2006/10/27
Web Accessiblity and CSR
以前、Customer Respect Group Reportで、米地裁が、National Federation of the Blind (NFB) は、米大手小売業者、Targetを相手に集団訴訟を起こすことができるとの判決を出したことを紹介した。
参考:Customer Respect Group Report
そこで、ADA (Americans with Disabilities Act) などの法律は、E-commerceサイトにも適用されるから、視覚障害者がWebへアクセスする際、よく利用するページ(内容の)読み上げソフトウェアを利用できるようにしろという訴えが成立することになった。
しかし、今週、連邦裁判所は、直ちにTargetのWebサイトで読み上げソフトが使えるようにせよという強制命令は発行しなかったようだ。
画像に埋め込まれているコードがあれば、読み上げソフトがそれを探知し、画像内容を読み上げることができる。しかし、TargetのWebサイトにはそのコードがなく、その他にもアクセスできないイメージマップや他の画像機能を載せているので、視覚障害者が利用できない。
コードさえ埋め込めば済むはずの話なのだが、Targetは普通の視覚障害者にはアクセス可能なサイトだというが、APによればBestBuy.comなど他のECサイトはより進んだ対応をしている。
とにかく、なぜTargetが潜在顧客に訴訟を起こさせるまで突っ張っているのか分からない。
Source:Media Post / Just an Online Minute...
これはネガティブマーケティング以外の何物でもない。NPOなどがサイバーアクションを起こし、Targetの重要顧客や、金融機関、地方自治体、コミュニティにEmailを出し、Targetでの不買運動を起こされる可能性さえある。
毎年最大のショッピングシーズンがもうすぐ始まるというのにTargetのWebサイトのリーチは2004年と同様に下降気味、例年ならQ4から上がるべきリーチが今のところ、その気配がない。その上にネガティブなサイバーキャンペーンを発動されたらWebページ改修費以上の影響が出るだろう。
Source:Alexa
今や、消費者は声無き、力なき大衆ではない。コンタクトポイントが分散してはいる。しかし、Diet Coke Mentosの話ではないが、個人的な利益、コミュニティの利益、国や地球の利益に敏感に反応する。
日本でも一昨年、ビールメーカーがペットボトルに入った新ビールを出そうとしていたが、Green Peace Japanがビールメーカー各社に公開質問状を送り、回答を延期したメーカーに対して、「一般消費者の声」を届けるため、サイバーアクションを起こしたこ とがある。その結果、ペットボトルビールの発売は当面見合わせることになった。
ペットボトルビールが抱えた廃棄物問題、エネルギーの非効率利用、そして拡大生産者責任という個人の利益には直結しないと見られる問題でも、多くの人々を動かすことができる。それも当初はマスメディアが報道しないグラスルーツ、ボトムアップの情報発信から始まり、流通、共有、受信、拡散が行われた。
参考:Green Peace Japan
いい製品・サービスを製造、提供していればいいという時代ははるか彼方へ去り、株主、従業員、消費者、金融機関、コミュニティ、政府・自治体などのマルチステークホルダーに企業価値を知らしめていかなければならない時代だ。ブームだったメセナも去り、今、SCM (Supply Chain Management) の全チャネルにおけるCSR (Corporate Social Repsonsibility) がグローバル企業の第一の役割だと考えられている。
以前、米大学のCoca Colaボイコットが英国の大学へも波及してきたことを紹介したが、このボイコットが大学キャンパス内だけに留まると誰が確約できるのだろう?
参考:Coca-Cola hit by College Votes for Ethical Boycott
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