2009/10/06

Social Media Revolution -2

OPAは、Nielsen Onlineと提携して、IAI (Internet Activity Index) というContent、Communications、Commerce、Community、Searchといったカテゴリごとにインターネットユーザの消費時間、一人当たりのページ数、ページビュー、ユニークユーザ数などを毎月出している。

そのカテゴリごとの消費時間シェアを2008年7月から2009年7月まで図にしてみた。
2008年7月にContent(OPAに加盟しているメディアサイト)カテゴリは43.3%の消費時間だったが、2009年7月には39.6%へと沈んでいる。検索も5.3%の消費時間が4.5%へ落ち込んでいる。その中でひとり気を吐いているのはCommunity (Facebook、MySpaceなど) だ。9%にしか過ぎなかった消費時間が20.6%にも伸びている。

対前年比でグラフを描くと下図のようになる。OPAがモニターしているカテゴリ内で前年比増となったのはCommunityのみ。その他のカテゴリはCommerceが23%減で最大の落ち込み。Searchが15%減、Communications (Mail、AIMなど)が13%減となっている。
Source:OPA / IAI

どのカテゴリも消費時間は増えている。例えば、検索の合計消費時間は2008年7月で1.3億時間、2009年7月で1.68億時間なので29%も伸びて いるのだが、如何せん、Communityは2008年8月が2.2億時間、2009年7月は7.7億時間へと3.5倍も伸びているので勝負にならない。

Facebookなどのソーシャルメディアスペースに参加するユーザが増えているので当然、Communityカテゴリの消費時間は長くなる。まだContentカテゴリが39.6%を占めているので差は大きいが、上のような前年比の伸びが続けばすぐにも追い越しそうな勢いだ。

これが100年に一度の大変革だ。この大変革は情報・コンテンツの出し手と受け手という構図を変え、情報・コンテンツの送受信という仕組みも変えている。

マスメディアから送られてくる情報・コンテンツを唯々諾々と受け取るしかなかった消費者・ユーザが情報・コンテンツを逆に発信するようになり、それを共有することで自分の友人・フォロワーに再露出する消費者がいる。

ということは伝統的なメディアというコンセプトそのものが変化してきている。消費者・ユーザも(ソーシャル)メディアとして存在し、そのリーチがマスメディアに迫ってきていることになる。当然、伝統的なメディアコンセプトを基盤にしていた広告にも、パブリックリレーションズにも変革の波が押し寄せてくることになる。

現在は、伝統的なメディアを使った既存の広告やパブリックリレーションズの手法をそのままソーシャルメディアへも踏襲しているのが現状だ。しかし、これは伝統的メディアで期待されている効果と同じ効果を挙げられるだろうか?

決してそんなことはない。100年、200年に及び構造、仕組み、効果などが検証されてきた伝統的メディアを使った広告やパブリックリレーションズの手法は、そこでしか機能しない。単にメディアを変え、ソーシャルメディアスペースへ移し替えただけでは期待される機能、効果を発揮しないのは明らかだ。

だからKodak、Fordでも、Dellでも、ソーシャルメディアスペースのユーザを意識したマーケティング、対応を進めている。もし、伝統的なメディアを使った既存の広告やパブリックリレーションズの手法が使えるのなら、彼らの戦略は大きな間違いを犯していることになる。

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