消費者調査、メディア報道を紹介する。
資料最後の結論は3回目へ。
<消費者調査>
企業側に加え、米・欧州の消費者それぞれ1,000人を調査した結果がある。セキュリティ問題や対処に関する消費者の関心の高さが、ビジネス環境を変革しつつある。また、米国と欧州で関心の高い項目に大きな違いがある。
当然のごとく消費者の関心が最も高いのは、欧米ともに「製品とサービスの質:が77%、74%だ。
そして、「企業の顧客対応」、「企業の公正さ・倫理観」に続き、「企業が顧客に提供するセキュリティ」が欧米ともに4番目の項目となっている。
米国で33%、欧州で43%もの消費者は、企業と商取引を開始する前に検討する項目の4番目として、「企業が顧客に提供するセキュリティ」を挙げている。
何故なら、自分の個人、財務、医療情報を流出された経験を持つ消費者は:
- 米 16%
- 欧 14%
- 米 60%
- 欧 70%
また、セキュリティの問題や不安からオンライン、電話、ショップでの取引を中止したことがある消費者は;
- 米 43%
- 欧 37%
前回、紹介したようにB2Bの場合、取引先が情報流出や機密漏洩すると49.1%が取引を中止したり、中止を検討するよう働きかけると答えている。消費者の場合、59%が取引を中止したり、中止するよう検討すると答えている。
企業間取引以上に、情報流出・機密漏洩事件に対する消費者の眼は厳しく、アクションを起こす消費者が多いという現実が明らかにされている。
さて、ここで欧米消費者の違いが際立っている、「企業の環境意識」、「企業のCSR」に注目したい。
- 環境に対する企業の意識---- 米 11% 欧 25%
- 企業のCSR取り組み---------- 米 11% 欧 17%
人権、労働、環境、そして腐敗防止の10原則を謳い、国連のアナン事務総長が提唱したGlobal Compactの参加団体・企業の過半数を欧州が占めている。北米は5.1%、米国だけなら159社で世界の6番目だ。しかし、仏の433社、西の362社、メキシコの200社などに比べると見劣りする。
欧州でビジネスを拡大してゆくには、セキュリティ問題は当然ながら、環境とCSR対応を充実させてゆくことが欠かせないようだ。
なお、日本は49社で、インドの127社、中国の73社よりも少なく、18番目だ。
<メディア報道>
消費者の関心や認知は、明らかに情報流出や機密漏洩を報道するニュースによって加速されている。2004年1月から2006年7月にかけて報道された17,000件以上の記事を調査した結果がある。
2004年は毎週、平均すると100件、2005年は200件前後、2006年は200件を越す記事が報道されており、結果として被害者数や金額もうなぎのぼりとなり、企業ブランドの信頼問題が消費者の注目を集めていることは想像に難くない。
また、情報流出を引き起こした企業の報道例を見ると、全ての記事報道の過半数が情報流出・セキュリティ関連記事となっている企業もある。
Bank of Americaは全報道記事の4%が情報流出・セキュリティ関連記事だが、Choice Pointは65%、Cards Systemsは68%、DSW Retail Venturesは53%にも達している。
守るべき顧客データなどを流出・漏洩することによる報道記事は、ネガティブブランディング以外の何物でもなく、ブランド自体、ブランドの信頼も崩壊させてしまう。
Source:CMO Council / Secure the Trust of Your Brand (Exec. Summary) (pdf)
(注:ダウンロードするには氏名、会社名、Emailアドレスなど必要)
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