YouTubeにアップされているJetBlueの謝罪ビデオのコメントに延々と不満をぶちまけているユーザもいた。加えて、2月15日*に「JET BLUE A VALENTINE'S DAY HOSTAGE」というBlogを立ち上げたGenevieve McCawもいた。彼女のBlogを乗客がアクセスし、メディアもアクセスし、謝罪広告、ビデオ、CEOのTV出演以降も大きな露出となったようだ。とうとうJetBlueは対応をエスカレートせざるを得ず、3月2日、CEOのNeelemanと面会をセッティングしたとInsideBayArea.comが伝えている。
面会したことでMcCawが持参した長文の質問事項全てに回答を得たわけではないが、謝罪や返金、往復チケットなどの対応だけではなく、それまでどこの誰かも知らないBloogerとの面会後、CEOがJFKに飛んで乗組員達とオープンなフォーラムを持たせるまでに彼女のBlogが影響したことは確かだ。
ところでMcCawは、Walt Disneyで3年間働き、Blogやネットワークコミュニティを活用し、オンラインでのWOM (Word of Mouth:クチコミ) を広げる専門家だ。
(*注:InsideBayArea.comは2月16日としているが、彼女のBlogエントリは15日となっている)
Source:KOMOTV.com / Toilets, tempers overflow as passengers left stuck on plane for 11 hours
Source:InsideBayArea.com / JetBlue 'hostage' unhappy with CEO
Source:jetbluehostage.blogspot.com
参考:JetBlue: Our Promise to You
YouTubeのビデオのコメントは現在(3月13日)、467件。実数は分からないが、その半分くらいはpunchpixieというユーザがコメントしているのではないかと思える。それほど頻繁にコメントを書き加えている。彼(女)は11時間機内に閉じ込められた被害者だ。Leemanと面会したMcCawと同じ機の乗客なのかもしれない。この2人を比較してみる。
- punchpixie
- 2週間前からYouTubeにコメントを発し続け、
- JetBlue寄りのコメントだと判断した他ユーザにも噛み付き、
- あまりのしつこさに他のユーザから総スカンを食らっている。
- 近頃は、四文字語の連発となり、自分自身を貶めている。
- McCaw
- WOMのプロらしく、2月15日にBlogを開設し、2月だけで163件のエントリ、
- 同じトラブルを経験した乗客、ユーザなどから沢山のアクセス、アドバイスを獲得し、
- ナショナルメディアにも露出した結果、JetBlueを動かし、
- 先週にはJetBlueのCEOと面会するまでの影響力を発揮した。
InsideBayArea.comの記事にEdelmanのRubelは、「過去2~3年の間にパワーは消費者に移っている」とコメントを寄せている。また、彼のBlogでも「このケースはPR、あるいはカスタマーサービスにとって重要なモデル」だし、「ファーストフードレストランに行って、出てきたのが冷めたフライドポテトだったら客は頭に来て、苦情を並べ立てる。そのとき、カウンターにいる店員がa) 苦情を聞き、b) 問題をできる限り解決しようと努力すれば、客の怒りを治められる可能性がある。Bloggerが剣をかざして来た時にも同じことが当てはまる」と書いている。
Source:Micropersuasion /JetBlue CEO Meets with Disgruntled Customer Turned Blogger
パワーは自前のメディアを持つ消費者へシフトしている。その自前メディアをソースとして既成メディアが露出を広げてゆく。企業に対して直接的にメッセージを発信するユーザが存在し、それが大きな露出を獲得してゆくとき、おざなりの対応はできない。ナショナルメディアが取り上げるまで露出が拡大すれば、対応をエスカレートしなけれならない。
ブランドが真摯に、誠実に、そしてオープンに対話しなければ、また時宜を得たエスカレーションがなければ、JetBlueのQ1利益率は修正予想を下回るのは確実だったのではないだろうか。また、その影響はQ1だけとは限らない。
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