2006/10/25

Blogs in UK、Germany、France and Italy

Wal-Marting Across Americaで物議を醸しているEdelmanとTechnoratiが、10月はじめに英国、独、仏、伊各国の最も影響力のあるトップ10Blogリストを公表している。

  なお、Edelmanが仕掛けたFlogは他にも
  2つあるという話はこちらへ 
  Source:MediaPost

このリストはまず、他のBlogからのリンク数による世界トップ100ランクを出し、その後、独、仏、伊、そして英国のBlogをテーマ、他の国内グループとのネットワークから最も影響力のあるトップ100Blogサイトとしてランク付けされている。米、豪との切り分けが難しいため、英国のリストは手作業だが、その他の国はTechnoratiのデータから機械的に抽出されたようだ。その中のトップ10リストが公表されている。

基本的に世界のBlogではビジネス、政治が中心だが、
  • 個人の日記スタイルのBlogがヨーロッパでは多く、イタリアでは43%、ヨーロッパ全体では30%を占めている。
  • 仏では22%が最新トピック、テクノロジー関連で独は25%、伊は11%を占めている。
  • 米国同様、他のBlogやメインストリームメディアとのリンクが多い。伊と独はメインストリームメディアとのリンクが非常に多いが、仏はリジョナルメディアより、Blog間リンクが29%も多い。
  • 欧州の特定企業、ブランドに関する記事が多いが、米国ほどではない。しかし、車といった製品カテゴリに関する記事は米国と同程度ある。
なお、FTの記事ではLoic Le Meur Blogを英国リストの11位に載せ、仏リストにPlusjamaisseul.netを4位に載せているがこれは誤り。(と、本人自身のBlogで書いている)
Loic Le Meur Blogが仏の1位、Plusjamaisseul.netはランク外ということで、右のリストが正しい。

そこで、これが意味するのは;
  • インフルエンサーへ影響を及ぼすには、ローカルとグローバルの両面からBlogの記事内容を把握する必要がある
  • 各国のBlogはその内容にかなり開きがあり、ローカルのカルチャーや影響を受けている。しかし、海外のメディアやBlogから影響を受けている
  • 欧州でも企業やブランドに関する記事はあるが、米国ほどでもない。しかし、製品カテゴリに関する記事は米国も欧州も同じレベル
  • ブランドはBlog記事、会話に耳を傾け、プログラムを開発することで、参加できる大きなチャンスがある
と、MicropersuasionのSteve Rubel (EdlemanのSVP) が書いている。

Source:Micropersuasion
Source:PR Blogger (UK)
Source:FT

さて、Worldwideのトップ10データを追加、整理してみると、以下のグラフのようになる。まず、仏語Blogへのリンク数が圧倒的に少ない。次にドイツ語とイタリア語だが、トップを除くと若干、ドイツ語Blogのリンク数が多い。これら3国と比べると英国のBlogへのリンク数は、格段に多い。しかし、全世界で比べると、三分の一、あるいは四分の一以下のリンク数となる。全世界でトップ10にランクされるのは、3位のSina.comのBlog、4位のFC2のBlogサービスを除き、すべて米国Blogだ。また、トップ100を見ても80サイト前後が英語、あるいは米国のサイトだ。(WorldwideでのBlogリンク数は、10月24日付けのTechnorati.com/pop/blogs/より)
例えばリンク数最大のEngadgetは、26,766Blogサイトから248,511のリンクが張られている。直接的な比較はできないが、例えば Yahoo!は、91,035サイトからリンクがあり、MSNは23,358サイト、Googleは361,472サイト、MySpaceは65,789 サイト、YouTubeは49,354サイトからリンクを張られている。MSNよりもサイトリンクが多く、かつ、25万弱のリンクを集める Engadgetは、Blogとしてとてつもない巨大なリンクメッシュを構成している(Yahoo!などWebサイトのリンクサイト数は10月24日時点のAlexaによる)。

当然、コンテンツの質と量、テーマ、速報性などから米国Blogサイトへリンクする数が多いのだが、トップ10やトップ100に入る米国Blogサイトには英、豪などの英語圏だけからリンクされているわけではない。Engadgetは米国内からはもちろんだが独Spiegel、中国Baidu、楽天、韓国、スペインなど様々な国、サイトから多くのリンクを獲得している。これは、ITやインターネット、ビジネス、金融関連のニュースや最新情報はそのほとんどが米国発だから当然だ。

日本だけではなく欧州諸国のBlogや既成メディアも、米国メディアやBlogをウォッチしているから、米国トップBlogの影響力は大きい。また、これらBlogをウォッチしているだけのユーザも全世界にいる。そして、これらIT/インターネット関連情報をアップしている英語Blogにアクセスするのは、各国のデジタル・イノベーター、アーリーアダプター達だ。彼らが国内に持ち帰った情報を自身のBlogで発信することで、英語Blogへアクセスしていない国内ユーザにまで露出が広がっていく。

既成メディアのリーチを大幅に超え、浸透するBlogネットワークのソースである米国トップBlog。これを活用するマーケティング戦略構築が必要だ。「Web Marketing + Email」で示したようにIBMの戦略的革新とドライバの時系列パターンの2007年にはViral Communitiesが挙げられている。確実に新しいマーケティング戦略の検討が始まり、実装されつつある。

参考:Web Marketing + Email
参考:Blog and RSS for B2B

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