2006/12/06

Fair Trade

Oxfam Internationalは、1942年に設立されたOxford飢饉救済委員会に起源を持ち、1995年に創設され、現在世界100カ国以上に3,000以上のパートナーを抱える13の独立したNGOが構成する貧困根絶および社会正義を推進する団体だ。

そのOxfamが推進する活動に「Make Trade Fair」がある。今、Webサイトのフロントページを飾っているのは、「Access to Medicine」、「Tell Starbucks」、「AIDS」だ。

2001年の30年来というコーヒー価格の暴落により、作っても、作っても、コーヒー農家の取り分は下がり、世界中で多くの農家が大きなダメージを受けた。発展途上国のコーヒー農家が受け取るのは栽培コストの60%にしか過ぎないと言われている。そのため2001年からOxfamは、世界中のコーヒー栽培農家の売り渡し価格を上げて生活レベルを改善しようとするキャンペーンを実施してきた。

さて、昨年、エチオピア政府は、コーヒーの商標権を元に、年間8,800万㌦の収入増を果たそうと商標登録申請をUSPTO (US Patent and Trademark Office) に行った。ところが、Starbucksが主要メンバーであるNCA (National Coffee Association of USA) が商標登録に異議を唱え、USPTOは申請を却下した事件があった。

そこで、Oxfamは、「Tell Starbucks」というエチオピアのコーヒー農家に公平な取り分を確保しようという活動を開始したわけだ。世界中から8.5万人以上の人々がOxfarmのキャンペーンに賛同し、StarbucksへEmailやFaxを送った。そしてようやくStarbacksのCEO、Jim Donaldとエチオピアの首相Meles Zenawiとの会談が11月29日にもたれたようだ。しかし、エチオピアの商標登録が受理されるまでキャンペーンは続けられるだろう。

下はOxfamの生花、チョコレート、ドルキャンペーンバナーの例。




Oxfamが行う様々な活動に賛同する人々の数は、インド、エチオピア、バングラデシュ、ブルキナファソ、ザンビアなどの発展途上国、そして先進国を合わせて1,780万人を超えている。

Alexaによれば、「Make Trade Fair」へのリンク数は968。Technoratiによれば、Oxfamはランク2,641位、698Blogから2,791個のリンクを受けている。

もはや企業活動は特定国、地域で完結するものではない。グローバル化している企業にとって「Fair Trade」はCSRとも通じ、今後、企業活動の重要な節目になってくるだろう。いかに企業がFairで、社会的な責任も果たしていることを世界へ向かって発信していくことが重要だ。オンライン広告だけではなく、広報・PR面からもインターネットの規模、スピード、インパクトを認識する必要がある。

極論だが、プレスリリースを既成メディアへ発行しているだけ、Emailでのアラート配信もなく、RSSフィード化もされていなければ、10億人のインターネットユーザに届くことはない。流通、共有されるオンラインコンテンツとして配信しなければ、転送してくれるユーザもいない。

下は、米国のSave the Childrenが2006年3月21日(18:37)に発信したHTMLメールだ。写真をふんだんに使い、見やすく、分かりやすい。
また、Emailの最下部には、Webサイトへアクセスして友人にもこの件を伝えてほしいこと。友人からこのEmailを転送されたならぜひ、Save the Childrenにサインアップしてほしいことなどが表示されている。
企業の広報・PRニュースレターにも当然、これらバイラル属性を持ったEmailアラート・ニュース発信が必要だ。参考:Make Trade Fair
参考:Oxfam
参考:DMA (Direct Marketing Association) / E-mail Fundraising for Nonprofit Organizations
(pdf 注:ダウンロードにはユーザ登録必要)
参考:Global Compact and ISO 26000 (CSR)
参考:Why CEOs should learn to love the blog

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