2006/11/20

WOMMA : Ethical Blogger Contact Guideline

Blogs becoming advertising force」で触れたWOMMA (Word of Mouth Marketing Association) の「The Ethics 20 Question」もあるが、マーケターがBloggerとコンタクトする際の倫理規定、「10 Principles for Ethical Contact by Marketers」もつい最近アップされている。

  1. 私はいつも正直であり、誤った情報を知りながら提供しません。私は私のためにBloggerをだますよう誰にも頼みません。
  2. Bloggerにコンタクトしたり、Blogにコメントする際、初めから私が誰であり、誰のために仕事をしているかを開示します。
  3. 私はBloggerが設定した規定に反して行動しません。私はメッセージやコメントの書き込みに際してすべてのコミュニティガイドラインを遵守します。
  4. 私は私のためにBloggerにウソをつくよう頼みません。
  5. 私は未成年者、あるいは未成年者が読むと思われるBlogとコンタクトする際は、特に注意を払います。
  6. 私はBloggerの収入にインパクトを与える広告やアフィリエートプログラムを操作しません。
  7. 私はコメントを書き込んだり、情報を配信する自動システムを使いません。
  8. 私はBloggerに報酬を与えることは利害関係がある印象を与えることを理解し、ゆえに、すべての報酬、報奨を開示します。
  9. 私はBloggerへ評価用製品を送付した際、Bloggerは製品に対するコメントを書き込む義務はないことを理解しています。Bloggerは製品を自由裁量で返送することができます。
  10. 送付した製品に対してBloggerが書き込んだ場合、私は率先してBloggerに製品出所を開示するよう依頼します。
Source:WOMMA / Ethical Blogger Contact Guideline

拙い翻訳で恐縮だが、この10ヶ条はパブリックコメント用のドラフトだ。大づかみの指針と言ってもいい。

さて、最近、Blogの信頼性が疑われるような事件が起こっている。言うまでもなく「Wal-Marting Across America」のEdelman/Wal-Martスキャンダルだ。こちらはまったくのやらせBlog(=Flog)だ。
また、それよりも前にYouTubeで人気を博したvlog、Lonelygirl15がある。15歳の少女BreeがアップするビデオBlogに累計1,500万以上の視聴を集めていたが、9月12日、本当は19歳のJessica Lee Roseが台本通りに演じていたフィクションだということが明らかになった。人物の詐称ということになるだろうか。



そして、ようやく遅ればせながら、WOMMAが11月2日にBloggerとのコンタクトを律するための10ヶ条をリリースしたのだが、大枠のガイドラインとして使えというだけに、細部が詰めきれていない、穴だらけのガイドラインだ。

ここに、このガイドラインに難癖をつけてきているDisclosurePolicy.orgという団体(組織?)がある。これはPayPerPostというBloggerに金を払って企業の製品・サービスの書き込みをさせようという企業が10月30日に起こした団体(組織?)だ。

例えば、第8条に関して:これは現金や無償提供のプレスリリースなども含むのか?またBloggerに報奨を与え、クリックさせたり、購入させるコンテンツを書かせるアフィリエートプログラムにもこの条項は反映されるはずだが、LinkShareなどのアフィリエートネットワークや、Amazonなどの特定ブランド指定プログラムなどにも適用されるのか?私(マーケター)が開示するのであり、私がBloggerに要求することはないのか?Bloggerに支払われる報酬を正確に明示するのなら、アフィリエートプログラムに参加するサイトも同様に明示することが適当ではないのか?
など、大枠のガイドラインだという性格をいいことに好き放題のパブリックコメントをWOMMAに出している。

DisclosurePolicy.org自体のBlogのコメントは6件、大半はWOMMAのBloggerコンタクト倫理規定に関するものだ。コメントを閲覧したのは筆者を含めて5人だけ(11月20日時点)。Wal-Mart/Edelmanスキャンダルの後、PPPが力技で立ち上げ、WOMMAのガイドラインを攻撃するため、Blogからパブリックコメントを書き込んだ観が拭えない。

PPPはBusiness Week、TechCrunchなどから批判を浴びているし、著名なBloggerからも糾弾されている。なぜなら、PPPは企業が書いてもらいたい製品・サービスをBloggerに書かせて金を支払うわけだが、記事を書いたBloggerがこのプログラムに参加していることも、記事そのものに金が支払われることも明示するよう指定しないからだ。

参考:iMediaConnection
参考:Wikipedia / Lonelygirl15
参考:Wal-Mart Enlists Bloggers in P. R. Campaign
参考:PayPerPost
参考:DisclosurePolicy.org

Bluestreakの調査によれば、Blogの利用は63%に達している。
また、個人、仕事、両方でどのオンラインメディアをどれくらい利用するかを見ると、Emailは85%に達し、完全に両方で活用されている。アーリーアダプターが個人利用で活用し、その後、ビジネス向けアプリが開発され、ビジネスコンテンツが使えるようになるとオンラインメディアの商用利用が活発となるという形が見える。他のメディアの中ではBlogの個人利用が81%でダントツだ。IBMやHPが社内・外向けBlogを活用していることからもBlogの商用利用がどんどん活性化されてゆくのがわかる。
今後、Blogの影響力が増すことは疑いなく、Blogを活用したマーケティングに魅力を感じるのは中小・零細企業だけではなく、中堅・大企業もいる。ただし、このままPPPの活動が広がってゆくとBlog、Bloggerの信頼性に疑問符がつくことになる。WOMMAが出したマーケターに対する倫理規定ではなく、Blogger自体で透明性を確保する倫理規定が必要になっているのかもしれない。

Source:Bluestream(pdf)
参考:Blogs becoming advertising force

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