2006/09/26

Global Campaign by Shell

Click Fraudを伝えているNYTimes.comなどに、Shellがグローバルキャンペーンを展開している。NYTのClick Fraudの記事はTechnologyセクションに掲出されているので、Technology読者に的を絞った文脈ターゲティングか、行動ターゲティン グを使った広告キャンペーンのようだ。

これはShellの企業広告セクションにおけるグローバルキャンペーンとして、エネルギー供給確保、気候変動、環境保護、コミュニティとの共存の4つの柱を掲げるエリアへのトラフィック誘導と、Shellの取り組みに対する認知、理解を促進するものだ。

About Shellのページには、ハイライトされている項目が8つある。その中に、企業広告、環境と社会、そしてコミットメントと指針がある。いずれもShell という資源開発・石油化学企業が否応なく対峙してゆかなければならないテーマ、環境保護・資源効率活用・地球社会との協調をベースにその取り組みを明記 し、理解を得るための項目だ。
ある意味で環境破壊型の企業であるため、当然至極のページ構成ではあるが、その取り組みを一般消費者、インターネットユーザに告知するため、Shellは既存メディアに加え、オンライン広告を活用している。

Shellは2005年Q3からトラフィック誘導に重点をおき、大幅にオンライン広告を増やしている。2003Q4~2005Q3までの累計が1.1億impression、2005Q3だけで3,400万impressionを投下している。
2005 年は、環境、太陽光発電、LNG、風力発電にハイライトをあてたシリーズ広告を展開していた。ノルウェーの石油精製施設廃棄に伴う原状回復、土壌入れ替 え、自治体への余剰機器・機材の提供などを訴えたり、日本の主婦や環境汚染に関心のあるステークホルダーを登場させてLNGのメリットを訴えたり、ドイツ で進められていた世界最大の太陽光発電所建設への理解を求めたりと努力を続けていた。

今年に入り一時休止されていたが、装いを新たに再開されたようだ。

Shell は世界140以上の国と地域に進出しているグローバル企業だ。世界からアクセスを獲得しているニュースサイトから本社グローバルWebサイトへトラフィッ クを誘導するのは単に米国ユーザに対してだけではない。Lingua Francaである英語のニュース・記事を閲覧する世界のインターネットユーザに対して、コミットメントと指針を露出していることになる。特に環境に厳し いEUなどを念頭に置いているのだろう。そして、直接、個人ユーザからの質問・コメントの受付口も用意している。

ShellのUSサイトではなく、グローバルサイトへトラフィックを誘導しているimpressionが全世界のステークホルダーに累積してゆく。既存メディアでの累積露出に加え、デジタルイノベーター・アーリーアダプター層に急速に累積されてゆく。

そして、日本のグローバル企業とのオンライン露出ギャップは一層拡大していく。

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