2006/09/25

Click Fraud

オンライン広告の裏側としてBusiness Week、クリック詐欺が増加中としてNew York Timesがクリック詐欺を取り上げている。

Googleとか、Yahoo!は、自サイトにオンライン広告を掲載することに加え、抱えている数百万のアフィリエイトに広告をリサイクルする。ここには、「Domain parking」と呼ばれる企業も含まれる。
「Domain parking」は、自身で抱える数千にも及ぶWebサイトにGoogle、Yahoo!の広告を供給している。その中には単に広告のリスト以外の何物で もない怪しげなサイトもある。これらサイトを抱える詐欺師は、PTR (paid to read:興味のあるemailレターを読んだり、Webサイトへアクセスすることに同意した個人) グループに指示して、広告をクリックさせる。PTRに払われるのは1件あたり、1㌣程度らしい。
PTRが広告をクリックすると広告費が発生する。Google、Yahoo!は広告主に広告費を請求し、クリック分を「Domain Parker」、詐欺師、PTRに払うことになる。あるいは、自動的に広告をクリックさせるプログラムを開発する詐欺師もいる。

eMarketerによれば2010年には290億㌦に達するオンライン広告のうち、約半分がPPCになると予想している。また、消息筋によればオンライン広告費の10~15%、年間1億㌦にも達すると見られる。

Source:Business Week
Source:New York Times

Click Forensicsは、1,300以上のオンライン広告主、広告代理店が参加する「Click Fraud Network」を主催し、クリック詐欺をモニターし、公表している。
それによると、業界全体での2006年Q2のクリック詐欺率は14.1%に達し、前期の13.7%から上昇している。また、2㌦以上の検索キーワードを高額検索キーワードとしているが、これに対するクリック詐欺率は20.2%に達している。
クリック詐欺をティアごとに見ると;
  • ティア1(Yahoo!、Googleなど)-----12.8%(前期12.1%)
  • ティア2(上の配下)----------------20.3%(同 21.3%)
  • ティア3(同)-----------------------27.1%(同 29.8%)
クリック詐欺の大半88%は、米国とカナダから実行されている。北米以外ではインドからが多く、Q2には26%も増加している。Q2で注目されるのは、今まで多くの人が予想していたように、初めて高額検索キーワードが最もクリック詐欺に脆弱だとするデータが出たことだ。

Source:Click Forensics

しかし、CNETによればGoogleは小さな問題、Yahoo!は独自対策に自信、MSNはクリック詐欺の存在を認識と大手3社の中でも対応に幅がある。

Source:CNET

SEMPOなどでも第三者機関設立の必要性が議論されているようだが、検索エンジンプロバイダーの自己努力に期待する期間は過ぎている。オンライン広告業界をあげていち早く、クリック詐欺に対応する必要がある。

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