今週は、何週間か前に開かれた広報業界のコンファレンスでWeb 2.0について講演した際のことから書き始めている。彼の講演の前に、司会者が「PRに関連する質問」を訊ねたところ、「あなたの会社(あるいはクライアント)はなぜ、Web 2.0のメリットを活かしていないのか?」という質問があった。それに対して132の回答が出席者から出た。(質問も回答も会場の人数分準備されている無線PCから入力され、正面のスクリーンに瞬時に表示される)
- 予算が十分ではない
- (Web 2.0が)よく分からない
- 技術スタッフがいない
- 人手が足りない
- 目に見える投資リターンがない
- 嘲笑されることが不安
- 中傷されることが不安
- いつまで続けられるかが不安
- 炎上してしまうことが不安
しかし、とPogueは次のように書いている。少し長くなるが引用する。
企業が外部へ発信しようとするイメージはどんなものであれ、個性や不安定要素を持ち個人生活を送っている普通の人間が造り出している。だが、マーケティングやPRチームがその企業イメージをピカピカに磨きたて、コントロールし、最終製品パッケージとして送り出しているため、一般市民は企業イメージに人間性を見出せない。
企業がWeb 2.0の可能性を受け入れたとすると、一般市民とよりカジュアルで、荒削りな形で接することになり、結果としてあげつらいは減ることになる。Web 2.0は過去になかったほどダイレクトに、より信頼を得る通信チャネルを提供するわけだ。
それはBlogだけではない。Podcastsかもしれない。あるいはビデオ(iPhoneをミキサーでブレンドした会社、WillItBlend.comはへアマチュアビデオを投稿することで売上を3倍に伸ばした)かもしれない。貴社の個性、ロゴ、音楽や製品を使ったマッシュアップを一般市民に許可しなさい。製品開発サイクルでのフォーカスグループ、破棄されたデザイン、従業員のビデオなど内部に目を向けてみてはどうですか?
当然、こういったものは調整しなければなりません。ということはすぐに目に見える投資効果がないにも関わらず、予算が必要なわけです。すなわち、みんなの仕事が増えるわけです。
でも、信頼、好意、肯定的な注目が得られます。(ピカピカのイメージを脱ぎ捨てて)「会社に人間の顔」を着せてください。そうすれば、他の方法では決して見えなかった顧客に関する情報を得ることができるのです。
Source:NYTimes.com Circuits / Are You Taking Advantage of Web 2.0?
この「会社に人間の顔」をという彼の言葉は非常に重い。