2008/08/26

Internet in UK 2007

Ofcom(英情報通信省)が最新の通信市場レポートを発表した。

その中に広告市場を詳しく見ているデータがある。それによると英国の広告市場は2007年に6.3%増加し、£149億に達している。これは過去3年間で最大の伸びとなっている。中でもインターネットは£28億に達し、前年比39.5%の大幅な伸び、過去5年の年平均成長率は70%を超えている。

TVの総広告費は£40億だが、 ITV1、Channel 4、S4C、Fiveの地上波TVだけでは£24億となり、インターネットが初めて地上波TV広告費を抜いた。
新聞は£47億で最大カテゴリなのは変わらないが、シェアで見ると31.3(注:Ofcomのpdf本文は31.8となっているが、下のグラフでは31.3となっている)%に落ち込み、初めて三分の一を下回った。インターネットだけが前年の14.4%シェアから18.9%へ伸ばしている。メディアシフトがいよいよ鮮明になってきた。
各国で一人当たりのオンライン広告費を見ると、UKの€357(オンライン広告比率18.9%)がダントツだが、スペインは€170(同16.9%)で続いている。それ以外は米国の€407(同12.6%)、日本の€219(同10.1%)だ。

Ofcomはインターネット広告の増大をUK独自の現象だとして、下の比較を行っている。しかし、これを過去のUKのインターネット広告比率から見ると、たとえば独・仏はUKの4.5年遅れ、伊は4年遅れ、日本が3年遅れ、米が1年ちょっと遅れていると見ることもできる。UKの実績、事例が他国企業の参考となるから、今後、このギャップは急速に縮まるだろう。
£28億のうち、「検索広告」は£16億(前年比39%増)は、「ディスプレイ広告」と「その他案内広告」は£6億でそれぞれ29%増、54%増だ。「検索広告」が最大であるのは間違いない。

しかし、オンラインコンテンツに金を払いたくないユーザが多数を占めていることから、オンラインで供給される無料TV番組を支える広告が伸びている。この傾向で行くと、「ディスプレイ広告」が今後、急増してゆくのかもしれない。
Source:Ofcom / Communication Market Report -1 (pdf)
Source:Ofcom / Communication Market Report -2 (pdf)

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

1部・2部あわせて360ページを超えるレポートは圧巻。こんな大作を惜しげもなくフリーで公開するOfcomには畏怖に近いものを感じます。

笠井孝誌 さんのコメント...

ですね。

日本企業や政府も英語ドキュメントをまず公表するくらいのスタンスがあれば...。