2009年2月19日のBusienss Week記事、「企業にとって、ソーシャルメディアに対抗するのは無意味だ。数百万人の人間がソーシャルWebでコンテンツを作成している。企業の顧客は何年もそうしている。まだ、ソーシャルメディアに進出していないのなら、そうすべきだ」を引き、中堅以上の企業623社のマーケティング担当役員と、ソーシャルメディアをすでに自社マーケティング戦略に導入している大企業5社の役員とインタビューした結果として、次の質問に答えるとしている。
- 現在、企業はどのようにソーシャルメディアを利用しているか?
- 2009年のマーケティング予算のうち、どれくらいがソーシャルマーケティングへ割り振られ、どのように割り振られるのか?
- どのようなソーシャルメディア・ビークルあるいはチャネルが利用されていて、ミグレーションパスは?
- ビジネス価値を表出するため企業はどのようにソーシャルメディアを利用できるのか?
- ソーシャルメディア利用を阻害する要因は?
この企業Blogをやっているのが327社(59.7%)というのは異常に高い。
今年1月8日の「Fortune 500 Business Blogs - Updates」で、Fortune 500にランクされる64社(12.8%、2008年11月時点)が企業Blogを公開していると紹介した(ところが2月11日時点では60社(12%)へと減っている)点からすると異常に高い。
参考:Fortune 500 Business Blogs - Updates (Online Ad 2009/01/08)
Source:Fortune 500 Business Blogging Wiki
ということは、Awarenessの調査対象企業は、そのほとんどが中堅以下というのが実情だろう。Fortune 500にランクされる企業であれば、縦割り組織のしがらみで実験段階へ進むまでにも相当の社内調整と時間がかかる。その点、中堅以下の企業であれば、「Return on Ignoring:何もしないことの効果(損失)」ビデオをイントラネットに上げるだけでトライアルの合意形成はできそうだ(?)。
参考:Return on Ignoring (Online Ad 2009/01/16)
Awarenessが説明しているように、Coneの調査結果によれば;
- 93% ソーシャルメディアに企業は参加すべきと考えるユーザ
- 85% 参加するだけではなく顧客とやり取りすべきと考えるユーザ
さて、「企業がソーシャルメディアを利用する、興味がある、その理由は?」という問いに対して;
- 人材養成&確保
- 顧客エンゲージメント強化
- コラボ&コミュニケーション強化
- (ブランド)プロモーション
- ネットワーキング(提携、連携強化)
- マーケティングキャンペーン
Source:Awareness / Corporate Trends in Social Media Marketing
もっとも重要なのは、「企業がソーシャルメディアを利用する、興味がある、その理由は?」という問いの前に、「既存のメディア、マーケティングや広告戦略の限界を理解したうえでソーシャルメディアを利用しているのか?」という問いだ。
この認識がなければ、既存のメディア、マーケティングや広告戦略の延長線上にソーシャルメディアマーケティングが据えられるだけだ。そうなれば、当然、レガシー戦略の限界がそのまま適用されてしまう。また、単に競合が始めたからといった短絡思考で企業Blogを始めたのでは、上のFortune 500 Business BlogのようにBlogを中止せざるを得ない結果を招くだけになってしまう。
広告代理店、SEM代理店、マーケティングやPRエージェンシーが並べ立てるバズワーズに踊らされるだけでは、ソーシャルメディアススペースに参加することもできないし、ユーザと会話することなどできない。企業側に十分な現状認識と情報収集、分析能力が必要なのだが…。
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