2006/11/17

TV Ad Dollars to Shift to Online Video by 2010

AAF (American Advertising Federation) が広告業界管理職168人を対象に行った調査によると、地上波およびCATVへの広告予算からかなりの規模で、数年以内にオンラインビデオ広告予算へ振り向けられるという結果が出た。調査対象の33%はTV広告予算の10%~19%の幅でシフトすると予想している。加えて、2007年のオンライン広告費は平均すると前年比42%増と予想されている。

この「2006 AAF Survey of Industry Leaders on Advertising Industry and New Media Trends」を紹介する。

まず、調査対象者だが、
  • 31.7% 広告代理店
  • 15%   媒体社
  • 21.6% その他(コンサルタント、PR、業界団体)
  • 25.7% 学識経験者・研究機関
  • 6%   広告主

  • 34.9% 業界経験25年以上
  • 23.5% 同16-24年
  • 14.5% 同11-15年
  • 12%   同7-10年
  • 15%   同1-6年
前述の10から19%をオンラインへ振り向けるという33.3%とは別に、2010年までにTV関連の広告費から20%以上をオンラインビデオに投下するというのは合計43.1%に達している。このシフトの決定要素として、学識経験者は「ターゲティング能力」、代理店管理職は「オンラインのトラッキング機能によるROIベースのimpression」、そして「どれほどオンラインビデオを流すことができるサイト数があるか」を挙げている。
次にオンライン広告に割り当てる(予定)広告予算の伸びだが、来年は今年の約7ポイント%アップの23.2%程度と答えている。予算シェアアップのドライバとして、業界団体は「オーディエンスシフト」、代理店管理職は「引き合い生成プログラムや検索エンジン」、「他メディアとのROI比」、「iPodがビデオ携帯電話になるといった新製品登場」と答えている。
そこで、他メディアとの予算配分を見ると、オンライン広告が最大限に予算シェアを獲得すると地上波TVの29%に次ぐ24%。最もシェアが少ない場合は地上波・CATVについで11.5%が予想されている。いずれにしてもオンラインがラジオ、雑誌、新聞、屋外広告を上回る規模となることは間違いない。

次に、オンラインとどのメディアを統合させてゆくのがベストか、あるいはどのメディアがトラフィック誘導に最も効果があるかという問いに、地上波TVとの統合がベスト、トラフィック誘導には雑誌との統合が効果的とする結果が出ている。

Source:AAF
Source:PPT ファイル

紹介したデータ以外にも、
  • オンライン広告におけるターゲティングの有効性
  • 最も成功しているオンライン・他メディアとの統合事例トップ5
  • 広告業界の将来
  • 広告業界での人材育成
  • 2005/6年に最も成功したキャンペーントップ5
  • 2005/6年に最も成功したブランド
  • 広告業界のリーダー
などがある。

とにかく米企業が広告予算をオンラインへシフトしていくのは確実だ。バナー広告を出すだけというのではなく、検索エンジン、オンラインビデオ、SNS、Podcast、ビデオゲーム、モバイル、Blogなど多様なオンライン広告メディアに予算を投下してくる。露出が様々なオンラインメディアに蓄積され、波及してゆく。

また、それ以外での露出も予想される。まだ住民が140万人を超えたばかりだが、IBM、Dell、AdidasなどはすでにSecond Life(3次元バーチャルワールド:毎日、土地取引など様々な取引で50万㌦が消費されている。日本語版はまだ準備中)に出先を作り、バーチャルなマーケティング、販売促進を開始している。ReutersもすでにSecond Lifeに支局を開設している。

特にIBMは来年、1,000万㌦を投下する予定だし、すでにバーチャルワールドで20程度のクライアント用の開発を行っている。IBMは今後、バーチャルワールドはインターネットの新しい顔になるという。すでにUKの雑貨チェーンとバーチャルストアを開き、実際の雑貨をオンラインで購入できるよう検討中だ。そのほかにも、Winbledonテニストーナメントのシミュレーションなども開発されている。

Source:MarketingVox

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