2006/09/23

The Use of the Internet by Japanese Newspaper

Bivings Groupが面白い比較をしている。
日本と米国で発行部数の多い21新聞社のWebサイトを、Web2.0の視点から、インターネットへの取り組みを比較したものだ。

比較ポイントは次の10個。
1)RSS配信、2)アクセスランキング、3)動画提供、4)ポッドキャスト、5)チャット、6)記者ブログ、7)コメント機能、8)ユーザ登録、9)ブックマーク機能、10)掲示板・フォーラム機能

一見して、米国と比べると日本の新聞のWeb2.0取り組みが後れているのが分かる。
◆ 記者Blog提供-------------------5紙(米国は19紙)
◆ RSSによるニュース提供---------4紙( 同 16紙)
◆ 記事アクセスに登録が必要-----1紙( 同 9紙)
◆ 掲示板・フォーラム提供---------1紙( 同 9紙)
◆ アクセスランキング提供---------4紙( 同 10紙)
◆ ポッドキャスト提供---------------2紙( 同 8紙)

米 国ではWebがニュース提供の手段として成長・確立しており、新聞購読を促進し、購読者数減少に対抗する手段として利用されている。しかし、日本人は活字 やTVといった従来のメディアを好み、また、メディアの信頼度で新聞が群を抜く存在であるため、日本の新聞はWeb2.0を米国ほどは導入していない。加 えて、携帯電話へのニュース提供などは米国を引き離しており、日本の新聞が大きな後れを取っているわけではないと結論づけている。

Source:Bivings Group / The Use of the Internet by Japanese Newspaper

しかし、日本では過去5年間に新聞販売部数が2.81%も減少し、若年層で新聞を読まない層が増え、今後の人口減少が明白だという事実がある。また、 Technoratiによれば言語別Blog数の31%を日本語が占め、YouTubeに日本から膨大な投稿ビデオがあり、様々なWeb2.0サービスが 日本に輸入されている現状もある。さらに米国の新聞社のWeb2.0取り組みを見ると、Web2.0どころか、インターネットそのものへの戦略が定まって いない日本の新聞社の現状を現しているのではないだろうか。

最後に気になる点がある。
メ ディアの信頼度の資料として、日経新聞の2003年の調査結果を引用し、「日本では新聞が他の報道手段を圧倒している」、「特にインターネットについて は、内容の信頼性という点で新聞に劣る」、「インターネットの信頼性は、一貫して、新聞、テレビに続く3番目」、「活字による報道が非常に定着しており、 一般から信頼され、企業とのつながりもある」、「インターネットは、日本人が情報を得る際の重要な手段としては確立していない」と、このレポートはコメン トしている。

これは3年前のデータであり、その後のインターネットの急成長によって日本人の認識も変わってきたはずだ。しかし、これが日 本人マーケターや、そのマーケティング戦略を承認する管理者層の認識を形成しているとすると、国内でのブランド戦略、いわんや海外向けグローバルブラン ディングにオンラインを利用するという発想そのものが出てこないのでは...。

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