2006/12/28

Power of Internet

OpenNet Initiativeという団体がある。全世界の国家による検閲および監視状況を調査し、国、地方、企業のレベルでの検閲・監視マップを生成し、国家主権、セキュリティ、人権、国際法およびグローバル・ガバナンスに対するそれらのインパクトを研究している。この団体にはHarvard、Toronto、Cambridge、そしてOxford大学の各機関、研究センターなどが母体メンバーとして参加している。

そこから出されているインターネットフィルタリングマップを見るとよく分かるように中国、ベトナム、ビルマ(ミヤンマー)、バーレーン、イラン、サウジアラビア、シリア、チュニジア、ウズベキスタンなどが全面規制され、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、イエメン、韓国などが広範規制されている。残りの国々は名目、間接、監視などの規制が行われている。


中国についてみると、バックボーンレベルからインターネットカフェユーザまで、またWebページ、Blog、オンラインフォーラム、BBS、Emailなど非常に広範で精細な検閲・規制が行われている。規制内容は、ポルノ、宗教関係、政治がらみがある。例えば、天安門事件、台湾やチベット独立問題、法輪功、ダライ・ラマ、野党、非中国共産党運動などがある。


中国の場合、2000年以降、コミュニケーションとしてのメディア特性が注目され、規制が大きく拡大し、少なくとも二桁の政府機関がインターネットに関する規制を実施している。

ISP、ICP (Internet Content Provider)、インターネット契約者、サイバーカフェ利用者ごとの規制を見ると;
  • ISP
    開業、運営に許認可必要。ユーザのアカウント番号、電話番号、IPアドレス、利用したICPなどを記録。コンテンツ自体の保存も必要。
  • ICP
    アクセスとBBSサービスをコントロールする。
  • インターネット契約者
    ISP契約後、30日以内に最寄の警察に届出が必要。
  • サイバーカフェ
    16歳以下は利用禁止。ポルノ、破壊的なコンテンツをブロックするソフトを導入。ユーザおよびアクセス履歴ログを記録、保存。ユーザID提示を求め、最低60日間は保存。
Source:OpenNet Initiative
Source:ONI / Internet Filtering in China 2004-2005 (pdf)

とにかく中国のインターネット規制は非常に厳しい。インターネットユーザは様々な回避策を編み出してはいるが、そのたびにつぶされているようだ。

しかし、この検閲・監視マップを見ると、全面・広範規制国を除く大多数の国がインターネットアクセスに関しては一般国内法に則った国民の自主的判断に任せていることが分かる。BBCやAmnestyをドメイン規制している中国のような国を除けば、少なくとも最新ニュースや情報を世界のトップサイトから入手することができるし、人気の音楽やビデオをダウンロードすることができる。また、世界に対して情報を発信してゆくことができる。

地域や国ごとの特性、需要に合わせてローカル、リジョナルなマーケティングが行われてきた。しかし、この世界マップを見ると、インターネットが世界中をカバーし、ユーザが11億になろうとしている現在、インターネットを活用したグローバルなオンラインブランディングが開く可能性は限りなく大きいと実感する。

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