これはLIVE(Lifetime Individual Visitor Experience)プロファイルというオンラインでのビジター行動を指標として使い、クロスチャネルでの行動を理解し、カスタマーとマーケティング活動両方の価値を正確に測ろうとするものだ。
LIVEプロファイルを理解するためにひとつのシナリオを挙げている。
- ビジターであるトムが検索エンジン広告経由でサイトへアクセス
トムは何ページか見た後に、RSSフィードとEmailニュースレターを登録してサイトを去る - トムは定期的にRSSフィードを読み、ファイナンスに関する新しい「How to」ものへアクセスする
彼は記事を読み、不動産ローンページを見て、サイトを去る - 企業はここでトムに最近の不動産ローン利率をEmailでプロモート
トムはサイトにアクセスし、利率をチェック、計算シミュレーションを試して、サイトを去る - トムはファイナンスサイトのBlogエントリを読み、ぺーじにあった企業の広告をクリックし、
利率を再びチェック、シミュレーションをチェックして、サイトを去る - トムはその後、直接、企業サイトへアクセスし不動産ローンを申し込む
そこでCoremetricsは、シナリオをセッションベースの視点で再評価する。
- 検索エンジン広告はコンバートせず
- RSSはコンバートせず
- Emailはコンバートせず
- Blogはコンバートせず
- 直接アクセスがコンバートした
しかし、ビジターベースの視点で見ると;
- 検索エンジン広告、RSS、Email、Blogそして直接アクセスのすべてがひとつのコンバージョンに貢献しており、結果的に100%のコンバージョン率を達成している
- ビジターの100%が顧客にコンバートしたことになる
セッションベースをとると、検索広告、RSS、Blog、そしてEmailマーケティング予算を削減することになるかもしれない。しかし、それらの露出、接触はトータルとしてトムがコンバートする要因であり、そのいずれかが欠けていたとするとタッチポイント不足で最終的なコンバージョンに結びつかなかったはずだ。
Web2.0が叫ばれて久しいが、まだまだ従来からの既成メディアを利用したプッシュ型マーケティングをそのままWeb世界へ移行させただけの実践が幅を利かせている。特定メディアでの露出、ひとつのタッチポイントがすぐさまコンバージョンへ帰結する昔とは違い、メディアやその消費パターンをユーザがコントロールし、そして自身がメディア化することで無限のタッチポイントが発生、波及している。この現状では、輻輳する多様なチャネルをカバーする指標が必要だ。また、それを前提としたクロスメディアマーケティングが重要になっている。
参考:Infinite Touch Points (Online Ad 2008/01/16)
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