2006/11/13

CMO Web-Smart Report by WebTrends

URLフィルタリングのトップベンダー、WebTrendsが「CMO Web-Smart Report」を出している。
2005年の10月から12月にかけて、250人以上のCMO (Chief Marketing Officer) を対象に調査されたものだ。マーケティング戦略にWebがどれほど大きなインパクトを持つか、そしてCMO、およびその他の管理職がどこまでオンラインマーケティングのパフォーマンス測定ができ、どこまでROIの考え方を企業内に浸透させることができるかといった現状を明らかにしている。

CMOやその他マーケティング担当者の現実や目標、希望が見えてくる中で、重要な結果として次の3点を挙げている。
  • Webはハブだ
    56%以上のマーケティング担当管理職は、Webはすでに企業のマーケティング戦略のハブである、あるいは来年そうなると答えている
  • 企業自体がまだ対応できていない
    マーケティング担当管理職は、最新のWebマーケティングトレンド、戦略、技術に関する知識ということになると、自身、あるいは企業自体があまり知らないと判断している
  • マーケティング部そのものがより説明責任を負う
    大半のマーケティング担当管理職は、トレーニングに投資し、社員評価や報奨を行う評価基準を作成することで説明責任を向上させようと予定している
まず、「全体的なマーケティングミックスの中でWebの役割は?」という質問に対しての結果が下のグラフだ。
重要ではないという3.9%は問題外としても、39.5%がWebは戦術チャネルだが、他チャネルよりは重要度は低いと見なしている。そして、すでにハブと答えた31.3%と、これから今後12ヶ月の間にはハブになると答えた25.3%を足した56.8%ものマーケティング担当者がWebの重要性を理解している。
次に、「最新のWebマーケティングトレンド、戦略や技術に関するマーケティング部員の集合的な知識をどう評価するか」という問いに対し、自身や部員がエキスパートだと答えたのは、4%のCMOしかいない。
1から10までの段階評価でマーケティング部員の加重平均点は5.5で、CMOの自己評価の加重平均点は6.3だから、CMOは自分よりは部員をあまり高くは評価していないことになる。企業はマーケティング部員の教育に予算をつぎ込むか、外部から調達するしかないという現状を表わしている。
「Webマーケティングのパフォーマンスを測定する企業の能力」について問われて、「自信を持っている」と回答した15.1%を除く、84%のCMOは、現状を改善の余地があると考えていたり、弱い、あるいは測定能力そのものが存在しないと考えている。
前述したように、56%のCMOは「Webはすでに企業のマーケティングのハブだ、あるいは今後そうなる」と答えている。それなのに、たった15%しか、その重要なマーケティングチャネルの効果を測定できると回答していない。
また、「2006年のマーケティングプランにWebはどのような変化をもたらすか」という問いに、83%のマーケティング担当管理職は、2006年にはもっと予算をつけると答えている。減らすと答えた担当者は一人もいない。
予算を増やしただけ、マーケティング効果をよりよく理解し、最適・最大化することが重要となってくる。
ところで、「Webマーケティングのパフォーマンスを測定するスタッフはどうなっているか」という問いに、複数のスタッフや一人の専任者でパートタイム的にやっていると答えた企業が合計で52%にも達している。15.7%のCMOは、パフォーマンス解析はやっていないとまで答えている!!!!
最後に、「企業内にROIマインドを根付かせ、マーケティングの説明責任を向上させるため2006年に何をしますか?」という問いに、多くのCMOは1)社員のトレーニングに予算をつける、2)社員評価と報奨を行うために評価基準を作成すると答えている。
また、25.5%は部内に解析の専門家を雇うと答え、19.4%は外部に解析を委託すると答えている。
Source:WebTrends / The 2006 CMO Web-Smart Report
(注:pdfをダウンロードする前に、登録必要)

Webマーケティングの重要性は理解され、マーケティング戦略の根幹を成す位置を与えられつつあるが、反面、その効果測定や人員およびそのレベルになると心もとないといった現状が明らかにされている。

WebTrendsは、そこから自社製品への落とし込みを計っている訳だが、最後に調査対象を見て驚かされる。

B2Cの企業は10%しかなく、B2BあるいはB2B/B2Cの企業が86%を構成している。特にB2B専門企業が52%というのは驚くしかない。

展示会・プライベートショー、DM、業界紙誌、客先でのデモなど等、B2B企業のマーケティングの最大目的は引き合い獲得にある。その意味でWebマーケティングが既存のマーケティング戦術と同様、あるいはそれ以上に評価されてきたということだろう。

eMarketerのCEO、Geoff Ramsaseyは、「米国であろうと、欧州であろうとB2B企業を対象としたマーケティングに関する調査結果のいの一番に来るのは、引き合いだ。そしてその次に来るのはブランディングとなっている。この両方をカバーすることができるのがWebだ」と語っている。

欧米B2B企業がWebマーケティングのメリットを認識し、予算を投入しながら効果測定能力の向上とROI精神の浸透を図る中、「うちはB2B企業だから...」という話が日本では聴かれるのだろうか?

次回、典型的なB2B企業のオンラインブランディングを紹介する。

2006/11/10

Hitachi Branding Campaign

Adotasが、Hitachi Americaが最大の北米ブランディングキャンペーン、「Hitachi | True Stories」を開始したと伝えている。
本当の町に住む本当の人々をフィーチャーした5つのショートフィルムをテコに北米での販売を伸ばす目的だ。一般の人々の生活や暮らしの中でどのようにHitachi Brandが携わっているかを示す5つのショートフィルムがオンラインで視聴できるようになっている。それぞれ5分のショートフィルムは、オレゴン州の光ファイバーネットワーク、南カロライナ州のコンピュータ犯罪センター、テキサス州の癌の陽子放射線治療など、いずれもHitachiの「harmony, sincerity and pioneering spirit.」という信条を表わしている。

以前のキャンペーンでは製品、革新、そして技術に的を絞っていたため見落とされがちな点、すなわちHitachiが地域や地元、そして人々の日常生活の一部となっている点を明らかにする「True Stories」シリーズを打ち出した。Hitachiが、先進医療技術、情報通信システム、電力・産業インフラ、そして家電分野で、いかに顧客企業やエンドユーザの生活を支え、つながっているかを示している。

キャンペーンはオンライン、プリント、そして屋外広告で展開される。今のところ、True Storiesシリーズのフィルムは2つが視聴できる。

Source:Adotas

このキャンペーンは米国の主要メディアのオンラインサイトで展開されるだろうが、comScoreのデータによれば米国トップWebサイトには全世界からアクセスがある。
このトップサイトを活用してグローバルなオンラインブランディングが可能だ。もし、日本本社がこれを全世界に向けたオンラインブランディングキャンペーンとして実施した場合、その波及範囲、効果は計り知れないものとなる。

参考:Global Online Marketing and Branding available

2006/11/09

Global Online Marketing and Branding Available

comScoreから待ちに待ったデータが出てきた。
それは米国のトップ25Webサイトの半数以上、14サイトへのトラフィックは米国よりも、それ以外の世界中からのアクセスが多いというデータだ。

comScore EuropeのBog Ivinsは、「過去10年間にオンライン人口の米国比率は65%から25%にまで下がってきた」、「Google、Yahoo!、Microsoftへアクセスする四分の三以上のトラフィックは米国外からのもので、インターネットが本当にグローバルなメディアとなった証拠だ」と語っている。

comScoreは、米国以外からのユニクビジター比率からすると、米国以外のページビュー比率が低いことから、米国ユーザのEngagementがより高いと判断している。
また、例外として2サイトを挙げている。
  • Googleは、非米国ユーザが79.8%のトラフィックを生成しているが、ページビューはそれよりも高い89.1%となっていることで、世界的に沢山の検索が行われている
  • Lycosは、非米国ユーザが39.4%にしかすぎないにもかかわらず、ページビューは73.3%という不釣合いなほどの高率となっている
Bog Ivinsは、「米国以外からの高いビジターやページビュー比率は、国内からのオンライン広告売上に依存しているWeb広告媒体が、堅実な成長の可能性を持つことを意味する」と締め括っている。

(注:Time WarnerにはAOL、CNNなどが、NYTにはNYT、About.comなどが含まれる)

Source:comScore

さて、このデータが意味するのは;
  • 米国・英語のトップサイトは世界からアクセスを獲得する
  • コンテンツが国内向けのサイトは非米国ユーザ比率は低い(Verizon、Weather Channel、AT&T、CBS、United Online、Wal-Mat、Bank of America、Target)
  • コンテンツがグローバルなサイトは非米国ユーザ比率が高い(Yahoo!、MS、Google、eBay、Amazon、Wikipedia、Apple、CNET、Adobe、Monster)
  • 10億を超えるインターネットユーザの70%を占める非英語圏ユーザは、最新情報・ニュース・コンテンツを求めてトップクオリティサイトへアクセスする
ここまではユーザ数がTop25にランクインするWebサイトの話だが、このデータが意味するのはそれだけだろうか?
データの解釈を進めると、これは自国のWebサイトは提供しないが、必要とするクオリティの高いコンテンツを提供する海外(米国・英語)サイトへは世界中のユーザがアクセスするということだ。ということはWebサイトばかりではなく、Blogについても当てはまるということだ。

自国の既成メディアやWebサイトも提供し得ない、最新情報・ニュース・コンテンツを提供する高いクオリティのBlogは数多く存在する。Technoratiで最もリンクされているBlogのトップにEngadgetがある。Engadgetには26,336Blogサイトから251,221個のリンクがある。このリンクをざっと見ても仏・伊・西・露語などが見える。それだけEngadgetにアクセスしている非英語圏ユーザがいるということだ。これはEngadgetに限っただけの話ではない。Gizmodo、Techcrunch、Daily Kos、PostSecret、Gawkerなど、他のクオリティBlogにも同じことが言える。

英語・非英語圏ユーザを問わず、クオリティコンテンツを提供する米国・英語のトップWeb・Blogサイトへアクセスするということは、これらサイトはグローバルなリーチを持つということだ。このようなグローバルアクセスを獲得するWeb・Blogサイトを活用することでグローバルなオンラインブランディング、マーケティングが可能となる。

しかし、ここで考えるべきことがある。それは;
  • これらWeb・Blogサイトが米国のサイトであることから、米国ベースのグローバル企業は意図せず、国内向けマーケティングとグローバルなオンラインブランディング・マーケティングが平行して可能だが、
  • 日本、欧州のグローバル企業は米国子会社が米国での販売・マーケティングを担当するが、事業・販売領域を超えてまでのマーケティングは行わないし、その予算、権限も与えられてはいない。
  • 日本・欧州のグローバル企業本社は、パン媒体を利用したパンヨーロッパ、パンアジアといった地域限定のマーケティング・販促はするが、
  • 事業規模の大きい米国子会社の頭越えとも取られる米国媒体を使ったマーケティングに及び腰だ。
これにより、米国グローバル企業はオンライン露出を累積し、その影響は米国のみならず、海外へも波及し、ブランドを構築していく。
反面、日・欧のグローバル企業は膨大なオンライン露出ギャップを解消することもなく、グローバルなオンラインでのブランディングからも引き離されていく。
  • また、Web・Blogを問わず、米国・英語トップサイトへアクセスする非英語ユーザはデジタルイノベーター、アーリーアダプターといえる。彼らは最新情報・ニュース・コンテンツを国内に持ち込み、国内向けにローカライズする。
  • このローカライズされたコンテンツによって運ばれるブランド情報が非英語圏であっても国内ユーザに浸透、波及してゆくことになる。
  • このことからテリトリを限定したマーケティングはボーダレスのインターネット時代にそぐわない。少なくともグローバルなブランディングでは、逆にデメリットとなる。
このことから今こそ、日・欧のグローバル企業は、本社の戦略マーケティングにオンラインマーケティングを取り入れ、米国・英語トップWeb・Blogサイトを活用したオンラインブランディングを開始すべき時だ。今こそ、本社がイニシャチブを取る時だといえる。

Europe's Politician Embrace Web 2.0

Business Weekにある「ヨーロッパの政治家はWeb 2.0を寵愛する」という記事を紹介する。

Emailや個人のWebページは捨て、ヨーロッパの有権者と関与を深めるには最新のWeb事情に通じなければならない。それは英国の次期政権を狙う保守党党首、David Cameronに訊いてみればわかる。

Flickr、YouTube、MySpaceなどからアイディアを借用し、CameronはビデオBlogを9月30日から開始。初めてのクリップは、朝食後の後片付けをしながら、イギリスの政治をクリーンアップしたいと訴えた。

最近Emailをマスターしたばかりの政治家が、YouTube世代に対して影響力を行使しようとへつらっているとしか見えない。有権者にリーチするうまい作戦か?もちろんそうだ。しかし、Cameronや増え続けるヨーロッパの政治家がようやく有権者が集うWeb 2.0という世界へ足を踏み入れてきたことになり、演説するだけではなく、双方向の公開討論に関与しようとしていると称えられるべきだ。

時期尚早ではあるが、Blog、ビデオBlog、Podcastのようなニューメディアツールが21世紀の演台と同一となり、政治家が若く、Webを良く知る有権者にリーチできることになる。

また、ネットの大きなメリットは、厳しいメディア時間の制限を回避できることだ。BlogやPodcastに時間制限はないし、政治家は無制限にサイバースペースで演説を続けていられる。「政界でBlogやPodcastは既成メディアよりもパワーを持つようになる」と、フランスで一番影響力があるとされるBloggerでSix ApartのヨーロッパのManaging DirectorであるLoic Le Meurが語っている。

他にもフランスの前財務大臣で大統領候補のDominique Strauss-Kahnは2年前からBlogを開始。フランスの内務大臣で大統領候補のNicolas Sarkozyは昨年12月からPodcastを開始、15万人以上の視聴者を集めている。

 参考:Loic Le MeurがNicolas Sarkozyにインタビューした話
 (右をクリック:Bloggerが大統領候補にインタビューする時代だ) 

フランス社会党のLaurent Fabiusは定期的にPodcastをやっており、保守系政党のUMPはフリーBlog、PodcastやBlogトレーニングを党員に提供している。YouTubeのフランス版、Dailymotion(注)にビデオをアップしている政治家の数は増加している。

(注) Dailymotion
フランスに本拠、9月に750万ユニークビジターがアクセスし、10月中旬には一日で100万人のアクセスを達成したビデオ共有サイト。まだまだ小規模だが、今後の成長を注目したいサイト。

「18ヶ月前、オランダの政治家はオンラインを使うのに躊躇していた」と、オランダのトップBloggerであるGuido Van Nispenは語る。11月22日に予定される選挙のおかげで大物政治家はすべからくWeb 2.0的な露出を行っている。オランダ首相Jan Peter BalkenendeはBlog、労働党首Wouter BosはPodcastとBlogを開始、オランダ社会党のJan Marijnissenはもっと先を行っている。Podcast用スタジオを持っているのだ。

しかし、ドイツに眼を転じるとWeb 2.0対応が遅い。昨年の選挙時、政党や政治家はWebサイトやBlogを立ち上げていた。しかし、政治家Blogのポータルサイト、Wahl.deを見ると、ほんの少ししか更新されていないことが分かる。「有権者と関係を深める代わりに、用意されている文書などをBlogなどでリサイクルしているだけなので政治的なインパクトは少ない」と、ドイツを代表するBlogg.deを運営するNico Lummaは語る。

また別のドイツのBlogエキスパートであるNicole Simonは、「文化的にいってWeb2.0への敷居が高い。ドイツの人はPodcastを聴くのはいいが、インタラクティブなBlogは好かない」という。

最後にBlogやPodcastにはユーザとの間ですれ違いや落とし穴のあることも指摘し、「まだ始まったばかりだ」とBusiness Weekは結んでいる。

Source:Business Week / Europe's Politician Embrace Web 2.0

どこの国でも新しいものが出てくると、伝統に縛られて一番対応が遅いのが政治や、政治家だろう。しかし、こと選挙になればそんなことは言ってもいられない。政治への無関心層、若年有権者、浮動票層にリーチするためなら新しいものを率先して取り入れることになる。

そこまで政治家の心理を切り替えさせたのは、ブロードバンド、SNS、BlogやPodcastが既成メディアの地位を脅かし、インターネットが一般市民の主要メディアになりつつあるという現実だ。

また、この新しいメディアが取り上げるのは国内ニュース、イベントだけではない。非英語Blogであろうと取り上げるテーマに米国、英語の影響が隠せないし、世界の注目ニュースを取り上げている。
例えば、TechnoratiとEdelmanが調査し、発表した各国で最も影響力のあるBlogの中で;
  • ドイツのBlog2位となっているSpreeBlickは、YouTubeに10月27日にアップされている米CBSが放映したM. J. Foxのインタビュー番組を11月1日にアップ。
  • 仏のBlog2位になっているPointblogは、Googleが10月31日に公式Blogで発表したJotSpotの買収を同日掲載。
  • イタリアのBlog1位のBlog di Beppe Grilloは、Al Goreがプロデュースし、注目を集め、11月21日に英語版がリリース予定の映画「Inconvenient Truth」を10月31日に紹介。
  • イギリスのBlog4位のTech Digestは、11月1日に日本で発表された世界一軽量のLaptop PCを11月2日に紹介。
参考:Blogs in UK、Germany、France and Italy

非英語圏のBlogであろうと世界の最新情報、ニュースを提供してゆくには英語、米国発のニュースは欠かせない。デジタルイノベーターを自認するBloggerであればあるほど、世界中から英語のニュース、米国のニュースを国内にフィードしている。各国のBlogユーザは英語が理解できなくても、既成メディアが取り上げないようなニッチな情報であっても、最新の情報を手にすることができる。これは何もITやインターネットに関係する事柄ばかりではない。広告、マーケティング、金融やファイナンス、スポーツや音楽、映画にビデオと、必要とされる最新情報であれば非英語圏ユーザの手元に届くことを意味する。インターネットがグローバルなコミュニケーションチャネルとして機能している。

これを活用するオンラインブランディングが求められている。

なお、Business Weekの記事で「フランスの前財務大臣で大統領候補のDominique Strauss-KahnのBlogが、イタリアのBlogであるBeppo Grilloに次いでヨーロッパで2番目に人気のあるBlogとなっている」と書いているのはいただけない。

人気のあるBlogをどんな指標で計っているのか不明だが、上のリンクで示したTechnoratiとEdelmanの調査によると、英国のGapingVoidがリンク数、Blogテーマ、他の国内グループとのネットワークから最も影響力のあるヨーロッパのトップ100Blogサイトとして選ばれており、そのリンク数はヨーロッパ随一だ。コメディアンから政治Bloggerへ変身したイタリアのBeppo Grilloが二番目というのは分かるが、Dominique Strauss-KahnのBlogはフランスの上位10サイトにも入っていない。

2006/11/08

European Online Ad Format and Reconnect Europe

EIAA (European Interactive Advertising Association) がヨーロッパにおけるオンライン広告のフォーマットを調査し、加えて今年はじめにOrange から出されたReconnect Europeという調査データも参照したEuropean Ad Formatレポートを出している。

EIAA加盟メンバー
2006年1月から6月までにEIAA加盟各メンバーサイトに掲出された1,500億impressionを収集したものだ。加盟メンバーは以下の通り。
  • AD Europe (Orange、United Internet Media、Libero)
  • AdLINK Internet Media AG
  • AOL Europe
  • MSN International
  • Tiscali
  • Yahoo! Europe
  • LYCOS Europe
調査対象となった国とオンライン広告フォーマット
comScoreによると、ヨーロッパ15カ国におけるEIAA加盟各メンバーサイト合計で毎月1.5億の重複していないユニークユーザを抱えている。これはアクティブなヨーロッパのオンラインオーディエンスの95%にあたる。

全10カ国ですべての広告フォーマットが利用されている。その国ごとのシェアは以下の通り。
インパクトとクリエイティブスペースからSuper Bannerと、Medium Rectangle - MPUがクライアントの人気を集めている。MPUの人気はストリーミングビデオによるところが大きい。Traditional Bannerの利用が全10カ国で減少するのとは対照的に、MPUは前年比100%増となっている。
  • UK、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、オランダ、ベルギー、デンマーク、ノルウェー、スウェーデン

  • 468 x 60   Traditional Banner
  • 120 x 600  Skyscraper
  • 160 x 600  Wide Skyscraper
  • 180 x 150   Rectangle
  • 300 x 250  Medium Rectangle - MPU (Messagin Plus Units)
  • 728 x 90   UAP Super Banner
国ごとの差
  • Supper Bannerはイタリア、デンマークで最も使われている
  • Medium Rectangle - MPUはフランス、イギリスで最も受け入れられている
  • Wide Skyscraperは他ヨーロッパ諸国と比べ、ベルギーでより受け入れられている
  • Traditional Bannerはイギリス、フランスで最も人気がある
さて、Orangeによる「Reconnect Europe」の調査では、オンライン広告のフォーマットによって国ごとに違ったレスポンスがあることが明らかにされている。(Orange自体、EIAAのメンバー)
  • UK
    一般に、MPUビデオ、Skyscraper、インタラクティブバナーなどフラッシュやインタラクティブな広告が受け入れられると見なされている。EIAAの調査によると、UKの消費者は、メディア操作に関しては最も進んでおり、UKでのオンライン広告がインタラクティブで、クリエイティブ性が高いことを反映している。
  • イタリア
    ノンリッチ、リッチメディアの別はなく、Skyscraper、Medium Rectangle - MPU、Super Bannerなど大きなフォーマットがより受け入れられている。これらが最もインパクトが高いとしている。
  • スペイン
    フラッシュ、ビデオなどのフォーマットに高い得点を与え、ジャマになるものではないとしている。全10カ国中、スペインはほとんどのオンライン広告フォーマットに最も高い得点を与えている。
  • フランス
    広告が非常に規制されているため、オンライン広告フォーマットに対して保守的な見方が反映されている。中位のインパクトと、あまりジャマにならないという受け止め方により、狭い範囲での低い受け入れ度という結果となっている。しかし、Overlayを含み、全オンライン広告フォーマットが受け入れられるとされている。
  • ドイツ
    埋め込み(Embedded)広告(記事や他コンテンツの上に現れない広告)が最も高い得点を挙げた。Skyscraper、Banner、Medium Rectangle - MPUのビデオが次に高い得点を上げている。

    ---が、調査対象国中、オランダに次ぎドイツはオンライン広告をジャマなものとして認識している。受け入れているスコアも高いだけに、ユーザの視線を遮るOverlayやInterstitialが多く使われているため、否定的な意見が多いのかもしれない。
  • オランダ
    オンライン広告フォーマットは、少なければ構わないし、小さければもっと良いと判断している。Banner、スポンサーシップやSkyscraperに最も高い得点が集まっている。ドイツと同様に、ユーザスペースに侵入してくる広告、そしてページスペースの多くを占めるフォーマットを最もジャマになるものと判断している。太字やフラッシュフォーマットは受け入れられないと見なされる。

    ---調査対象国中、最も受け入れられない度数が高い国となっており、ドイツとあわせてオンライン広告のフォーマットに注意を払う必要がある。
広告フォーマットの変化
オンライン広告のフォーマットごとのボリュームを2004年と2006年で比べてみる。2004年時点では、Traditional Bannerが56.3%を占め、圧倒的な人気だったわけだが、2006年になるとSuper BannerとMedium Rectangle - MPUが最も利用されているフォーマットに入れ替わっている。
ブロードバンド普及とリッチメディア
ヨーロッパでのBB (Broadband) の普及はEUのICT政策やユーザの人気により、オンライン広告に拍車をかけている。クライアントの88%は、BB普及率の上昇によりインターネットをブランディングメディアとして活用することができるようになってきたと考えている。BB普及により、クライアントとユーザ間により密な関係性、関与を構築することから、日常のオンライン広告から直接的な影響を及ぼすことになる。

フォーマットに関し、BBは特にMedium Rectangle - MPUの伸びに大きく影響している。リッチメディアがビデオ、オーディオ、アニメ、データ取得機能、そしてその他インタラクティブ機能などを組み込むことでWebのディスプレー広告の可能性を高め、クライアントの人気をより高めている。リッチメディアキャンペーンは前年比57%増、そのボリュームは前年比100%増となっている。

Source:EIAA / Ad Format (pdf)
Source:Orange / Reconnect Europe

BB普及率が上がり、様々なリッチメディアが取り入れられ、オンライン広告の可能性は大きくなるばかり。日常生活におけるコアメディアとしての位置を活用したオンラインブランディングが一層、可能性を持ってきた。

2006/11/07

4 Ways To Integrate Online With Print -2

iMediaConnectionにMike Wokosinが書いている「4 Ways To Integrate Online With Print」 その2。
(なお、彼個人へ直接のコンタクト、Webサ イトは末尾を参照のこと)

3:意味のあるものにする
広告として、贅沢品であろうと、注意深く選ばれたタグラインであろうと、マーケターとクリエイティブディレクターは、読者=消費者が記載されるURLで何をすべきか、そしてアクセスするに見合う期待をどのように生成するかを検討すべきだ。今日の多くの広告は、URLを法律で決められたものでもあるかのように取り扱っているだけだ。

コンテキスト(聴衆、購入プロセス、メッセージとキャンペーン)を検討すべきだ。
  1. オンライン広告の目的は製品をオンラインで販売することか?ならば、オンラインでアクセスし、購入する努力に見合う価値を読者に提供すること
  2. 販売する製品・サービスは複雑な購入意思決定プロセスを必要とする消費者関与の高いものか?ならば、オンラインの初心者向けガイド、あるいはダウンロードできる決定チェックリストがあることを明示すること
  3. 購入にはオフおよびオンラインでのリサーチが必要か?ならば、ダウンロードできる製品カタログを用意すること
  4. 消費者はカジュアルなゲームデモグラフィックなのか?ならば、オンラインゲームを提供すること
消費者・ユーザは解決したい問題を抱えているわけで、ブランドがソリューションだ。彼らの購入意思決定プロセスをガイドすることだ。

HunterDouglasはプレミアムブラインドメーカーで、購入にあたり消費者は床の色、家具、壁紙などとの釣り合いを考える必要がある。消費者ごとにあつらえる製品で、複雑な購入プロセスを必要とする。HunderDouglasは、消費者を自社Webへ呼び込み、カタログをダウンロードさせることで、このプロセスを単純化している。これにより、自社の作業量や大量のDMコストを下げ、消費者の製品を調査する時間を省いてメリットを与えている。
下の出版社Pengiun Booksの場合、メインURLのみを広告に記載している。Penguim.comしか明示されていないことから、このURLへ行った場合、出版社のアニュアルレポートをダウンロードする公式Webか、あるいはWal-Mart Effectがホームページに大きく取り上げられていると読者は想像する。
しかし、筆者がPenguin.comへアクセスしたところ、そこはPenguinの一般的なECサイトだった。これでは書籍販売の機会を失ったことになる。Pengiun.com/Wal-MartEffectといったURLで該当する書籍のページに直接アクセスさせることが重要だ。

4:ブランドストーリーをサポートする
オフラインとオンラインのクリエイティブを同期させ、プリント広告に複数のURLを記載することで、認知と想起を増幅する効果をもたらすことができる。

Cliniqueのプリント広告と、オンライン広告のデスティネーションは統合キャンペーンの一部となっている。「Get Your Happy」キャンペーンはプリント広告のヘッドラインであり、かつURLともなっている。Webのチャネルパートナーに行動を呼びかける広告と、協力をサポートする「Happy Quiz」という音楽とゲームがあるWebサイトのテーマともなっている。
さて、Land Roverには、ビジュアルとトーンの統合、およびプリントとオンラインで直接的なイメージの繰り返しがある。しかし、プリントには読者が直接飛んでいける製品のランディングページのURLが記載されていない。また、プリント広告に使われたホームページのURLは、読者がどうしてここに来たのか考えさせてしまうことになり、知りたい製品のページへ行くためにはもうひと手間かけさせることになる。プリント広告に記載されるURLが決定的な要素ではない。しかし、ブランドと消費者がこれからたどる長く、様々なやり取りを必要とする購入決定までの旅の出発点であることは確かだ。

プリントとオンラインの統合を行うには、パートナーも考慮すべきだ。パートナーとは小売、キャンペーン、有名タレントで、ブランドイメージ、物流、販売・売上をサポートする関係を構築するものだ。パートナーがWebサイトやEmailニュースレターが相互に関係するドアを開けることになる。

TVとオンラインの統合のように、代理店がパートナーと話し合い、メディアプランや提出物のスケジュール観点からそれぞれのニーズを理解していることを確認すべきだ。代理店の目的は、企業およびブランドをクリエイティブなアイディアによってどのようにメディアを統合するかをサポートすることだ。その意味で、代理店をサポートすることも重要だ。

Source:iMediaConnection
Original Author:Mike Wokosin (www.cannery.com)

2006/11/06

4 Ways To Integrate Online With Print -1

iMediaConnectionに「4 Ways To Integrate Online With Print」を書いているMike Wokosinが快く承諾してくれたので、プリントとオンラインの統合方法を2回に分けて紹介する。(なお、彼個人へ直接のコンタクト、Webサイトは末尾を参照のこと)

コンシューマー・ビジネス紙誌の影響力が5年以内に下降するだろうと予想される中、読者とのEngagementとオンラインの統合を進めることが重要だ。プリント広告が減少する中、マーケターと広告代理店は、消費者とブランドの関係をサポートする意味のある橋渡しを含むクリエイティブを開発することでメッセージのインパクトを改善することができる。

消費者との関与の高い、低いブランドの双方ともに、インターネットでの露出が直接あるいは紹介購入を通じた競争、新製品開発、企業買収、企業の地位保持および売上増加など多くの戦略を支援することができる。

ファッション、ビジネス、エンタテイメント、ライフスタイル、eBusiness、若者向け雑誌など400以上のプリント広告を見ると平均して75%にURLが記載されている。若者向け雑誌に一番記載があり、ファッション誌が最も少ない。

1:URL
プリントメディアにURLを記載するのはTVと同様に基本中の基本。ただし、70%のプリント広告にURLが記載されているとしても、その実施例はばらついている。

プリント広告へのオンライン統合が非常にうまくされている例として、都会居住の男性にフォーカスしたVIBE、Dubは90%がURLを記載している。しかし、ファッション系は20-30%に止まる。
  • GMの例:はっきりとした統合
    ボディテキスト内とページ右下にURLを配置し、プリントとオンラインの明確な統合を行っている。
  • Dellの例:
    直販業界のトップとしてDellの場合、読者に行動を呼びかける力を持ったECタイプのWebサイトを持った典型的なブランドだ。URL内にヒーローとしてのブランド名があり、フォントサイズは最大で、ゲーム用という特定目的のPC購入を検討している消費者の心理の最先端にDellを位置づけている。
  • 避けるべき点:
    1. 気づかれにくい、読みにくいフォント・タイプ
    2. URLを雑誌の折り目の真ん中、ページ中心にすえる
    3. 広告自体の背景色に非常に近いURLのフォント色

2:効果測定
クリエイティブとプレイスメントの両方の効果をモニターすることで広告費を最適化するメリットが効果測定だ。評価する面でのプレイスメントコンポーネントは、プリント媒体属性を拡張子としてURLにタグづけする簡単なことで実行できる。
E*TRADEは、1-800番に続けて雑誌拡張子をつけたURL、etrade.com/FastCompanyを表示している。

上のURLから読者との会話を続けられる下のページに導かれる。

Source:iMediaConnection
Original Author:Mike Wokosin (www.cannery.com)

URLに加える拡張子の他にマイクロサイトを活用することも選択肢のひとつだ。企業公式Webサイトは様々な制約があり、特定製品向けキャンペーンの特色を大きく打ち出すことができないケースが多い。そんな際、マイクロサイトが威力を発揮する。スピーディーな構築、コンテンツ修正、変更が可能で、検索エンジン最適化が容易、キャンペーン用コミュニティ創造も容易だ。

2006/11/03

Compete.com for Search and Snapshot

以前から面白いデータ、使えるデータを提供してくれていたCompeteが、11月1日からサービスを一般に公開した。

実際のところは先週から静かに公開し、コミュニティからのフィードバックを受けていたようだ。詳細(右をクリック)は3分弱のフラッシュに譲るが、アクセス測定ツールとしてのポイントを紹介する。

初めての無償のWeb測定ツールだということで、
  • comScoreよりも大きく
  • Hitwiseより正確で
  • Alexaよりも広範で
  • タダです
と、競合との比較を入れて次にその詳細を明らかにしている。
  • Compte
    1. 毎月のアクティブサンプルが200万以上
    2. 中心が米国
    3. データソースはツールバーだけではなく、オプトインパネル、ISPやASP
  • Alexa
    1. 毎月のアクティブサンプルが100万
    2. 中心は米国と全世界
    3. データソースはツールバーだけ
  • Hitwise
    1. 毎月のアクティブソース不明
    2. 中心は米国
    3. データソースはISPのみ
なお、Alexaでは1997年にツールバーをリリースし、これまでに1,000万以上のダウンロード実績があると謳っている。すでに様々な調査、データにAlexaが使われている実績がある。
しかし、アクティブソース数は公表していない。

参考:Alexa

実は、インターネットアクセス計測ツールとしての追加や予定機能を説明する部分とは別に、Competeとは何かという説明を行っている。

まず現状として、インターネットは人々が対応できるスピード以上に拡大しており、何があるか分からないWebサイトに疑心をいだいてアクセスできない。そこでCompeteのスナップショットを使えばサイトにアクセスする前に、信頼できるかどうか、時系列のアクセスユーザ数、ランク、ページ/ビジット、平均滞留時間などを表示してくれる。

また検索エンジンは利口だが、もし200万人以上のユーザの経験を生かして検索結果からを最適のリンクを選ぶことができればもっと使いやすくなる。
だからCompeteはYahoo!と提携し、検索を実行し、200万人以上の経験知で強化した。最も人気の語句を特定し、コミュニティでの検索後の関係を解析、コミュニティのユーザに対して最も適している結果を生成する。
ここでも検索結果に対してどのサイトが安全で、どのサイトが最も人気があり、安売りクーポンあるのかどうか、ユーザが理解しやすいスナップショットを提供する。ユーザは、検索結果をクリックする前に、内容を知ることができる。加えて、ツールバー利用ユーザがアクセスするすべてのサイトに関する信頼度、プロファイルなどをリアルタイムで知らせてくれる。

2006年上期、世界で15.7万のフィッシングメッセージが出され、前年比81%だ。ツールバーを利用していればアクセス履歴から、既存のセキュリティをスキップしたり、迂回するフィッシングサイトを簡単に探知することができる。

2006年、米国民は950億㌦をオンラインで消費するが、1%以下しかクーポンコードを使っていない。Competeツールバーは、リアルタイムでクーポンコードの有無を表示してくれる。

「The Search」の著者、John Battelle曰く、「我々のクリックストリームは膨大なインターネットサイトや個人のマシーンに散らばっていて、集められることも、カテゴリ化されることもなく、口がきけない(知恵として役立てられていない)」。

「Not anymore」とFlashは結んでいる。

Source:Compete.com - The internet revealed!

ということで、「Competeは個人的な検索行為を、セキュリティやサイトのランク付けへ発展させ、膨大な検索結果から最適の解を求めるため、コミュニティの集合知を活かした検索エンジンです」ということになる。Googleのように検索回数、リンク数などのアルゴリズムだけでは取得できない、人間の認知、サイト判定などによる検索結果のクオリティとセキュリティが売りとなる。そしてクーポンコード表示によるB2C(あるいはB2Bも)サイトの取り込みがビジネスモデルとしての脇を固めている。

一人勝ちの勢力図がひょっとしたら少しは変わってくるかもしれない予感を感じさせる検索エンジンの登場だ。ただし、改善の余地は多そうだ。スナップショットはちらつくし、米国中心というだけあってダブルバイトは文字化けするし、スナップショットのサイト評価は米国以外は無視したほうが無難だ。

なお、Alexa、TechnoratiやGoogle Trendsに加え、Competeが使えるようになるとグローバルなブランディングの基礎資料をたやすく作れるようになる。

他にもNetcraftがある。Webサーバーやアプリの統計だけではなく、ここもツールバーユーザの統計データを公表している。WebサイトごとのアクセスランクやMost Visited SiteとしてTop100サイトを見ることができる。ただし、Alexaはツールバーのダウンロード数を1,000万以上と公表しているが、ここは以前問い合わせたが「公表しない」との回答だった。Netcraftのユーザはエンジニア系が多いと思われるのでバイアスのかかったデータとはなるだろうが、信憑性のあるデータだという裏づけが欲しい。

参考:Netcraft / Most Visited Web Sites

2006/11/02

Internet in Russia

Romir Monitoringというロシアのリサーチ会社が、四半期ごとにインターネットを使った行動と人気のあるWebサイトのデータを出している。ロシアのデータは珍しいので紹介する。

2006年Q2の調査は、12歳以上の2,641人を対象に行われている。
過去の四半期のデータと比較しても大きな差はなく、検索(85%)、ファイルダウンロード(75%)、ショートメッセージ(56%)が主な行動となっている。眼を惹くのは26%が利用したオンラインショッピング、そしてBlogとVoIPプログラムだ。

性別で異なる行動パターンとして以下の4カテゴリがあるが、注目されるのはBlogだ。女性のほうが男性よりも利用している。
  • ファイルダウンロード 男性 78% 女性 70%
  • 金融取引        男性 16% 女性 8%
  • ネットワークゲーム  男性 13% 女性 7%
  • Blog           男性 9%  女性 14%
年代で異なるパターンとしては
  • 35歳以上       情報検索が多い
  • 14-24歳        ファイルダウンロード、ゲーム、Blog、チャット、ニュースグループが多い
  • 35-44歳        金融取引、オンラインショッピングが多い

次にどのようなカテゴリサイトへアクセスしているかを見ると:


過去4四半期にわたり34%から39%にまで上昇したオンラインショッピングサイトへのアクセスが注目される。逆に41%から36%にまで下落したPC/ソフトウェアサイトへのアクセスは、ある程度、ユーザに行き渡ったことを物語っている。

毎日アクセスするDaily Audienceは、幅広いカテゴリサイト、検索エンジン、ニュース、メール、そして医薬および劇場に特化したサイトへアクセスしている。毎日ほどではなく週に何回かアクセスするWeekly Audienceの場合、Daily Audienceとは違い、ニュース、コンピュータ、ソフトウェア、音楽、映画そしてビジネスサイトへアクセスしている。彼らはフォーラムやオンラインショッピングサイトへはあまりアクセスしていない。

性別で異なる行動パターンとして、男性は女性より若干、ニュース、コンピュータ、ソフトウェア、ビジネス、金融、スポーツ、ゲームへアクセスしている。反面、女性はよりメール、教育、文学、劇場、医薬そして旅行サイトへアクセスしている。

年代で異なるパターンとしては以下のアクセスが多い。
  • 25歳以上       ニュース、ビジネス、金融サイトへアクセス
  • 35-44歳        旅行関連サイトへアクセス
  • 45歳以上       科学、医薬サイトへアクセス
  • 12-24歳        音楽、教育、映画、ゲーム
  • 18-24歳        チャット、コンファレンス、フォーラム
Source:Romir Monitoring

この他にもいろいろと使えそうなデータがある。

2006/11/01

Google News Report

Google News ReportというBlogがある。

米、英、豪、独、仏など世界11カ国のGoogle Newsに引用されたニュースソースの見出しだけを抽出し、スコアに応じたランキングを公表している。スコアは、ニュースが掲出された日時、掲出場所、掲出回数、その他すべてを換算して算出されている。(カナダは英、仏語の両方で算出)

ランキングには以下のものがある。
  • 過去8時間での記事ランキング(見出し、ソース、掲出累計時間、スコア、掲出日時)
  • 今日の記事ランキング(同)
  • 昨日の記事ランキング(同)
  • 今週の記事ランキング(同)
  • 先週の記事ランキング(同)
  • 今月の記事ランキング(同)
  • 先月の記事ランキング(同)
  • 今年の記事ランキング(同)
  • 今月の記事ソースランキング(スコア、平均スコア、記事本数)
  • 今年の記事ソースランキング(スコア、平均スコア、記事本数)
  • 今月初めてランクインしたソースランキング(スコア、記事本数)
例えば、Google News USAが引用する今年の記事ソースランキングの場合(10月30日までの累計)、トップ3は:
  1. Reutersが引用記事数13,484本、平均スコア3.54、合計47,769.42
  2. Forbesは10,004本、平均スコア4.48で、合計44,882.61
  3. NYTimesは8,296本、平均スコア5.15で、合計42,756.22
その他にも上位25位には、ABC News、Washington Post、Bloombergなどがランクインしている。しかし、最も記事の平均スコアが高いのはCNNの5.86だが、如何せん、引用された記事本数が2,256本しかないため、合計13,225.16の23位に甘んじている。

この上位25ソース中に、米国以外のニュースサイトとしてランクインしているのは、BBC News、Guardian Unlimited、Reuters.uk、Times Online、IHTだ。
また、全ソース約2,240にはAljazeera、China Daily、Spiegel、Japan Times、Minichi Daily、Yomiuri、Asahiなどの既成メディアに加え、Gizomodo、EngadgetなどのBlogもランキングは低いながら引用されている。

次に、Google News UKが引用する今年の記事ソースランキングの場合(10月31日までの累計)、トップ3は:
  1. BBCが引用記事本数14,217本、平均スコア5.63、合計80,085.94
  2. Guardian Unlimitedが13,680本、平均スコア5.20、合計71,224.01
  3. Reuters.ukが13,757本、平均スコア4.52、合計62,298.22
その他にも上位25位には、Times Online、Telegraph、Independentなどが入っている。平均スコアが最も高いのはIndependentだが、引用記事本数が5,766本で、8位となっている。
この中に、英国以外のニュースサイトとしてランクインしているのは、Forbes、Bloomberg、NYTimes、ABC News、Washington Postなど10サイトほどに上っている。

その他、豪、ニュージーランド、インドのランキングにも英米の著名新聞、TVがニュースソースとして上位25位にランクインしている。

また非英語圏の独ではReuters Deutschlandが4位、仏ではReuters.frが8位、伊ではReuters Italiaが2位となっている。

Source:Google News Reports

まず基本的に既成メディアの序列順に引用されているが、例外はGuardian Unlimitedだろう。英高級紙の中でも発行部数が少ないながら、オンラインでは英国でも、米国でも他高級紙を押さえてランキング上位に顔を出している。高く評価されている同紙のデジタル化戦略と、取り組みの早さが奏功している。

参考:The Net Benefit of Digital Publishing

英米ではそれぞれの国の主要新聞が相互露出し、その他英語圏でも英米の主要ニュースメディアが露出、そして非英語圏でのReutersの大半が英語ニュースソースとするとその露出もある。これに非英語圏ユーザが直接、英語ニュースサイトへアクセスすることを考慮すれば、英語のグローバルな影響力が分かる。

英語を使ったオンラインでのグローバルなブランディングが可能だ。英語での情報発信、既成メディアでの報道、SNS・Blogでのコンテンツ共有、拡大・拡散からViral Marketingの可能性が開けている。

2006/10/31

OPA Internet Activity Index

OPA (Online Publishers Association) Webサイトに、Internet Activity Index (IAI) がある。

デフォルトでオンラインで消費された時間を4つのカテゴリごとに、データ収集が終わった最新月とその前月の比率と、%の変動を示している。また、最新月のトピックを掲載している。右は10月中旬まで表示していた8月のデータ、左は現在最新のデータとして9月のデータが表示されている。

4カテゴリの詳細は以下の通り。
コンテンツ
主としてニュース、情報そしてエンターテイメントを提供する目的のWebサイト、およびインターネットアプリケーション。CNN.com、ESPN.com、Windows Media Player、MapQuestなど。

コミュニケーション
考え、メッセージ、あるいは個人間、グループ間で直接やり取りされる情報を提供するためのWebサイト、およびインターネットアプリケーション。Yahoo! Mail、AOL Instant Messenger、MSN Groupなど。

コマース
オンラインショッピングなどを実施するWebサイト、およびインターネットアプリケーション。Amazon、eBay、Shopping.com、Dell.comなど。

サーチ
Webをスキャンし、ユーザごとのリクエストから特定条件に基づいた結果を提供するWebサイト、あるいはインターネットアプリケーション。Google Search、MSN Search、Yahoo! Searchなど。

このInternet Activity Indexのどこかをクリックすると、時系列データも見られるようになっている。Share of Time、Page Per Person、Page Views、Total Time、Unique Visitors、そしてReachがある。Unique VisitorsとReachを観てみると、それぞれ1億人を超すユーザがアクセスし、全インターネットユーザに対して70~80%台のリーチを上げている。メールなどのコミュニケーション、コンテンツ、サーチ、コマースの順になっている。
しかし、Total TimeとShare of Timeを見ると、いかにコンテンツ、コミュニケーションでユーザ時間が消費されているかがわかる。ユーザ消費時間が6億時間を越える2カテゴリに対して、Searchは8,400万時間しかない。GoogleがMySpaceを取り込んで、コンテンツとEmailでの広告スペースを確保、獲得した理由がわかる。また、GoogleがLPOを導入し、ランディングページであるコンテンツサイドでのサービス獲得に動いたのもうなずける。
しかし、どこまでいってもオフライン広告の一方通行をオンラインでやっているだけであることは間違いない。CTRはどこまでも下がり続け、検索キーワードの単価は上がり続け、CPAなども一方通行である限り、その効果は下がり続ける。

Googleが目指すように広告スペースを確保し、圧倒的な物量で広告を強制露出する一方通行ではなく、ユーザの自発参加を促進し、コンテンツ拡張やユーザのEngagement、関係性を深化させる双方向のコミュニケーションを模索しない限り、オンライン広告の冬の時代は意外なほど早くやってくるかもしれない。

Blog and RSS for B2Bでも紹介したが、BlogやRSSを活用したB2Bマーケティングに効果があることは、IT購入決定に大きく影響していることからも評価されている。Web2.0時代にグローバルなViral Marketingの核のひとつとなるのは、Blogをおいて他にない。

参考:OPA
参考:OPA Internet Activity Index
参考:Blog and RSS for B2B

2006/10/30

MySpace, ByeSpace?

GEN Yのデジタルイノベーター・アーリーアダプターがCoolだとして挙ったSNSが、商業化されていくにつれて彼らはどのような反応を示すのか?バナーが氾 濫するスペースから何時集団逃亡するのか?メインストリーム化したことで大挙するGEN X、あるいはBBがSNS自体をどのように変貌させるのか?
と、Profitable SNS with GEN Y, GEN X and BB?で書いた。

VIDEO
[See the video]
Unique visitors to MySpace and Facebook dropped from August to September. WSJ technology reporter Vauhini Vara offers a look at what's causing some users to bail out in a desk-side chat with Stacey Delo of Dow Jones Online.
変化のわずかな兆候かもしれないが、WSJ.comが次のように書いている。

20歳のJenny Thompsonは2年前にMySpaceにページを持ち、毎日、十数人からのリンクリクエストに応えていた。今年はじめになると顔も知らない友達は4,000人に達した。大勢が「omg (Oh My God)、綺麗だね」というコメントを寄せてくるのに辟易した彼女は、MySpaceのページを削除した。

彼女は、その人気の高さではなく、その存在自体のため、MySpaceや他のSNSを放棄するインターネットユーザのグループに属している。これはMySpaceやFacebookが直面するジレンマを明示している。クリティカルマスを抱えるようになりサイトが機能する反面、数多くのユーザが一部のユーザを阻害することになり、増え続ける広告と、SPAMによる不協和音を醸成している。

Niselsen//NetRatingsによる両サイトの9月のビジターを見ると、MySpaceは4,920万人から4%ダウンの4,720万人へ、Facebookは890万人から12%ダウンの780万人となっている。ただし、これは学生が大学へ戻った季節要因で、昨年もこの時期に減っているが、その後、戻っている。

Facebookのスポークスマンは、自社データでは9%アップの1,1000万人、ページビューは40%アップの165億に達したと語っている。一方、MySpaceを抱えるFox Interactive Mediaは、「MySpaceは急激な成長から成熟の過程へ移行しつつある」、「自分のページを削除した数が増加したということはない」としている。

MySpaceの人気によってSpamが増え、ユーザを悩ましている。多くの広告主は「Friend Request」機能を使い、広告そのもののリクエストを送っている。また、MySpaceユーザに短時間で「Friend Request」を自動送信するプログラムも出現している。これが新しい世代のEmail Spamだ。$19.95でプログラムを販売しているサイトもある。

Facebookは今のところSpam問題は表面化していない。しかし、それまで学生のみが対象だったユーザ制限を先月、開放したことで一部のユーザ離れを招いている。3,000近くのユーザは、「Facebookを学生に限定する公式請願」を出している。Facebookの売りである、「オフラインで知っている人をオンラインで結びつける」機能がストーカーまがいの行為を招いている。

ユニークビジターの減少は、数ヶ月続いた緩やかな伸びの後にきた。
MySpaceの場合、9月までの過去3ヶ月は3.1%の伸び、前年は45%の伸び。
Facebookの場合、前年の11%の伸びに比べ、1.7%のダウン。

Yahoo!も同じような状況でユーザ数の伸びは鈍化している。

Source:Wall Street Journal

友人コミュニティのMySpaceや学生中心だったFaceBookが、メインストリーム化することで様々な軋轢と、問題を生み始めたことが分かる。季節要因が大きいだろうから、10月以降またユーザ数は伸びるとは見られるが、成熟段階に入ったことで、どれほどの伸びが期待できるかは不透明になってきた。
ただし、Facebookは全てのインターネットユーザに門戸を開放したことで、今後もユーザ数は伸びるだろう。問題はいつMySpaceと同じ現象が起きるかだ。

MySpaceで今見えているのは、メインストリーム化する前に参加したアーリーマジョリティの先頭集団が、サイト属性の変化に不満を募らせつつあるといった状況だ。最初に参加したデジタルイノベーター、アーリーアダプターの興味はすでに失せ、どこかへ行ってしまっているのでは...?

Profitable SNS with GEN Y, GEN X and BB?で書いたようにMixiも招待制だが、50代の中年女性が自分の子供に誘われて参加するステージになってきた。2サイトと同様にユーザ間の軋轢や問題がいつ発生してもおかしくない。

2006/10/27

Web Accessiblity and CSR








以前、Customer Respect Group Reportで、米地裁が、National Federation of the Blind (NFB) は、米大手小売業者、Targetを相手に集団訴訟を起こすことができるとの判決を出したことを紹介した。

参考:Customer Respect Group Report

そこで、ADA (Americans with Disabilities Act) などの法律は、E-commerceサイトにも適用されるから、視覚障害者がWebへアクセスする際、よく利用するページ(内容の)読み上げソフトウェアを利用できるようにしろという訴えが成立することになった。
しかし、
今週、連邦裁判所は、直ちにTargetのWebサイトで読み上げソフトが使えるようにせよという強制命令は発行しなかったようだ。

画像に埋め込まれているコードがあれば、読み上げソフトがそれを探知し、画像内容を読み上げることができる。しかし、TargetのWebサイトにはそのコードがなく、その他にもアクセスできないイメージマップや他の画像機能を載せているので、視覚障害者が利用できない。

コードさえ埋め込めば済むはずの話なのだが、Targetは普通の視覚障害者にはアクセス可能なサイトだというが、APによればBestBuy.comなど他のECサイトはより進んだ対応をしている。

とにかく、なぜTargetが潜在顧客に訴訟を起こさせるまで突っ張っているのか分からない。

Source:Media Post / Just an Online Minute...

これはネガティブマーケティング以外の何物でもない。NPOなどがサイバーアクションを起こし、Targetの重要顧客や、金融機関、地方自治体、コミュニティにEmailを出し、Targetでの不買運動を起こされる可能性さえある。

毎年最大のショッピングシーズンがもうすぐ始まるというのにTargetのWebサイトのリーチは2004年と同様に下降気味、例年ならQ4から上がるべきリーチが今のところ、その気配がない。その上にネガティブなサイバーキャンペーンを発動されたらWebページ改修費以上の影響が出るだろう。

Source:Alexa

今や、消費者は声無き、力なき大衆ではない。コンタクトポイントが分散してはいる。しかし、Diet Coke Mentosの話ではないが、個人的な利益、コミュニティの利益、国や地球の利益に敏感に反応する。

日本でも一昨年、ビールメーカーがペットボトルに入った新ビールを出そうとしていたが、Green Peace Japanがビールメーカー各社に公開質問状を送り、回答を延期したメーカーに対して、「一般消費者の声」を届けるため、サイバーアクションを起こしたこ とがある。その結果、ペットボトルビールの発売は当面見合わせることになった。
ペットボトルビールが抱えた廃棄物問題、エネルギーの非効率利用、そして拡大生産者責任という個人の利益には直結しないと見られる問題でも、多くの人々を動かすことができる。それも当初はマスメディアが報道しないグラスルーツ、ボトムアップの情報発信から始まり、流通、共有、受信、拡散が行われた。

参考:Green Peace Japan

いい製品・サービスを製造、提供していればいいという時代ははるか彼方へ去り、株主、従業員、消費者、金融機関、コミュニティ、政府・自治体などのマルチステークホルダーに企業価値を知らしめていかなければならない時代だ。ブームだったメセナも去り、今、SCM (Supply Chain Management) の全チャネルにおけるCSR (Corporate Social Repsonsibility) がグローバル企業の第一の役割だと考えられている。

以前、米大学のCoca Colaボイコットが英国の大学へも波及してきたことを紹介したが、このボイコットが大学キャンパス内だけに留まると誰が確約できるのだろう?

参考:Coca-Cola hit by College Votes for Ethical Boycott

Crowdsourcing

Crowdsourcingとは聴きなれない言葉だが、今年のはじめにWiredが使った言葉だ。企業が困難に直面し、自身で全ての解を得られないとき、世界中の何百万というアマチュアの集合知を生かしたソリューションを得るプロセスをいう。例えば、P&Gの研究員がInnoCentive.comに研究上の問題をアップし、ベストなソリューションを出したアマチュア科学者などにインセンティブや報酬を払うことで解決することだ。

クリエイティブな広告やPR (Public Relations) の世界でも、そういったコラボレーションを体験し始めている。Crowdsourcingは、GoogleにとってYouTubeがどれほど魅力的であったという理由のひとつだし、人気を集める「American Idle」もCrowdsourcingそのものだ。

これはまだ始まったばかりだが、「うまい方法」ではなく、ビジネスの根幹に浸透する「必須の方法」として業界がコミットする時だ。「君のビデオをここにアップすれば俺達の神聖なホールに入場させてやるよ」といったレベル以上に、Crowdsourcingをより戦略的で統合されたプロセスにまで引き上げる必要がある。大衆に教えを請え。

Source:Ad Age

と、Steve Rubel (EdelmanのSVP) が書いている。

Outsourcingの大衆化とでも言ったらいいのだろうか?Crowdsourcingをマーケティングに置き換えると、トップダウンではなく、ボトムアップ、あるいはグラスルーツのマーケティングということになる。コンテンツ、あるいは製品・サービスを提供し、一般ユーザの自主参加とその英知によって最適な集合知、例えばマーケティング戦略を構築するということになる。

しかし、現実には、一般ユーザの遊び心がプロの領域をつきぬけ、途方もない結果をもたらし、プロはそのトレンドとスピードに追いつくのが精一杯というのが現状だ。Fritz GrobeとStephen Voltzが行ったDiet CokeとMentosの噴出実験は、まずMentosが飛びつき、ようやくそのバイラルビデオ効果を無視できずDiet Cokeも追随するようだ。「Experiment #214」と題して、10月30日に過去最大の実験ビデオが流される予定だ。
バイラルビデオネットワークのRevverにある「Experiment #6」は54万回、「Experiment #13A」は48万回、そして「Experiment #137」は356万回視聴されている。YouTubeには、Diet Coke Mentos類似のビデオが3,299本もアップされ、最も視聴されたビデオは269万回に達している。(それぞれの数字は10月26日時点)

「Experiment #137」


これほどの拡散、波及効果を、どこの誰が予想し得ただろう?また、どんなプロであれここまでのシナリオを描ききることは不可能だ。やはり、メディアとしての地位を得、コンテンツプロデューサーとしても確立しつつある一般ユーザの英知に教えを請わなければならないし、そのバイラルパワーにも力を借りる必要がある。

2006/10/26

Future of the Print Media In Europe

10月23日付けでEUから出たプレスリリースに「8 editors-in-chief of newspapers and magazines at European Commission to discuss the future of the print media」がある。

ポーランド、ポルトガル、ドイツ、ルクセンブルグ、フィンランド、ポルトガル、英国、イタリアの新聞、雑誌社のトップを集め、急増するインターネットの利用、激化するクロスメディアとの競合、拡大するフリーペーパーの影響、そして若年層の新聞・雑誌離れを背景に、プリント媒体はどのように進化すべきか、プリント媒体の将来を議論するというものだ。

2005年にも「情報社会とメディアのコミッション」が公開コンサルテーションを開催したというプレスリリースが出ている。
その時点での状況判断として、出版業界はEU25のGDPの0.5%を構成し、総売上€1,210億に達する。出版業界は64,000社、75万人の職 を支えているが、中小・零細企業が多く、250人以上の企業が業界の半分以上の売上を上げている。出版業界の中で、新聞が最も大きなサブセクターであり、 2001年には業界全体売上の36.8%を占めていた。それに続くのは雑誌などの定期刊行物が32%、書籍が24.6%だ。総売上の半分以上を占める広告売上は、総じて減少傾向にあり、特定セグメント、例えばリクルート系はインターネットへシフトしている。
だから、今後のデジタル社会の中で出版業界はどうすべきかというコンサルを開催したわけだ。

今回、EUの情報社会とメディアのコミッショナーであるViviane Redingは、「報道はヨーロッパにおけるメディアの中心、言論と民主主義の自由の基礎を成している」、「それゆえに我々はEUのプリント媒体に対する政策の影響に大きな関心を払わなければならない。報道の自由と(それを支える)強固な経済的地盤は、新聞や雑誌がマルチメディア時代に繁栄するため不可欠だ」と述べて、新聞・雑誌のビジネスモデル、広告収入、編集と広告の分離、AVメディアでのProduct Placement、また、教育や著作権も話し合うようだ。

EUでのインターネット普及はすでに大きくクリティカルマスを超えており、例えば、右の表にあるように英国の新聞発行部数は長期低落傾向に歯止めがかからない。(クリックで拡大)
そして、「Broadband for all」で紹介したように、EUは、重要なICT政策のひとつとしてBB化を強く推し進めている。また、「Free Papers Home Delivered in Europe」で紹介したように、無料の宅配新聞が拡大していく気配もある。

参考:Broadband for all
参考:Free Papers Home Delivered in Europe

これらによりプリント媒体に大きな影響が出るのは明らかで、昨年の公開コンサルをもとに、今年は、特に影響が大きいと思われる新聞・雑誌社を集め、デジタル化戦略による生き残りを後押しする、というのが真意ではないだろうか。

Source:EU Press Release 2006
Source:EU Press Release 2005
Source:ABC

さて、英国同様、下の右肩下がりのグラフが示しているように、仏の新聞有料購読部数は減る一方だ。例えば、Le Mondeの仏国内有料購読部数は、2002年に361,254部あったが、2005-2006年の中間集計では313,977部へ、13%減少している。
Le Figaroは、2002年の345,080部から2005-2006年の中間集計で321,490部へ、7%ダウン。
Liberationは、2002年の156,077部から2005-2006年の中間集計で134,789部へ、14%ダウン。
Le Parisienは、2002年の360,505部から2005-2006年の中間集計で338,240部へ、6%ダウン。
どの新聞社も率先して会議に参加し、メディアとしての地位を確保する必要がありそうだ。




































Source:OJD

にもかかわらず、どうして仏の新聞・雑誌社のトップはこのEUの会議に出てこないのだろう。
仏 新聞社のオンラインの取り組みも米・英新聞社と比べると見劣りがするというよりは、デジタル化戦略がなく、最低限の取り組みしかしていないように見える。 以前、日本の新聞のWeb2.0取り組みを比較したBivingsの調査を紹介したが、日本の新聞よりも一段、あるいは2段後れて階段を上っているよう だ。

参考:The Use of the Internet by Japanese Newspaper

2006/10/25

Blogs in UK、Germany、France and Italy

Wal-Marting Across Americaで物議を醸しているEdelmanとTechnoratiが、10月はじめに英国、独、仏、伊各国の最も影響力のあるトップ10Blogリストを公表している。

  なお、Edelmanが仕掛けたFlogは他にも
  2つあるという話はこちらへ 
  Source:MediaPost

このリストはまず、他のBlogからのリンク数による世界トップ100ランクを出し、その後、独、仏、伊、そして英国のBlogをテーマ、他の国内グループとのネットワークから最も影響力のあるトップ100Blogサイトとしてランク付けされている。米、豪との切り分けが難しいため、英国のリストは手作業だが、その他の国はTechnoratiのデータから機械的に抽出されたようだ。その中のトップ10リストが公表されている。

基本的に世界のBlogではビジネス、政治が中心だが、
  • 個人の日記スタイルのBlogがヨーロッパでは多く、イタリアでは43%、ヨーロッパ全体では30%を占めている。
  • 仏では22%が最新トピック、テクノロジー関連で独は25%、伊は11%を占めている。
  • 米国同様、他のBlogやメインストリームメディアとのリンクが多い。伊と独はメインストリームメディアとのリンクが非常に多いが、仏はリジョナルメディアより、Blog間リンクが29%も多い。
  • 欧州の特定企業、ブランドに関する記事が多いが、米国ほどではない。しかし、車といった製品カテゴリに関する記事は米国と同程度ある。
なお、FTの記事ではLoic Le Meur Blogを英国リストの11位に載せ、仏リストにPlusjamaisseul.netを4位に載せているがこれは誤り。(と、本人自身のBlogで書いている)
Loic Le Meur Blogが仏の1位、Plusjamaisseul.netはランク外ということで、右のリストが正しい。

そこで、これが意味するのは;
  • インフルエンサーへ影響を及ぼすには、ローカルとグローバルの両面からBlogの記事内容を把握する必要がある
  • 各国のBlogはその内容にかなり開きがあり、ローカルのカルチャーや影響を受けている。しかし、海外のメディアやBlogから影響を受けている
  • 欧州でも企業やブランドに関する記事はあるが、米国ほどでもない。しかし、製品カテゴリに関する記事は米国も欧州も同じレベル
  • ブランドはBlog記事、会話に耳を傾け、プログラムを開発することで、参加できる大きなチャンスがある
と、MicropersuasionのSteve Rubel (EdlemanのSVP) が書いている。

Source:Micropersuasion
Source:PR Blogger (UK)
Source:FT

さて、Worldwideのトップ10データを追加、整理してみると、以下のグラフのようになる。まず、仏語Blogへのリンク数が圧倒的に少ない。次にドイツ語とイタリア語だが、トップを除くと若干、ドイツ語Blogのリンク数が多い。これら3国と比べると英国のBlogへのリンク数は、格段に多い。しかし、全世界で比べると、三分の一、あるいは四分の一以下のリンク数となる。全世界でトップ10にランクされるのは、3位のSina.comのBlog、4位のFC2のBlogサービスを除き、すべて米国Blogだ。また、トップ100を見ても80サイト前後が英語、あるいは米国のサイトだ。(WorldwideでのBlogリンク数は、10月24日付けのTechnorati.com/pop/blogs/より)
例えばリンク数最大のEngadgetは、26,766Blogサイトから248,511のリンクが張られている。直接的な比較はできないが、例えば Yahoo!は、91,035サイトからリンクがあり、MSNは23,358サイト、Googleは361,472サイト、MySpaceは65,789 サイト、YouTubeは49,354サイトからリンクを張られている。MSNよりもサイトリンクが多く、かつ、25万弱のリンクを集める Engadgetは、Blogとしてとてつもない巨大なリンクメッシュを構成している(Yahoo!などWebサイトのリンクサイト数は10月24日時点のAlexaによる)。

当然、コンテンツの質と量、テーマ、速報性などから米国Blogサイトへリンクする数が多いのだが、トップ10やトップ100に入る米国Blogサイトには英、豪などの英語圏だけからリンクされているわけではない。Engadgetは米国内からはもちろんだが独Spiegel、中国Baidu、楽天、韓国、スペインなど様々な国、サイトから多くのリンクを獲得している。これは、ITやインターネット、ビジネス、金融関連のニュースや最新情報はそのほとんどが米国発だから当然だ。

日本だけではなく欧州諸国のBlogや既成メディアも、米国メディアやBlogをウォッチしているから、米国トップBlogの影響力は大きい。また、これらBlogをウォッチしているだけのユーザも全世界にいる。そして、これらIT/インターネット関連情報をアップしている英語Blogにアクセスするのは、各国のデジタル・イノベーター、アーリーアダプター達だ。彼らが国内に持ち帰った情報を自身のBlogで発信することで、英語Blogへアクセスしていない国内ユーザにまで露出が広がっていく。

既成メディアのリーチを大幅に超え、浸透するBlogネットワークのソースである米国トップBlog。これを活用するマーケティング戦略構築が必要だ。「Web Marketing + Email」で示したようにIBMの戦略的革新とドライバの時系列パターンの2007年にはViral Communitiesが挙げられている。確実に新しいマーケティング戦略の検討が始まり、実装されつつある。

参考:Web Marketing + Email
参考:Blog and RSS for B2B