2006/10/18

Mazda seeks movie makers

Yahoo!のCMO、Cammie Dunawayは、第96回ANA年次総会で「私はこれを参加型マーケティングと呼んでいる。消費者に参加してもらい、ブランドとの接点を形作る手助けをしてもらう」と語っている。

そこにマツダが、少なくとも6ヶ月はTV広告なしで行うUGC (User Generated Content) ベースの新キャンペーンを実施するという話をMedia Guardianが伝えている。このコンセプトは、ムービークリップからハリウッドスタイルのミニムービーをつくり、それをオンラインで共有してもらおうというものだ。

ウエスタン、無声映画など4つのジャンルから、マーシャルアート、キアヌリーブのマトリックスばりのキャラクターまで4つの登場人物を選択することができる。これらを選択してユーザ独自の12秒スリラームービーを作っちゃいましょう。できたらお友達にも紹介してね。そしてフィーチャーされているMX-5コンバーチブルも見ちゃいましょう、というサイトになっている。
(詳細は左をクリック)

これは、マツダが主力車種で初めて投入するオンラインキャンペーンだそうで、総予算の5.5%から12.5%へと倍以上に積み増されている。「我々は、25~45歳の男性というターゲットオーディエンスにうまく訴求し、効果計測もでき、最も効果的なオンラインに予算をシフトする」

「12秒スリラー」というキャンペーンWebサイトの名前は、MX-5コンバーチブルがルーフを開閉するのにかかる秒数にかけてあり、マツダによれば世界で最も早い開閉時間だそうだ。

ユーザはこのムービーを友人にEmailしたり、Webサイトへゲストを招待することもできる。また、キャンペーンの認知を高めるため、3つのバイラルフィルムをYouTube、MySpaceといった人気サイトへ埋め込むそうだ。

マツダは近年、デジタル戦略を非常に重視しており、MX-5回りのオンラインコミュニティを開発し、Web2.0スタイルのフィーチャーを追加するためのエディターを雇い入れたところ。

Resource:Media Guardian

Yahoo!のCMOが参加型マーケティングと呼ぶ戦略がここにある。マツダUKのマーケティングディレクター、Mark Cameronが言うように、ターゲットに最適に訴求でき、他メディアとは違い効果測定が可能で、広告効果が高いアプローチを使い、ユーザの自発参加と、オリジナルコンテンツ作成に手を貸して、コミュニティを盛り上げていこうという戦略に、既存メディアを使ったブランドからの一方通行はない。
また、半年間はTV広告を出さないということは、いかにUGCに期待をかけているかを示している。UGCの潜伏期間を考慮したうえで、一気に地方流行と感染爆発を目指しているかのようだ。

参考:Blog and RSS for B2B
参考:Infection, Epidemic and Pandemic

ところで、最近発表されたYahoo!の売上見通しに影を投げかけていたのは、車と金融部門の広告だったわけだが、バナー広告というオフライン的な一方通行の広告手法に限界があるのかもしれない。だからこそのMySpace、YouTube、Facebookだったのだが、どうもYahoo!は煮え切らず、踏み出せていない。最近、52週ぶりの最安値$24を記録したYahoo!株価が持ち直す気配はまだ先か?

最後に、マツダだが、4つごとのジャンルと登場人物の組み合わせで作るミニムービーのコンテンツとしての魅力が、どれだけ自発的な感染を誘発するのかは別の問題。お仕着せではなく、ユーザがより参加、イメージを膨らませることができるかどうかがポイントだ。
また、もうひとつ、作ったミニムービーを友人にEmailで知らせる前に、Disclaimerを読み、承認したということでチェックボックスをクリックしてから送るのだが、このDisclaimerを表示させるリンクが10月17日時点では切れていた。多分、いろいろクレームが届いたのだろう。18日にはちゃんと表示される。

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