2007/03/07

Mindset Shift Required

4年前のAAAA (American Association of Advertising Agencies) 総会でP&GのCMO、Jim Stengelは「技術的革新に対応できない広告業界をCマイナス」と評した。今年の総会では「B」へ改善したが、「このような評価レポート自体、時代遅れ」と切り捨てた。
加えて、「技術革新に追いついていくだけでは成功を推し測ることはできない。なぜなら追いついていくこと自体が不可能だからだ」とした。

「消費者は、信頼に基づき"正直で"、"本物の"関係を切望している」、だから「我々に必要なのはマインドセットの切り替え」であり、「消費者にとり何が重要なのか、どうすれば誠実に消費者と関係できるのか。我々は本当のパートナーシップを構築するにはどうしたらいいかというマインドセットに切り替える必要がある」と述べた。

Source:Ad Week / 4A's: Stengel Calls for 'Mindset Shift'

この「マインドセットを切り替えろ」という話は、昨年のANA総会で、同じP&GのCEO、A. G. Lafleyが述べたように、「P&Gは長い間、消費者がどのように商品を理解し、使用すべき教えてきた」という観点から、「オンラインコミュニティによってコマーシャルが創造されるこのトレンドを認めるべく学習すべきだし、それを歓迎すべきだ」という観点への移行を指している。

参考:Letting Consumers Control Marketing: Priceless

また、「消費者との対話に関与し、参加することは、消費者の信頼を勝ち取ること」であり、「消費者と関与するためには、我々のメッセージは彼らの言葉でなければならない」し、「特に、ブランドは消費者のコミュニティ意識において、正直、誠実でなければならない」と続けるStengelの講演内容は、直に消費者の変化、メディアトレンドを理解し、表層的な対応をするのではなく、コアの変化を理解した上で、もっとも求められている誠実で、平等な対話を、オープンに行うコミュニケーションやマーケティング戦略が見えてくる。

大きければ大きいほどいいとか、多ければ多いほどいいといった製品メッセージは単純明快のように見えるが、果たして消費者にとって誠実なメッセージなのだろうか。消費者が理解する言葉で語られているのか、あるいは消費者の信頼を得ながら、対話が醸成されているのかどうかが問われている。

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