2006/09/21

Out-Of-Home Digital Ad Networks

Profitable Channelsが、Out-Of-Home Digital Ad Networksの潜在力を理解し、マーケティングプランに活用すべきだというホワイトペーパーを出している。

Out-Of-Home Digital Ad Networks (OHDAN) とは、商店、映画館、オフィスビル、クリニック、ショッピングモールなどで広告を配信するネットワークだ。すでに、キャズムを超えたと見られるOHDAN には、映画、スーパーマーケット、オフィスビル、商店、ショッピングモールなどがあり、ネットワーク化されているのは合計で13,000あまり、ものに よっては訴求可能世帯が93%にまで達しているものもある。

OHDAN はデカイ。米国6,012の映画館の三分の二が32%の世帯にリーチする広告ネットワークの一部を構成している。50のスーパーマーケットチェーンのうち 37は、すでにin-store TVネットワークを開始していたり、トライアルを開始、あるいは計画中だ。また、Wal-Mart、Target、Best Buy、CompUSA、Circuit Cityなど合計4,000以上の小売チェーンがビデオ広告を提供。全世帯の75%が、商店、ガソリンスタンド、大手小売チェーンでのOHDANから露出 を受けている。

右図を見ると、既存の露出と比べてもOHDANの露出量が分かる。屋外、TV、ラジオ、インターネット、CATV、新聞、雑誌の合計に匹敵する露出を提供している。

また、OHDANは過去4年間で700以上のネットワーク展開をしており、2006年6月には、コンビニ、ガソリンスタンド、モール、トランジット、オフィスビルでの展開が発表されているように今後とも、急速にそのネットワークを拡大していくと見られている。

2006年の広告費予想を見ると、全体で1,650億㌦、OHDAN はその1%にも満たない12億㌦が予想されている。
し かし、TV視聴者減少、メディアチャネルの分散化、広告の販売効果の指数化問題など、既存メディアを取り巻く環境の激変に対処することができるのが OHDANだ。Veronis、Suhler、Stevensonの2006 Communication Industry Reportによれば、OHDANはニューデジタルメディアとして20%以上の伸びを予想されている。

こ れを他メディアと比較したのが右図だ。新聞の伸びが1.5%、TVが2%で、どちらも衰退期。CATVが8%、通常のOut-Of-Homeメディアが 9.8%で収穫期、インタラクティブメディアが17%で成長と収穫期の両方にまたがっている。そしてニューデジタルメディアが20.7%で成長期にあり、 離陸中だとされている。

さて、様 々な業界ソースは、5年以内にマーケターは、既存メディアに投下している400億㌦をニューメディアに振り向けると予想している。この広告予算の再配分 は、消費者の目が、既存の新聞やTVメディアから、携帯電話、ビデオゲーム、ポッドキャスト、OHDANへシフトしていくことを反映するものだ。

Source:Profitable Channels (pdf)

OHDAN を対岸の出来事として見るか、国内での展開を考えるか、それとも日本からのグローバルブランドマーケティングの戦術として捉えるかはマーケターによって変 わる。しかし、欧米企業の世界戦略に確実に根を下ろしているオンラインブランディングに、これが早晩、追加されてくるのは間違いない。
インターネットがもたらす消費者のメディアシフトを把握し、タイムリーに追随する欧米企業に対して、まだまだオンライン広告をその海外戦略の核とし得ていない日本企業との溝は、深まり、広がるばかりだ。

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