HP Communitiesというサイトがあり、そこに「Print 2.0 Blog」がある。2007年8月20日の「Print 2.0:Unlocking the POWER OF PRINT」というエントリに、QuickTimeのプレゼンがある。これはHPのImaging and Printing GroupのVP、かつCTOであるPatrick Scagliaのプレゼンだ。
実は、2007年5月30日にHPは「Print 2.0」という新しい戦略を発表している。それに関しては和英ともプレスリリースが発表されているが、プレゼン資料ではない。このプレゼン資料は、社内向けともとれる2010年にかけてHPが実行する戦略の元ネタだ。
その元ネタがBlogに公開されていることに驚くし、その中身にも驚かされる。
まず、HPは1995年以前を「Printer」、1995年から2006年までを「Printing」、2006年以降を「Print 2.0」と定義している。「モノ」から「サービス」、そして「サービス」から「(印刷の再定義が必要な)Print 2.0」へ移行すると見ている。
2005年に印刷市場の9%を占めるデジタル印刷は45兆ページに達し、2010年にはシェア10%で54兆ページに達すると推測している。これは2,960億㌦に相当する。2006年にはすでに世界中で1億のWebサイトが存在し、コンテンツ制作や保管は急速にオンラインで行われている。そして印刷されるコンテンツの50%はWebからのものだ。
そこでHPは、製品とコンテンツをリンクできるかと問い、Web時代にあたり印刷の意味を再定義する必要があるとした。それが「Print 2.0」で、これは「デジタルコンテンツから製品を開発」することだという。
デジタルコンテンツには様々な形態がある。しかし、Web用に制作されたコンテンツを、印刷製品用のコンテンツとして利用するためのベストモデルがない。
どうやってここを修正すればいいのかと問い、Tabblo、Snapfishなどエンドユーザ向けのWeb/Blogサイト用印刷ツール提供、写真共有・管理・印刷サービスサイト提供をまず挙げている。
次に、SMB向けのデザインと印刷サービス、続いてオンデマンドの次世代印刷プラットフォームでエンタープライズ市場を狙い、最後に雑誌や新聞の印刷、書籍印刷を40秒でできないのかと自問し、22年間のインクジェット技術をベースにハイエンドの商用印刷にデジタルで切り込むと結んでいる。
Source:HP Communities / Print 2.0 Blog (注:FF3では見られないかもしれないので、IEでどうぞ)
現状把握からビジネスチャンスを探り当て、大きく伸びると期待されるデジタル印刷市場をターゲットとし、また、アナログ市場も視野に入れたHPのIPG戦略がここにある。Tabblo、Snapfishなどを買収し、エンドユーザやWeb/Blog市場のコンテンツ印刷の脇を固め、2007年中盤からHPは3億㌦の予算を組み、「Print 2.0」戦略を具体化した「What do you have to say?」キャンペーンなどを開始している。
それと比べると他のプリンタメーカーの戦略がかすんで見える。
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