American Press Instituteが主導したNewspaper Next : The Transformation Projectという資料がある。これは新聞業界が目標とすべき新しいビジネスモデルを調査し、発展のチャンス、持続可能な成長、組織改革を提案している。
状況判断として、新聞購読者数は減少の一途、広告売上は弱含みから悪化、インターネットの売上は伸びてはいるがそれを埋めるわけには行かず、利益率は薄くなる一方、投資家からの圧力は強まるばかり。多くにとって長期低落の始まり、あるいはもっと悪い...。
しかし、業界の外を見れば、巨大なチャンスが口を開けている。個人および企業がニュース、情報、そして広告需要に対する新しいソリューションを見つける中、顧客行動は変化している。情報を入手し、情報を発信し、販売し、購買し、コミュニティとの関係を構築、維持し、利便を提供することで成功するビジネスモデルが沸き起こってきている。これら多くが従来からの新聞機能を補完し、新しい価値や利便性および双方向性を追加している。消費者、広告主はこれら新しいソリューションを採用している。
これらソリューションを創造している革新者達は目も眩むような成長を遂げている。新聞社はなぜ同じことができないのか?
新聞の次のソリューションは、できるということだ。しかし、従来思考の延長や、採用してきた戦略や運用しているプロセス上で劇的な改革なしには不可能だ。
ということで、以下の4つのセクションに分けて説明している。
Section 1:状況分析
Section 2:Newspaper Next戦略
Section 3:作戦計画
Section 4:塹壕からの教訓
Section 5:業界内コラボレーション
Source:API (American Press Institute)
Source:Newspaper Next : The Transformation Project (pdf)
最初のセクション、状況分析にあるグラフを見るだけで新聞が抱える大きな問題がわかる。
購読率50%を超えているのは2つのグループ。1932年以前に生まれた人々、すなわち74歳以上と、もうひとつは、1932~1941年生まれ、74~65歳のグループだけだ。
1942~61年生まれ(64~45歳)の2グループは40%強、1962~1981年生まれ(44~25歳)の2グループは22~23%前後にしか過ぎない。
今、25歳以下のグループは、ニュース入手ソースとしてインターネットを活用しているから、新聞であれ、雑誌であれ、紙媒体をより読まないか、まったく読まない層でもある。この層が、今後、新聞がどのような改革を断行したとしても、劇的に購読を始めることは難しいように見える。
Section 2以降に様々な分析と提案がなされているが、昨日の書き込みのようにメディアの変化だけではなく、人々の生活行動にまで影響を及ぼしているインターネットに対して、メディアとしてだけの改革戦略では機能しないだろう。
これは何も米国だけではなく欧州、日本も同様だ。特にフリーペーパーの侵食が止まらない欧州はメディアとしての存続の危機を迎えている。
参考:Free Paper Home Delivered in Europe
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