2006/09/28

Web Marketing + Email

IBM Software Group(UK)のWebマーケティングの資料がある。

こ れはEmail Experience Councilから出されているもので、多メディアからのアクセス誘導先であるWebを中心としたマーケティングとその中でEmailが果たす役割を明ら かにし、ユーザセントリックで、簡単明瞭なページデザイン、Emailを6つのタッチポイントの要として位置づけ、Webサイト再構築の結果、Email配達率25%UP、Opt-inでのCTR58%以上UPを達成したという実績を紹介している。

まず改善前のIBM Software GroupのWebページを見ると:
  1. カレントサイトが種々雑多な製品検索、ニュースリンク、販促などで混乱している。
    ページナビゲーションは、沢山のニュースアイテムへのリンクや、イベント、リソースであふれている。
  2. 製品クリックストリームが長すぎる...ユーザは、詳細な製品情報へ行き着くまでに数ページも通らなければならない。
  3. 製品マーケティングページに「Call to action」がない...ゾーン内に「call me」リンクがない。
  4. オンラインサポートは複数オーディエンスに対応していない、といった状況だ。
これを変革した6つのキーポイントを上げている。
  1. Webは簡単明瞭が一番
  2. 統一されたフォーム(デザイン)
  3. 革新が重要
  4. 社内コラボレーション
  5. マーケティングと営業を最初から最後まで統合
  6. アクセスをトラッキングし、報告
そしてIBMは、変革の際、マルチ・タッチという戦術を採用している。
タッ チポイント(Opening)にEmailを採用、そのレスポンスをWebへ受けて関係、Engagementを深め、Webへのレスポンスからe- catalogへ誘導させて育て上げ、フィールドセールスへ有望見込み客として受け渡す。また、EmailおよびWebから直接、電話セールスからの販売 やビジネスパートナーへ見込み客として紹介するフローを紹介している。

なぜなら
  • UKにおける文書化されたコミュニケーションの49%はEmail
  • 40%のEmail登録者は気に入ったEmailプログラムを提供する企業を贔屓にする
  • 90%のユーザは企業とのコンタクトにEmailを使い、企業との付き合い方の価値を判断する
というデータを引いている。

また、戦略的革新とドライバの時系列パターンを挙げている。
  • 1995年から97年までのインターネット立ち上がり時期は、デザインとコンテンツに注力し、ただWebサイトを構築するだけの「Be There」時期。
  • 1999年までの低価格でのユーザサポートとマーケティングを主眼とした「Lower Costs」時期。
  • 2003年までのE-Commerceに目を奪われた売らんかなの「Sell」時期。
  • 2003年以降、ようやくグローバル展開、システムやB2B仕様、各ステークホルダーとの関係を統合する「Integrate」時期。
  • そして2006年はタスク処理、B2B購入、スマートサイトとあわせ、Webシステムを最適化し、購買までの流れの適正化を行う「Optimize & Streamline (revolutionize)」時期としている。
  • また、2006年から07年にかけて「Viral Communities」という雲が浮かんでいる。
    ---------------------------------------------
    IBMにしても、SNS、Web2.0を次の革新・ドライバとして認識してはいるが、その活用実現化にはまだ至っていない。しかし、確実に2007年からはViral Communitiesを活用したWebマーケティングが開始されるのだろう。
他にもWeb改善の5つのルールとか、企業のオンラインプロファイルを向上する5つの方法なども挙げている。また、National Geographicsの例を挙げ、トップページに設定されている簡単明瞭なニュースレターユーザ登録方式を紹介している。加えて、Click Fraud -2でも触れたが、ここでも視線ヒートマッピングを取り上げ、Email内での視線移動によるコンテンツ理解の確認、レポートが必要だとしている。

製品マーケティングだけではなく、グローバルにブランドマーケティングをするマーケターにとって非常に参考になる資料ではないだろうか。

Source:Email Experience Council (pdf)
注:pdfをダウンロードするまえにEmailアドレスの登録が必要

0 件のコメント: