Co. Taps Lazard,Weighs Filing for Chapter 11
Source:Christian Science Monitor / Monitor shifts from print to Web-based strategy
ラベル:
Marketing,
Newspaper/Magazine,
SNS,
Web2.0
2008/11/26
eMarketer - Seven Strategies
eMarketerのCEO、Geoff Ramseyが「Digital Marketing Now Seven Strategies for Surviving the Downturn」という資料をアップしている。
このホワイトペーパーは底知れぬ金融危機を迎えたマーケターが検討すべき戦略、戦術をリストアップしているのだが、その戦略へ行く前に、大きな流れ、トレンドを説明している。まず、各調査会社の今年、来年の広告費を上げている。基本的に弱含みだと見られ、昨年までの力強さはない。
次に企業マーケター側の予想だが、2008年の広告予算が削減されると見るマーケターが多い。減収減益パターンのもとで広告予算が突出して消化されるとは考えにくい。
予算枠が削減されるので、予算配分が重要となる。調査各社によると新聞、雑誌、TV、ラジオなどのレガシーメディア予算は大幅な削減が予想されている。Epsilonが調査したケースでは59%、MarketingProfsの場合85%が既成マスメディア予算を削減すると回答している。
一方、オンライン広告はというと各調査会社ともに強気の見方をしている。これは当然だろう。既成マスメディア予算が削減されるのは広告効果、効率が低下しているからだし、効果そのものを測定できないからだ。それとは逆にオンラインは効果測定ができるだけ予算枠は増加する。
だからこそ、総広告費に占めるオンライン広告の比率は昨年で7.6%だったものが、2013年には18.3%に達すると予想できる。
Source:eMarketer / Seven Strategies for Surviving the Downturn
と、ここまでは大方の予想通りの数字、予想が並んでいる。しかし、注目したいのは下の数字だ。
企業側マーケターが配分する予算の中で広告、既成マーケティングの予算枠を削減すると回答したのは、それぞれ59%、65%にも達している。逆にインタラクティブ/オンラインマーケティングを増やすとするのは63%になっている。
この「インタラクティブ/オンラインマーケティング」にオンライン広告は入っていない。オンラインもオフラインもすべて「広告」にくくられている。上にあるようにオンライン広告の伸び、シェアは増加するだろうが、「広告」枠内での話だ。
IBMが「The End of Advertising」というペーパーを出して、「マスメディアというコンセプトは終了した」と宣言したようにオンでも、オフでも広告、すなわち一方通行のメッセージ配信の時代は終了した。オンライン広告のCTRやVTRが下落傾向なのはそれを如実に現している。
参考:The End of Advertising (Online Ad 2008/08/29)
米国企業が「インタラクティブ/オンラインマーケティング」でやろうとしているのは、ブランド認知や販促といった側面もあるだろうが、本質は顧客の意見、アドバイス、批判などの洞察を獲得して製品改善、新製品開発、顧客マネージメントに活かすことだし、オープンなコミュニケーション、会話を通して企業・ブランドとのエンゲージメントを強化し、コンテンツ(ブランド)の消費や流通、再発信に参加して(させて)もらう、共有して(させて)もらうという目的がある。
オンライン広告を出せばWeb 2.0スペースへ参加できるのではない。Blog/SNS/Forum/Communityへの参加なしに、単にそれらにオンライン広告を出している企業・ブランドと、既存サイトへの参加だけではなく独自のメディアとしてBlog/SNS/Forum/Communityを構築している企業・ブランドとのギャップは否応もなく広がってゆく。
金融危機以降、効率重視のメディア選択が一層、強化されるとともに、自前メディアを積極活用するマーケティングが主流となる。媒体費の要らないメディアを持っていることに気づかない企業・ブランドはWeb 2.0スペースでのブランド認知は低下し、顧客ロイヤルティあるいはブランドの評価は低下するしかない。
このホワイトペーパーは底知れぬ金融危機を迎えたマーケターが検討すべき戦略、戦術をリストアップしているのだが、その戦略へ行く前に、大きな流れ、トレンドを説明している。まず、各調査会社の今年、来年の広告費を上げている。基本的に弱含みだと見られ、昨年までの力強さはない。
次に企業マーケター側の予想だが、2008年の広告予算が削減されると見るマーケターが多い。減収減益パターンのもとで広告予算が突出して消化されるとは考えにくい。
予算枠が削減されるので、予算配分が重要となる。調査各社によると新聞、雑誌、TV、ラジオなどのレガシーメディア予算は大幅な削減が予想されている。Epsilonが調査したケースでは59%、MarketingProfsの場合85%が既成マスメディア予算を削減すると回答している。
一方、オンライン広告はというと各調査会社ともに強気の見方をしている。これは当然だろう。既成マスメディア予算が削減されるのは広告効果、効率が低下しているからだし、効果そのものを測定できないからだ。それとは逆にオンラインは効果測定ができるだけ予算枠は増加する。
だからこそ、総広告費に占めるオンライン広告の比率は昨年で7.6%だったものが、2013年には18.3%に達すると予想できる。
Source:eMarketer / Seven Strategies for Surviving the Downturnと、ここまでは大方の予想通りの数字、予想が並んでいる。しかし、注目したいのは下の数字だ。
企業側マーケターが配分する予算の中で広告、既成マーケティングの予算枠を削減すると回答したのは、それぞれ59%、65%にも達している。逆にインタラクティブ/オンラインマーケティングを増やすとするのは63%になっている。この「インタラクティブ/オンラインマーケティング」にオンライン広告は入っていない。オンラインもオフラインもすべて「広告」にくくられている。上にあるようにオンライン広告の伸び、シェアは増加するだろうが、「広告」枠内での話だ。
IBMが「The End of Advertising」というペーパーを出して、「マスメディアというコンセプトは終了した」と宣言したようにオンでも、オフでも広告、すなわち一方通行のメッセージ配信の時代は終了した。オンライン広告のCTRやVTRが下落傾向なのはそれを如実に現している。
参考:The End of Advertising (Online Ad 2008/08/29)
米国企業が「インタラクティブ/オンラインマーケティング」でやろうとしているのは、ブランド認知や販促といった側面もあるだろうが、本質は顧客の意見、アドバイス、批判などの洞察を獲得して製品改善、新製品開発、顧客マネージメントに活かすことだし、オープンなコミュニケーション、会話を通して企業・ブランドとのエンゲージメントを強化し、コンテンツ(ブランド)の消費や流通、再発信に参加して(させて)もらう、共有して(させて)もらうという目的がある。
オンライン広告を出せばWeb 2.0スペースへ参加できるのではない。Blog/SNS/Forum/Communityへの参加なしに、単にそれらにオンライン広告を出している企業・ブランドと、既存サイトへの参加だけではなく独自のメディアとしてBlog/SNS/Forum/Communityを構築している企業・ブランドとのギャップは否応もなく広がってゆく。
金融危機以降、効率重視のメディア選択が一層、強化されるとともに、自前メディアを積極活用するマーケティングが主流となる。媒体費の要らないメディアを持っていることに気づかない企業・ブランドはWeb 2.0スペースでのブランド認知は低下し、顧客ロイヤルティあるいはブランドの評価は低下するしかない。
2008/10/28
EBRS 2008
Ipsos MoriのEBRS、名称が変更となり今回からは「BE:Europe (Business Elite Europe)」となったデータが公開されている。これは2年ごとに行われるヨーロッパ全土を対象にした非常に大掛かりの調査だ。前回、2006年の結果も合わせてでているので紹介する。
Source:M&M / BE: Europe - How to influence the key influencers
Source:Ipsos Mori / Business leaders’ readership of international titles increases
Source:Ipsos Mori / BE:Europe 2008 Survey Data (pdf)
単純に2006年の数値と2008年の数値を比較すると国際紙誌の購読率があがってきたと思わせる。しかし、以下の2002年と2004年のデータを見ていただくと別な絵が見えてくる。
2002年に47.3%あった国際紙誌の購読率は、2004年に43.1%へ下がり、2006年に36.6%へ落ち込んでいたことになる。そして2008年にそれがようやく40%にまで回復したということだ。
Ipsos Moriは、2006年の調査と比べると国際紙は6%も購読率が上がり、日刊紙、週刊誌、月刊誌も購読率が上がっていると伝えている。しかし、実態はどん底の購読率低下を様々な営業努力で押し留めているというのが現実だろう。まさか、Timeのような購読料タダといったキャンペーンまでしているところはないだろうが?
参考:TIME Mag Subscription Offer, $0? (Online Ad 2008/07/17)
それはさておき、今回の調査結果で注目すべきは;
なお、2006年に2004年版を紹介し、2006年版を見たいと書いていた。当時、何度も検索したが調査結果はインターネットにアップされていなかった。それが今回はアップされている。これほど重要な調査結果を公表しないメリットは何もないことにようやく気づいたのだろうか。
参考:Free Paper Home Delivered in Europe (Online Ad 2006/10/11)
Source:M&M / BE: Europe - How to influence the key influencersSource:Ipsos Mori / Business leaders’ readership of international titles increases
Source:Ipsos Mori / BE:Europe 2008 Survey Data (pdf)
単純に2006年の数値と2008年の数値を比較すると国際紙誌の購読率があがってきたと思わせる。しかし、以下の2002年と2004年のデータを見ていただくと別な絵が見えてくる。
2002年に47.3%あった国際紙誌の購読率は、2004年に43.1%へ下がり、2006年に36.6%へ落ち込んでいたことになる。そして2008年にそれがようやく40%にまで回復したということだ。Ipsos Moriは、2006年の調査と比べると国際紙は6%も購読率が上がり、日刊紙、週刊誌、月刊誌も購読率が上がっていると伝えている。しかし、実態はどん底の購読率低下を様々な営業努力で押し留めているというのが現実だろう。まさか、Timeのような購読料タダといったキャンペーンまでしているところはないだろうが?
参考:TIME Mag Subscription Offer, $0? (Online Ad 2008/07/17)
それはさておき、今回の調査結果で注目すべきは;
- 10人中7人はインターネットでニュースを入手
- 10人中5人はemailによるニュースアップデートを受信
- 4人中3人はBlogを読み、
- 19,000人のエグゼクティブは自分のBlogを書いている
なお、2006年に2004年版を紹介し、2006年版を見たいと書いていた。当時、何度も検索したが調査結果はインターネットにアップされていなかった。それが今回はアップされている。これほど重要な調査結果を公表しないメリットは何もないことにようやく気づいたのだろうか。
参考:Free Paper Home Delivered in Europe (Online Ad 2006/10/11)
ラベル:
Europe,
Internet,
Newspaper/Magazine
2008/10/09
Free Paper
WAN(World Association of Newspaper)のデータを見るとフリーペーパーに関するものがある。
それによると
Source:WAN (pdf)
WANは2007年に新聞の発行部数が2.57%も伸びたとしている。が、伸びたのは南米が6.72%、アジアが4.7%で、欧州は1.87%減、北米は2.14%減となっている。23%のシェアを持つフリーペーパーが、欧州の既存新聞を危うくしている。
それによると
- 2007年、312紙のフリー日刊紙が発行され、
- 4,104万部が毎日発行され、
- 発行部数は前年比20%増、
- 発行部数は5年間で173.2%増となっている。
- 全世界の新聞発行部数の7%をフリーペーパーが占め、
- 欧州では23%、米国で8%、アジアで2%を占めている。
- Metro 英国 137万部
- Leggo イタリア 105万部
- 20 Minutos スペイン 100万部
- Metro カナダ 99万部
- Que! および ADN スペイン 96万部
Source:WAN (pdf)
WANは2007年に新聞の発行部数が2.57%も伸びたとしている。が、伸びたのは南米が6.72%、アジアが4.7%で、欧州は1.87%減、北米は2.14%減となっている。23%のシェアを持つフリーペーパーが、欧州の既存新聞を危うくしている。
ラベル:
Newspaper/Magazine
2008/09/26
Strategy of NYT -3
9月24日付けのIAB Smart BriefにNYTのバナー広告が掲載されていた。
バナーをクリックすると、以下のメディアキットページへ飛んでゆく。目を惹いたのは左隅にある「NYTimes.com Self Service Advertising」というセクションだ。
これはキャンペーン予算が1万㌦以下のSMBが直接、アクセスし、自前の広告原稿をアップしたり、できあいの広告案からカスタマイズしたり、掲載セクションを決定し、予算配分などを決めることができるセクションだ。(下をクリックでサイトへ)
SMBの広告サンプルもある。それぞれのimpression数およびCTRが表示されている。(下をクリックでサイトへ)
Source:NYTimes.com / Self-Service Advertising
必要なのは広告原稿ぐらいだが、SMBであっても大方のことはできてしまう。キャンペーン予算1万㌦といえば、レップにとっても大手の広告代理店にとっても1媒体とすれば少ない金額ではない。が、レップも広告代理店も要らないことになる。
NYTの戦略が目覚しい勢いで進化を続けている。
参考:Strategy of NYT -2 (Online Ad 2008/09/25)
参考:Strategy of NYT (Online Ad 2008/09/19)
Googleは検索広告から始まり、新聞そしてTV広告にも手を広げてきている。新聞にしても、TV広告にしても今のところはロングテール対象、あるいは残りスペースを埋めるだけの予算・規模でしかない。しかし、着々と布石をつなげてきている。SOHO、パパママストア、SMBから中堅、大企業、ナショナルブランドへとつながるのは目に見えているし、もし、Googleがそれを考えていないとしたらアホだ。また、それが見えるからこそ、売れ残り在庫セールの必要性が分かりながらメディア側も二の足を踏んでいるし、特に代理店側の反発がある。
それと似たような形でNYTがSMB層へ直接販売チャネルを開いたということだ。劇的に新聞広告が増える見込みなどない現在、ロングテールのオンライン広告販売網を自前で構築するわけだ。レップ・広告代理店の仲介が少ない、不要なロングテール企業に天下のNYTが門戸を開いたということだ。
このことは、SMB規模以上の中堅、大企業、ナショナルブランドに目を開かせる意味もあるかもしれない。スペースバイイング、原稿制作、スケジューリング、エビデンス提出など通常の代理店業務がどこまで必要かということだ。Googleであれ、NYTのSelf-Serviceであれ、あまりその必要性を感じさせない。
中堅以上の企業にとって何が必要かというと、以下の参照でも取り上げたが、デジタルスペースの知識であるし、Pull戦術の知識であったり、ソーシャルメディアや消費者行動を熟知しているかだ。マーケティング、あるいはコンサルティング能力があるかどうかだ。広告売上ではなく、フィービジネスをどこまで計上できるかが問題となる。それは中堅以上の企業にとって、直販ビジネスも大事だが、ブランド認知、ブランド構築を行う重要性を理解しているからだ。
参考:Top 10 Wish List for Agencies of the Future (Online Ad 2008/09/10)
ただし、これは海の向こうの話だ。CMOや、Chief Blogger、Social Marketing Managerなどのいない日本企業はオンラインのマーケティングやコンサルティングを必要としていない。従来どおりの既成メディアに対する広告という一方通行のコミュニケーションを続ける限り、レップも広告代理店も安泰だ。ただし、海の向こう、すなわちWeb 2.0スペースでの話は、海の向こうで終わる話ではなく、全世界の話だ。
参考:The End of Advertising (Online Ad 2008/08/29)
バナーをクリックすると、以下のメディアキットページへ飛んでゆく。目を惹いたのは左隅にある「NYTimes.com Self Service Advertising」というセクションだ。これはキャンペーン予算が1万㌦以下のSMBが直接、アクセスし、自前の広告原稿をアップしたり、できあいの広告案からカスタマイズしたり、掲載セクションを決定し、予算配分などを決めることができるセクションだ。(下をクリックでサイトへ)
SMBの広告サンプルもある。それぞれのimpression数およびCTRが表示されている。(下をクリックでサイトへ)
Source:NYTimes.com / Self-Service Advertising必要なのは広告原稿ぐらいだが、SMBであっても大方のことはできてしまう。キャンペーン予算1万㌦といえば、レップにとっても大手の広告代理店にとっても1媒体とすれば少ない金額ではない。が、レップも広告代理店も要らないことになる。
NYTの戦略が目覚しい勢いで進化を続けている。
参考:Strategy of NYT -2 (Online Ad 2008/09/25)
参考:Strategy of NYT (Online Ad 2008/09/19)
Googleは検索広告から始まり、新聞そしてTV広告にも手を広げてきている。新聞にしても、TV広告にしても今のところはロングテール対象、あるいは残りスペースを埋めるだけの予算・規模でしかない。しかし、着々と布石をつなげてきている。SOHO、パパママストア、SMBから中堅、大企業、ナショナルブランドへとつながるのは目に見えているし、もし、Googleがそれを考えていないとしたらアホだ。また、それが見えるからこそ、売れ残り在庫セールの必要性が分かりながらメディア側も二の足を踏んでいるし、特に代理店側の反発がある。
それと似たような形でNYTがSMB層へ直接販売チャネルを開いたということだ。劇的に新聞広告が増える見込みなどない現在、ロングテールのオンライン広告販売網を自前で構築するわけだ。レップ・広告代理店の仲介が少ない、不要なロングテール企業に天下のNYTが門戸を開いたということだ。
このことは、SMB規模以上の中堅、大企業、ナショナルブランドに目を開かせる意味もあるかもしれない。スペースバイイング、原稿制作、スケジューリング、エビデンス提出など通常の代理店業務がどこまで必要かということだ。Googleであれ、NYTのSelf-Serviceであれ、あまりその必要性を感じさせない。
中堅以上の企業にとって何が必要かというと、以下の参照でも取り上げたが、デジタルスペースの知識であるし、Pull戦術の知識であったり、ソーシャルメディアや消費者行動を熟知しているかだ。マーケティング、あるいはコンサルティング能力があるかどうかだ。広告売上ではなく、フィービジネスをどこまで計上できるかが問題となる。それは中堅以上の企業にとって、直販ビジネスも大事だが、ブランド認知、ブランド構築を行う重要性を理解しているからだ。
参考:Top 10 Wish List for Agencies of the Future (Online Ad 2008/09/10)
ただし、これは海の向こうの話だ。CMOや、Chief Blogger、Social Marketing Managerなどのいない日本企業はオンラインのマーケティングやコンサルティングを必要としていない。従来どおりの既成メディアに対する広告という一方通行のコミュニケーションを続ける限り、レップも広告代理店も安泰だ。ただし、海の向こう、すなわちWeb 2.0スペースでの話は、海の向こうで終わる話ではなく、全世界の話だ。
参考:The End of Advertising (Online Ad 2008/08/29)
ラベル:
Agency,
Case Study,
Marketing,
Newspaper/Magazine,
Online Ad
2008/09/25
Strategy of NYT -2
先日、「Strategy of NYT」を書いたばかりだが、新しい動きがあった。
参考:Strategy of NYT (Online Ad 2008/09/19)
BtoB Onlineの伝えるところによると、NYTは「TimesPeople」というSNSのパブリックベータを公開した。(下をクリックでサイトへ)
登録ユーザ間でNYTのコンテンツを共有、推奨してもらう仕組みだ。TimesPeopleにサインインした後、評価や推奨を共有するユーザを登録し、記事、ビデオ、スライド、Blog、読者コメント、評価や映画、レストランやホテルのレビューまで、NYTのありとあらゆるコンテンツを共有することができる。
Source:BtoB Online / NYTimes.com announces public beta of social networking site
LinkedInのユーザを取り込むことに加え、NYT自身がSNS化するという今回の動きは非常に象徴的だ。既成マスメディアの代表であるNYTがSNS化して、読者、消費者、ユーザが今いるスペースに参加しようとしている。一方的な情報、コンテンツの垂れ流しから、コンテンツの共有を促進するためにWeb 2.0へ大きく舵をきったということだ。
Global Online Branding Presentationのスライドで、マーケティングは「Push to Pull」、「Publish Content」、そして「Brand become media」という流れを書いた。このNYTの動きを見ると、結論として「Brand become SNS」を追加したほうがよさそうだ。
参考:Global Online Branding Presentation (Online Ad 2008/09/21)
なお、NYTのTimesPeopleの紹介画面にCiscoの「Human Network」のバナーが掲載されている。Global Online Branding Presentationのスライドで説明したようにCiscoはすでに独自にSNSを立ち上げている。
注: 「Ciscoはすでに独自にSNSを立ち上げている」と書いたが、Human Networkのコンテンツが変更されたようだ。以前は「Share Your Story」や、Bloggerのエントリなどを紹介するセクションがあったが、現在は存在しない。(追加 2008/10/03)
参考:Strategy of NYT (Online Ad 2008/09/19)
BtoB Onlineの伝えるところによると、NYTは「TimesPeople」というSNSのパブリックベータを公開した。(下をクリックでサイトへ)
登録ユーザ間でNYTのコンテンツを共有、推奨してもらう仕組みだ。TimesPeopleにサインインした後、評価や推奨を共有するユーザを登録し、記事、ビデオ、スライド、Blog、読者コメント、評価や映画、レストランやホテルのレビューまで、NYTのありとあらゆるコンテンツを共有することができる。
Source:BtoB Online / NYTimes.com announces public beta of social networking siteLinkedInのユーザを取り込むことに加え、NYT自身がSNS化するという今回の動きは非常に象徴的だ。既成マスメディアの代表であるNYTがSNS化して、読者、消費者、ユーザが今いるスペースに参加しようとしている。一方的な情報、コンテンツの垂れ流しから、コンテンツの共有を促進するためにWeb 2.0へ大きく舵をきったということだ。
Global Online Branding Presentationのスライドで、マーケティングは「Push to Pull」、「Publish Content」、そして「Brand become media」という流れを書いた。このNYTの動きを見ると、結論として「Brand become SNS」を追加したほうがよさそうだ。
参考:Global Online Branding Presentation (Online Ad 2008/09/21)
なお、NYTのTimesPeopleの紹介画面にCiscoの「Human Network」のバナーが掲載されている。Global Online Branding Presentationのスライドで説明したようにCiscoはすでに独自にSNSを立ち上げている。
注: 「Ciscoはすでに独自にSNSを立ち上げている」と書いたが、Human Networkのコンテンツが変更されたようだ。以前は「Share Your Story」や、Bloggerのエントリなどを紹介するセクションがあったが、現在は存在しない。(追加 2008/10/03)
ラベル:
Marketing,
Newspaper/Magazine,
SNS,
Web2.0
2008/09/19
Strategy of NYT
現地、9月16日のNYTimes.comの一面トップ、そしてビジネスセクションのトップ記事はAIGに850億㌦の緊急融資が行われていることを伝えている。

しかし、注目すべきは右側のGMのバナーの上にあるセクション、「News for Media Professionals」だ。先週くらいからBusinessおよびTechnologyセクションに表示されるようになってきた。
これは7月にNYTおよびLinkedInからプレスリリースが出ていたように、両社が提携し、LinkedInユーザのプロファイルに応じて、NYTimes.comのビジネスとテクノロジーセクションでそのユーザに適したヘッドライン(例えば、「News for Media Professionals」)、プロファイルに応じた最新ニュース5本を表示するものだ。
例えばLinkedIn登録メンバーの業種がコンピュータであれば「News for Computer Professionals」というヘッドラインが生成され、それに応じたニュース5本が表示される。
また、NYT画面にある「SHARE」を開き、Linkedinをクリックすると、ユーザのコネクションにNYTの記事を転送することができる。
Source:NYT / The New York Times and LinkedIn Form Strategic Relationship
Source:LinkedIn Blog / The New York Times Get LinkedIn
Source:PaidContent.org / Aiming At BtoB, NYTimes.com Rolls Out Business, Tech Sub-sections; Handful Of Hires
Source:NYTimes.com / Fed's $85 Billion Loan Rescues Insurer
LinkedInは現在2,500万人のユーザを擁し、月に100万人ずつメンバーが増えている世界最大のビジネスSNSだ。LinkedInのパワーは下のスライドを見るだけで一目瞭然だ。
既成マスメディアがWeb 2.0時代に即応するため、各メディアでそれぞれの対応を行っている。記者Blog、記事へのコメント、記事を引用するBlogの表示、記事・記者などへの質問、読者ビデオの掲載、ビデオのWeb/Blogへのエンベッディング、フォーラム、ユーザのマイページ作成、記事のemail転送、ソーシャルタグマーク、SNSへの記事転送・投稿などなど盛り沢山だ。
これまではメディア側でサービス・機能・ツールを追加してWeb 2.0的雰囲気を作り出していたわけだ。しかし、今回はWeb 2.0側の代表的なサイトと戦略的な提携を行って、自サイトユーザとWeb 2.0サイト側ユーザとの統合、融合を図り、広告ターゲット層をより明確化して、訴求力を向上させようとしている。NYTとすると、世界最大のビジネスSNSであるLinkedInを引き込んで、LinkedInユーザの中でもビジネスエグゼクティブ、デシジョンメーカー向けの広告を大きく膨らませる戦略だろう。
世界の新聞といっても過言ではないNYT、全世界から様々な階層のユーザがアクセスするNYT、その記事は世界中のメディアが引用する大きな力を持つNYTが、ここまでWeb 2.0対応を進めている。
さて、翻って各企業、ブランドのWeb 2.0対応を見たとき、その対応の浅さ、低さ、実のなさが鮮明だ。今、訴求すべきユーザが集まるスペースはレガシーメディアではないし、それと同様のWeb 1.0スペースでもない。ブランドのコントロールの及ばないところで、ネガティブ、ポジティブにブランドが語られているところ、それがWeb 2.0スペースだ。
プッシュではなく、プルなのだ。ダイナミックなコンテンツを発信し、共有してもらい、露出を拡散してゆくことが重要なのだが...。

しかし、注目すべきは右側のGMのバナーの上にあるセクション、「News for Media Professionals」だ。先週くらいからBusinessおよびTechnologyセクションに表示されるようになってきた。これは7月にNYTおよびLinkedInからプレスリリースが出ていたように、両社が提携し、LinkedInユーザのプロファイルに応じて、NYTimes.comのビジネスとテクノロジーセクションでそのユーザに適したヘッドライン(例えば、「News for Media Professionals」)、プロファイルに応じた最新ニュース5本を表示するものだ。
例えばLinkedIn登録メンバーの業種がコンピュータであれば「News for Computer Professionals」というヘッドラインが生成され、それに応じたニュース5本が表示される。
また、NYT画面にある「SHARE」を開き、Linkedinをクリックすると、ユーザのコネクションにNYTの記事を転送することができる。
Source:NYT / The New York Times and LinkedIn Form Strategic Relationship
Source:LinkedIn Blog / The New York Times Get LinkedIn
Source:PaidContent.org / Aiming At BtoB, NYTimes.com Rolls Out Business, Tech Sub-sections; Handful Of Hires
Source:NYTimes.com / Fed's $85 Billion Loan Rescues Insurer
LinkedInは現在2,500万人のユーザを擁し、月に100万人ずつメンバーが増えている世界最大のビジネスSNSだ。LinkedInのパワーは下のスライドを見るだけで一目瞭然だ。
既成マスメディアがWeb 2.0時代に即応するため、各メディアでそれぞれの対応を行っている。記者Blog、記事へのコメント、記事を引用するBlogの表示、記事・記者などへの質問、読者ビデオの掲載、ビデオのWeb/Blogへのエンベッディング、フォーラム、ユーザのマイページ作成、記事のemail転送、ソーシャルタグマーク、SNSへの記事転送・投稿などなど盛り沢山だ。
これまではメディア側でサービス・機能・ツールを追加してWeb 2.0的雰囲気を作り出していたわけだ。しかし、今回はWeb 2.0側の代表的なサイトと戦略的な提携を行って、自サイトユーザとWeb 2.0サイト側ユーザとの統合、融合を図り、広告ターゲット層をより明確化して、訴求力を向上させようとしている。NYTとすると、世界最大のビジネスSNSであるLinkedInを引き込んで、LinkedInユーザの中でもビジネスエグゼクティブ、デシジョンメーカー向けの広告を大きく膨らませる戦略だろう。
世界の新聞といっても過言ではないNYT、全世界から様々な階層のユーザがアクセスするNYT、その記事は世界中のメディアが引用する大きな力を持つNYTが、ここまでWeb 2.0対応を進めている。
さて、翻って各企業、ブランドのWeb 2.0対応を見たとき、その対応の浅さ、低さ、実のなさが鮮明だ。今、訴求すべきユーザが集まるスペースはレガシーメディアではないし、それと同様のWeb 1.0スペースでもない。ブランドのコントロールの及ばないところで、ネガティブ、ポジティブにブランドが語られているところ、それがWeb 2.0スペースだ。
プッシュではなく、プルなのだ。ダイナミックなコンテンツを発信し、共有してもらい、露出を拡散してゆくことが重要なのだが...。
ラベル:
Case Study,
Newspaper/Magazine,
SNS,
Web2.0
2008/09/03
Interactive Journalism
Jeff Jarvisが自身のBlog、Buzzmachineに「Fundamentals of Interactive Journalims」というスライドを載せている。
ニューヨーク市立大学の講義用の資料らしいが、最初の数ページにニュースメディアの発行部数、売上規模、企業株価総額、人員数などがある。
Source:Buzzmachine / School's in
それよりも最初にある「リンクが持つパワーのおかげで世界中からどんなニュースでも入手できる」という点がポイントだろう。
新聞の発行部数・購読部数は減少を続けているが、ユーザが制作する(ニュース)コンテンツは膨張を続けている。以前であれば、マスメディアに掲載されなければ陽の目を見なかったニッチコンテンツでも、リンクさえあれば英米どころか、非英語圏のユーザにも露出してゆく。
リンクは既成露出チャネル以外で、そのパワーを発揮する。SNS、コミュニティ、フォーラム、Blog、Twitter、Chat、Flickrなど数え切れないリンクチャネルが存在し、その活用を待っている。しかし、それを活用しているのは個人ユーザ、あるいは限られた企業ユーザのみだし、まだまだ活用は国内に限られている。
B2Cであれ、B2Bであれ、世界を結ぶリンクを米国からでも、日本からでも活用することはできる。グローバルなオーディエンスを意識しさえすれば...。
ニューヨーク市立大学の講義用の資料らしいが、最初の数ページにニュースメディアの発行部数、売上規模、企業株価総額、人員数などがある。
7ページ目に2008年の現状として、「ニュース(スペース)が縮小しているのか?」として、数字挙げている。オンライン新聞のオーディエンスは新聞読者より多い6,700万人、新聞購読者と同じくらいの5,300万人がコンテンツを制作している。Diggは2,600万人のユーザを抱えている。
Source:Buzzmachine / School's inそれよりも最初にある「リンクが持つパワーのおかげで世界中からどんなニュースでも入手できる」という点がポイントだろう。
新聞の発行部数・購読部数は減少を続けているが、ユーザが制作する(ニュース)コンテンツは膨張を続けている。以前であれば、マスメディアに掲載されなければ陽の目を見なかったニッチコンテンツでも、リンクさえあれば英米どころか、非英語圏のユーザにも露出してゆく。
リンクは既成露出チャネル以外で、そのパワーを発揮する。SNS、コミュニティ、フォーラム、Blog、Twitter、Chat、Flickrなど数え切れないリンクチャネルが存在し、その活用を待っている。しかし、それを活用しているのは個人ユーザ、あるいは限られた企業ユーザのみだし、まだまだ活用は国内に限られている。
B2Cであれ、B2Bであれ、世界を結ぶリンクを米国からでも、日本からでも活用することはできる。グローバルなオーディエンスを意識しさえすれば...。
ラベル:
Internet,
Newspaper/Magazine
2008/08/01
Guardian Breaks 20M user barrier
英国のGuardian.co.ukへアクセスするユニークユーザが、英国の新聞社サイトで初めて2,000万の大台を突破した。
英国の場合、ABCeがユニークユーザ数、PVなどを毎月オーディットしている。だからサイト側の独自数値ではなく、ABCeのお墨付きのついた数値として比較できる。そこでGuardianの今年6月のユニークユーザ数が、前月から12%も増えて、20,499,858人、PVは183,178,155になった。
Source:ABCe
これまでもずっと英国新聞社サイトのトップを走ってきたわけだが、そのGuardianがとうとう2,000万の大台を超えたというわけだ。
Guardianは、Telegraph、Times Online、Mail Online、Sun Online、Mirror、Independentなど他新聞社サイトの数字も挙げた後、「ほとんどの新聞社はまだまだ国内中心の事業展開を行っているため、広告主にとってUKユーザ(数)は最も価値のあるオーディエンスだ」として、新聞社それぞれのUKユーザ数を書き出している。
こんな戦略ではどの国の紙媒体サイトも、もうやっては行けない。
国内のクオリティユーザは、地理的、言語的な壁を乗り越えて必要な情報、コンテンツを求めて最適サイトへアクセスしている。先日書いた「comScore:State of the Internet」にも挙げたように、インターネットユーザ数が増えても米国(英語)Webサイトへアクセスする非USユーザ比率は変わらない。自国サイトが充実するにつれて自国内アクセスが増え、海外サイトへアクセスするユーザが減りそうなものだが、減らない。自国サイトに満足しないユーザ、アーリーアダプターやアーリーマジョリティが海外のカテゴリトップサイトへアクセスしている。
参考:comScore:State of the Internet (Online Ad 2008/07/29)
限りのある国内ユーザに依存したオンライン戦略では、もはやどの国のサイトも立ち行かない。Guardianのように約59%を占める海外ユーザを有効に活用する戦略が求められている。日本、中国、韓国、その他、非英語圏のWebサイトが他言語ユーザのトラフィックを誘導することは困難だが、英語サイトであり、世界的に名の通ったWebサイトであれば、海外ユーザ比率は高いはずだ。高くなければ国内向けサイトとして叩き合うしか道は残っていない。
しかし、海外ユーザ比率が高ければ、そしてアクセスするクオリティユーザの実証ができれば、大きく飛躍するチャンスがある。ただし、この論理を理解するグローバルクライアントの存在が欠かせないのも事実ではあるが...。
Source:Guardian / ABCe: Guardian.co.uk breaks 20m user barrier
英国の場合、ABCeがユニークユーザ数、PVなどを毎月オーディットしている。だからサイト側の独自数値ではなく、ABCeのお墨付きのついた数値として比較できる。そこでGuardianの今年6月のユニークユーザ数が、前月から12%も増えて、20,499,858人、PVは183,178,155になった。Source:ABCe
これまでもずっと英国新聞社サイトのトップを走ってきたわけだが、そのGuardianがとうとう2,000万の大台を超えたというわけだ。
Guardianは、Telegraph、Times Online、Mail Online、Sun Online、Mirror、Independentなど他新聞社サイトの数字も挙げた後、「ほとんどの新聞社はまだまだ国内中心の事業展開を行っているため、広告主にとってUKユーザ(数)は最も価値のあるオーディエンスだ」として、新聞社それぞれのUKユーザ数を書き出している。
こんな戦略ではどの国の紙媒体サイトも、もうやっては行けない。
国内のクオリティユーザは、地理的、言語的な壁を乗り越えて必要な情報、コンテンツを求めて最適サイトへアクセスしている。先日書いた「comScore:State of the Internet」にも挙げたように、インターネットユーザ数が増えても米国(英語)Webサイトへアクセスする非USユーザ比率は変わらない。自国サイトが充実するにつれて自国内アクセスが増え、海外サイトへアクセスするユーザが減りそうなものだが、減らない。自国サイトに満足しないユーザ、アーリーアダプターやアーリーマジョリティが海外のカテゴリトップサイトへアクセスしている。
参考:comScore:State of the Internet (Online Ad 2008/07/29)
限りのある国内ユーザに依存したオンライン戦略では、もはやどの国のサイトも立ち行かない。Guardianのように約59%を占める海外ユーザを有効に活用する戦略が求められている。日本、中国、韓国、その他、非英語圏のWebサイトが他言語ユーザのトラフィックを誘導することは困難だが、英語サイトであり、世界的に名の通ったWebサイトであれば、海外ユーザ比率は高いはずだ。高くなければ国内向けサイトとして叩き合うしか道は残っていない。
しかし、海外ユーザ比率が高ければ、そしてアクセスするクオリティユーザの実証ができれば、大きく飛躍するチャンスがある。ただし、この論理を理解するグローバルクライアントの存在が欠かせないのも事実ではあるが...。
Source:Guardian / ABCe: Guardian.co.uk breaks 20m user barrier
ラベル:
Europe,
Marketing,
Newspaper/Magazine
2008/07/17
TIME Mag Subscription Offer, $0?
驚くべき購読勧誘チラシがある。
それは米Timeのポスティングに使われているチラシだ。下図の下部を見ると;
「YES, it's important to me to get real insight into the news. Please send me a full year of TIME -- 56 issues --- for the amount indicated below」
と来て、
「My check is endorsed for $ ( 空 白 ) 」
となっている。
ということは、こちらが記入した金額、「$0」ではだめだろうが、例えば「$1」で年間56冊のTIME誌が購読できるということだ。
PIBは2008年Q1の雑誌の成績(広告収入、広告ページ数)を発表している。全体的に見ると四半期で57億㌦、合計50,695.6ページで、前年同期比それぞれ0.4%減、6.3%減となっている。主だったところだけを拾い上げたが、どれもこれも赤、赤のオンパレードだ。
AARP(全米退職者協会の雑誌)の広告ページ数・広告収入が減っている。うる覚えだが、「Visit Japan」キャンペーンで可処分所得の多い旅行者としてAARP読者がターゲットとしてリストアップされていたような?今でも出稿しているのかしら?米国の中高年もBB化進展と共にインターネット消費時間が増え、雑誌離れが起こっているようだ。
参考:Visit Britain、Visit Kora、Visit Japan (Online Ad 2006/09/28)
ビジネス誌・一般ニュース紙も下げ止まりは見えない。ただ、Wiredだけが一人気を吐いている。
広告費は通常毎年値上げされているから、広告ページ数が減ったとしてもある程度の吸収はできる。しかし、広告ページ数が全体で6.3%も減っていては売上も減らざるを得ない。
Source:New York Post / REPORT: NO PAGE TURNER
Source:Media Bistro / How Much Would You Pay for a Year of Time?
Source:PIB Revenue & Pages / Jan - Mar 2008 vs 2007
だとしても、TIMEの「それこそいくらでもいいから購読してください」的なポスティングチラシは、ブランドの信頼と評価を傷つけ、財務的にもマイナスだ。
それは米Timeのポスティングに使われているチラシだ。下図の下部を見ると;
「YES, it's important to me to get real insight into the news. Please send me a full year of TIME -- 56 issues --- for the amount indicated below」
と来て、
「My check is endorsed for $ ( 空 白 ) 」
となっている。
ということは、こちらが記入した金額、「$0」ではだめだろうが、例えば「$1」で年間56冊のTIME誌が購読できるということだ。PIBは2008年Q1の雑誌の成績(広告収入、広告ページ数)を発表している。全体的に見ると四半期で57億㌦、合計50,695.6ページで、前年同期比それぞれ0.4%減、6.3%減となっている。主だったところだけを拾い上げたが、どれもこれも赤、赤のオンパレードだ。
AARP(全米退職者協会の雑誌)の広告ページ数・広告収入が減っている。うる覚えだが、「Visit Japan」キャンペーンで可処分所得の多い旅行者としてAARP読者がターゲットとしてリストアップされていたような?今でも出稿しているのかしら?米国の中高年もBB化進展と共にインターネット消費時間が増え、雑誌離れが起こっているようだ。参考:Visit Britain、Visit Kora、Visit Japan (Online Ad 2006/09/28)
ビジネス誌・一般ニュース紙も下げ止まりは見えない。ただ、Wiredだけが一人気を吐いている。
広告費は通常毎年値上げされているから、広告ページ数が減ったとしてもある程度の吸収はできる。しかし、広告ページ数が全体で6.3%も減っていては売上も減らざるを得ない。
Source:New York Post / REPORT: NO PAGE TURNER
Source:Media Bistro / How Much Would You Pay for a Year of Time?
Source:PIB Revenue & Pages / Jan - Mar 2008 vs 2007
だとしても、TIMEの「それこそいくらでもいいから購読してください」的なポスティングチラシは、ブランドの信頼と評価を傷つけ、財務的にもマイナスだ。
ラベル:
Marketing,
Newspaper/Magazine
2008/06/27
NYT.com and IHT.com will merge
NYT.comが伝えるところでは、NYTはIHTとWebサイトの合体を検討しているらしい。
IHT.comのトップページにはすでに「The Global Edition of the New York Times」というフレーズが入っている。しかし、まだ仏国内法との調整があるため、正式決定ではないが、すでに数ヶ月にわたり検討が重ねられてきたようだ。
基本線は、IHT.comをNYTimes.comのグローバルWebサイトとするらしい。WebTrendsによるとNYTimes.comは全世界から5,800万オーディエンスがアクセスし。IHT.comは700万オーディエンスだそうだ。今までのところNYTimes.comを海外向け媒体としてプロモートしたことも、海外ユーザ向けのセクションもない。ということで、すでにIHT.comのコンテンツを改修し、ビジネス、文化、スポーツ、ラグジャリー、旅行など、6~7つの国際セクションを新設するためデザイナーが準備しているそうだ。、
Source:NYTimes.com / The Times and I.H.T. Study Web Merger
さて、この動きは必ず失敗すると言える。
現在、NYTimes.comへ世界中からアクセスしているインターネットユーザは、IHTが伝える欧州ベースの記事が読みたいわけでも、看板を付け替えてNYT+IHT.comとなるいわゆるグローバルWebサイトの記事が読みたいわけでもない。
NYTimes.comへアクセスしている理由は、NYTが伝える米国内の政治、経済、社会、文化の記事、情報なのだ。米国の政治や経済が自国の政治や経済へ与える影響を読み解こうとしているのだ。自国での自社ビジネスへの影響、そして海外との自社ビジネスへの影響を読み解こうとしているのだ。NYTの記事をベンチマークとしたいのだ。また、米国内の社会現象を誰よりも早く知りたいのだ。映画や新刊書、そしてミュージカルなどのレビューが必要なのだ。NYTが取り上げる、報道する米国内ニュースが国際(ユーザ向けの)ニュースなのだ。
YouTubeに世界中のユーザがアクセスするのはなぜなのか?それはそこにしかないコンテンツがあるからだ。YouTubeが日本人ユーザ向けだけのセクションを作っても、それは日本人ユーザに訴求するだけで、グローバルユーザには訴求しない。英語ベースではあるがどこにもない新しいコンテンツが日々、更新されるサイトであるからこそYouTubeに世界中からアクセスがあるのだ。
NYTブランドで各国別ユーザに訴求するWebサイトを作った場合、それはローカルWebサイトでしかない。グローバルなオンラインメディアではない。
NYTがすべきは、現在のコンテンツに加え、米国内のIT系やインターネット系のニュース、情報提供を質量共に向上させることだ。世界のインターネットユーザが求めるニュース、最新情報を提供することができれば、現在の5,800万ではなく、その2倍にも、3倍にもオーディエンスを拡大することができるはずだ。
IHT.comのトップページにはすでに「The Global Edition of the New York Times」というフレーズが入っている。しかし、まだ仏国内法との調整があるため、正式決定ではないが、すでに数ヶ月にわたり検討が重ねられてきたようだ。基本線は、IHT.comをNYTimes.comのグローバルWebサイトとするらしい。WebTrendsによるとNYTimes.comは全世界から5,800万オーディエンスがアクセスし。IHT.comは700万オーディエンスだそうだ。今までのところNYTimes.comを海外向け媒体としてプロモートしたことも、海外ユーザ向けのセクションもない。ということで、すでにIHT.comのコンテンツを改修し、ビジネス、文化、スポーツ、ラグジャリー、旅行など、6~7つの国際セクションを新設するためデザイナーが準備しているそうだ。、
Source:NYTimes.com / The Times and I.H.T. Study Web Merger
さて、この動きは必ず失敗すると言える。
現在、NYTimes.comへ世界中からアクセスしているインターネットユーザは、IHTが伝える欧州ベースの記事が読みたいわけでも、看板を付け替えてNYT+IHT.comとなるいわゆるグローバルWebサイトの記事が読みたいわけでもない。
NYTimes.comへアクセスしている理由は、NYTが伝える米国内の政治、経済、社会、文化の記事、情報なのだ。米国の政治や経済が自国の政治や経済へ与える影響を読み解こうとしているのだ。自国での自社ビジネスへの影響、そして海外との自社ビジネスへの影響を読み解こうとしているのだ。NYTの記事をベンチマークとしたいのだ。また、米国内の社会現象を誰よりも早く知りたいのだ。映画や新刊書、そしてミュージカルなどのレビューが必要なのだ。NYTが取り上げる、報道する米国内ニュースが国際(ユーザ向けの)ニュースなのだ。
YouTubeに世界中のユーザがアクセスするのはなぜなのか?それはそこにしかないコンテンツがあるからだ。YouTubeが日本人ユーザ向けだけのセクションを作っても、それは日本人ユーザに訴求するだけで、グローバルユーザには訴求しない。英語ベースではあるがどこにもない新しいコンテンツが日々、更新されるサイトであるからこそYouTubeに世界中からアクセスがあるのだ。
NYTブランドで各国別ユーザに訴求するWebサイトを作った場合、それはローカルWebサイトでしかない。グローバルなオンラインメディアではない。
NYTがすべきは、現在のコンテンツに加え、米国内のIT系やインターネット系のニュース、情報提供を質量共に向上させることだ。世界のインターネットユーザが求めるニュース、最新情報を提供することができれば、現在の5,800万ではなく、その2倍にも、3倍にもオーディエンスを拡大することができるはずだ。
2008/05/28
B2B Print Ad in 2007
BtoB OnlineからB2B向け印刷媒体への広告支出Top 100リストが出ている。
上位30社の中に、日本企業は、Sony、Fujitsu、Canon、Matsushita、Toshiba、Toyotaの6社が入っている。
100社合計で2006年は10.05億㌦、2007年は約7,686万㌦(7.6%)減の9.20億㌦だ。
上位のIBM、MS、HPの3社だけで減少分の55%、4,200万㌦も減らしている。1,900万㌦から1,000万㌦へ減らしたIntelを加えれば4社で5,100万㌦も減少させている。前年並みや若干広告費を減らす企業が大半を占めているが、大手であればあるほどB2Bの印刷媒体向け広告費を減少させているようだ。
ただし、その中で、印刷媒体広告費を増やしているAPC (American Power Conversion)は、約900万㌦から倍増以上の1,900万㌦を支出している。Accentureも約600万㌦弱から1,100万㌦へと倍増近い伸びだ。
Source:BtoB Online / Top 100 Print Advertisers in B-to-B Magazines: The Complete List
APCやAccentureなどの例外はあるが、新聞や一般紙誌が購読者減、広告売上減に苦しむ中、まだまだ健全だったB2B専門誌、業界誌も同じようにオンラインメディアの影響が如実に出てきている。特に名前の通った大手、グローバル企業が印刷媒体に見切りをつけてきたのかと思わせるほどの削減幅だ。
以前、紹介したようにMS、GMは広告費の大半、あるいは半分をオンラインに振り向けようとしている。当然、GMやMSの後に業界全体が引きずられてくる ことになるから、中途半端なオンライン露出ではあっという間に打ち消され、期待する、あるいは目標とする効果は出ない。また、MSやGMだけではなく大手企業ははLinkedIn、Technorati、ArsTechincaなどのWeb 2.0系メディア・サービスを積極的に活用し始めているようだ。
厳しい予算枠の中で最適のオンラインマーケティング、ブランディングが求められる。
参考:Overwheling exposure and Spillover (Online Ad 2008/04/10)
上位30社の中に、日本企業は、Sony、Fujitsu、Canon、Matsushita、Toshiba、Toyotaの6社が入っている。
100社合計で2006年は10.05億㌦、2007年は約7,686万㌦(7.6%)減の9.20億㌦だ。上位のIBM、MS、HPの3社だけで減少分の55%、4,200万㌦も減らしている。1,900万㌦から1,000万㌦へ減らしたIntelを加えれば4社で5,100万㌦も減少させている。前年並みや若干広告費を減らす企業が大半を占めているが、大手であればあるほどB2Bの印刷媒体向け広告費を減少させているようだ。
ただし、その中で、印刷媒体広告費を増やしているAPC (American Power Conversion)は、約900万㌦から倍増以上の1,900万㌦を支出している。Accentureも約600万㌦弱から1,100万㌦へと倍増近い伸びだ。
Source:BtoB Online / Top 100 Print Advertisers in B-to-B Magazines: The Complete List
APCやAccentureなどの例外はあるが、新聞や一般紙誌が購読者減、広告売上減に苦しむ中、まだまだ健全だったB2B専門誌、業界誌も同じようにオンラインメディアの影響が如実に出てきている。特に名前の通った大手、グローバル企業が印刷媒体に見切りをつけてきたのかと思わせるほどの削減幅だ。
以前、紹介したようにMS、GMは広告費の大半、あるいは半分をオンラインに振り向けようとしている。当然、GMやMSの後に業界全体が引きずられてくる ことになるから、中途半端なオンライン露出ではあっという間に打ち消され、期待する、あるいは目標とする効果は出ない。また、MSやGMだけではなく大手企業ははLinkedIn、Technorati、ArsTechincaなどのWeb 2.0系メディア・サービスを積極的に活用し始めているようだ。
厳しい予算枠の中で最適のオンラインマーケティング、ブランディングが求められる。
参考:Overwheling exposure and Spillover (Online Ad 2008/04/10)
ラベル:
B2B/B2C,
Newspaper/Magazine
登録:
投稿 (Atom)