今年の5月21日に、ようやくJohn MackeyがBlogを再開したようだ。再開にあたり、「Back to Blogging」として、これまでの経緯を説明している。1997年あるいは1998年にYahooにWhole Foods Marketのコミュニティーがあることを知り、参加し始めた。当時、Whole Foods Marketのことを悪く言うユーザが多く、会社を守るためコメントし始めた。当時は、匿名でコメントするのが一般的であり、それに従っただけだとしている。
そして、以下のように詳述している。
- 文脈ではなく一部だけを切り取って糾弾された
- 自分が備える戦う精神が競合企業に言及しただけで、それ以外の競合企業にも言及していた
- 私には自分の意見を表明する権利がある
- 匿名でYahooコミュニティに競合企業に対してコメントすることは倫理的ではなく、判断の間違いだった
- 大企業のCEOとしての公的立場をわきまえるべきだった
- Oats株価を操作しようとしたとするのは誤った糾弾だ
- Whole Foods Marketの株価を上昇させようとする操作だというのも間違っている
参考:Whole Foods boss rumbled for annonymous posting (Online Ad 2007/07/20)
ま、彼の言い分を公表したということだ。最後に学んだこととして、「現在、個人的、社会的生活が一体化し、公的な立場に立っている。その一挙手一投足は新聞の一面を飾ることがある。それゆえ、私の言動が与える影響に注意しなければならない」としている。
再開後のエントリに対して今のところ49件のコメントがある。当然ながら肯定、否定的な意見がある。どんな言い訳をしても、謝罪したところで明らかになった事実を隠蔽することはできないし、思いもしないところから昔のボロが出てくるかもしれない。また、 モデレートされてはいるが、彼を糾弾するコメントでBlogが炎上する可能性もあったし、糾弾する書き込みコメントを非表示にすることでBlog社会のあちこちで彼を非難する合唱が沸き起こってくる危険性もあった。
しかし、彼はBlogを再開した。
多くの危険性も考慮したうえで、Blogを再開する、あるいは再開せねばならない理由は何だろう?
ここまで詳細に説明するエントリを公開してまでBlogを再開したかった理由は何だろう?
昔、Wal-MartのやらせBlogが暴かれたとき、その黒幕だったEdelmanのCEOは、たった一言、「当初から2人のBlogger のIDを明らかにしていなかったのはこちらの誤りで、クライアント(Wa-Martという名称は出さず)ではなく、100%我々の責任だ。今後は、 WOMMA (Word of Mouth Marketing Association) の透明性ガイドラインを遵守する」とBlogに書いただけだ。
参考:Wal-Mart Enlists Bloggers in P. R. Campaign (Online Ad 2006/10/19)
日本人なら、日本企業なら、EdelmanのCEO的な幕引きしかしないのではないかと思うが、Whole Foods MarketのCEOは、敢えて火中の栗を拾うに等しく、(彼の一方的な説明ではあるが、)詳細情報を公開した上でのBlog再開を選択した。
秤にかけられた数多くの再開するメリットとデメリットのうち、もっとも大きな比重を占めたのは、LenovoのグローバルWebマーケティングのVP、David Churbuckが語っているように「顧客の声を聞く」ことではないだろうか?
参考:YouTube Marketing : Lenovo (Online Ad 2008/08/14)
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