- あと何年かすると中国の人口を抜くとも予測されているインド、英語ユー ザが大半を占めるインド、携帯ユーザが爆発しているインド。この国が消費する(英語)コンテンツは膨大になる。そしてのその消費するコンテンツは何もイン ド国内だけではない。英国や米国の英語コンテンツも消費されてゆく。
なぜ、このようなことを書いたかというと、それはcomScore, Inc.が7月2日に開催したシンガポールからの「"The State of the Global Internet with a Focus on Asia"」というWebinarに面白いデータがあったからだ。そのプレゼン資料がcomScore.comのプレゼンテーションギャラリーに上がっているので紹介する。
まず、2010年には15歳以上のインターネットユーザが10億人を越えると予想している。地域別に見るとアジア・パシフィックが42%を占めダントツ、1996年には66%を占めていた米国は2008年4月20%へ落ち、2010年には北米としてまとめても20%にとどまる。
米国のシェアが落ち込んで、アジア・パシフィック、西欧、その他地域のシェアが大きく上昇してくる。すなわち、非英語ユーザが増えるということは、米国のパワー、影響力が低下しそうだが...。
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下に挙げられている米国のトップ25サイトの中で、Verizon、AT&T、Target、BOA、Wal-Martなどローカルサイトを除くと、大半のサイトにアクセスする非USユーザの比率は過半数を占めている。米国、すなわち英語サイトなのだが、世界中からアクセスを獲得している。
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(注:上のエントリでcomScoreのプレスリリースへリンクを張っていたが、プレスリリースそのものが削除されたのでソースは現在存在しない)
さて、2006年9月のデータと、下の今年4月のデータを比べるとGoogleなどのように大きくユーザ数を伸ばしている所もあるが、非USユーザ比率があまり変わっていない。これだけ非US、非英語ユーザ数が増えたにもかかわらず、比率は大体同じだ。
ということは、それだけ非US、非英語ユーザが増えて自国内のサイトコンテンツも充実してきたにもかかわらず、変わらぬことなく、米国の英語サイトへアクセスしているということだ。
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これによると、英語圏を除けば、英語ページを閲覧しているのは少数派だ。だから、「世界中のオーディエンスは自国語でコンテンツを消費する」とタイトルがついている。
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しかし、米・加・英・豪・ニュージーランド・インド・シンガポールなどの英語圏を除いても、マレーシア、香港、日本、中国、台湾、欧州各国、ロシア、南米、南アフリカ、そしてイスラエルでも必ず英語ページの閲覧ユーザがいる。これを英語ネイティブのユーザがアクセスしているだけと片付けられるだろうか?
いやいや、とんでもない。彼ら非英語圏から米国サイトへアクセスしているユーザはアーリーアダプターなのだ。彼らはどこの国、言語のWeb/Blog/SNSサイトであろうと、興味のあるサイト、必要な情報・ニュース・データのあるサイトへはアクセスするのだ。その国で少数派であろうとも、必要な情報、例えば、自国や自社に影響を及ぼす世界の政治、経済、金融、IT、インターネットなどの最新ニュース、情報を探しているのだ。その情報の出所として米国の英語サイトがあるのだ。
最後に紹介したスライドに関しては、こういった理解が正しいと思う。
さて、インドのインターネットユーザが増えると、国内のコンテンツ消費は当然増加する。そして国内発のコンテンツに満足の行かないユーザは海外サイトへアクセスすることになる。
各国の新聞やTV、ポータルやニュースサイトの一面、トップを飾る外国発記事のどれくらいが米国発なのかを考えてみればいい。その国の一般大衆には縁遠いコンテンツであったとして も、その国や企業に及ぼす影響は大きいはずだ。新聞やTV、ポータルやニュースサイトで報道されただけの情報に納得が行かない、もっと詳細情報が必要な場合、あなたならどうするだろ う?米国企業と提携している企業、新しい製品・サービス・ソリューション開発をしている企業、生産拠点を新設しようとしている企業などの担当者、あるいは アーリーアダプターとして様々な情報収集を行っているあなたは、明日の新聞やTVの続報を待つのか、国内のWebサイトが翻訳の続報記事を載せるまで待つのか、それとも米国サイトで詳細情報を収集するのか?
今でも米国サイトのコンテンツを消費しているインドのアーリーアダプターに加えて、アーリーマジョリティが米国コンテンツを消費し始めることになる。これは何もインドに限った話ではない。中国であれ、マレーシアであれ、ブラジルでも、イスラエルでも変わらない。
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