New York TimesのCircuits(毎週木曜日発行)は、David Pogueが様々な製品を紹介してくれるEmailレターだ。デジカメ、iPod、Windows Vistaなど様々な製品情報、試用レポートなどを提供している。日本でも購読(無料)しているユーザは多いのではないだろうか。
9月7日のCircuitsにシャープ、Aquosの広告が掲載されている。クリックするとAquosの「There's More To See」という専用サイトへリンクされ、パフォーマンス、デザイン、ビジョン、メディアごとに様々なトピックを紹介してくれる。日本のシャープサイトからも、global/aquosから専用サイトへリンクされる。
面白いのは、次の画面右下にあるように、米国(英語、スペイン語、日本語)、豪、中国、仏、独、伊、蘭、露、シンガポール、スペイン、UKと、世界 各国の ユーザ向けのインタフェースが用意されていることだ。基本トピックを各国語で提供し、販売の段階になると各国のローカルサイトへダウンリンクさせてい る。米国のみならず全世界のユーザからアクセスを獲得しているニュースサイトのIT系ユーザを抱えるニュースレターに絞ったターゲットマーケティングだ。
こ れこそ、オンラインでのグローバルなブランドマーケティングの一例ではないだろうか。10億を超えるインターネットユーザ、Lingua Francaとして普及するGlobal English、世界からアクセスを獲得するサイト、各国語インターフェース、各国での販売促進用ダウンリンクなど、背景と必要性を編み込んだ上で、本社 Webサイト、あるいは専用サイトへアクセスを誘導し、コンテンツを消費させ、ブランドの認知度を上げ、ローカルへのダウンリンクを獲得することがグロー バルなブランドマーケティングとなる。
特に、IBMなど本社グローバルWebサイトを意識することなく、グローバルブランディングに活用できる米国企業に対して、日本を含むそれ以外のグローバル企業がインターネットを活用する道がここにある。
と ころで、Alexaで「www.moretosee.com」のリーチを見てみると、2004Q4、2005Q2、Q3、Q4、2006Q2と大小の山が ある。山が来ると谷が続くといったパターンだ。これは多分、社名サイトではないだけに、オンライン広告を集中出稿した時期はリーチが上がるが、広告を中止 するとリーチがダウンしているのではないだろうか。まだまだ、オンラインの広告予算がTVやプリントのそれと差があり、十分な露出を稼げていないようだ。 そのため、残念ながら、オンライン露出の効果が継続せず、キャンペーンごとにまた一からユーザ構築をやり直しているように見える。
そしてGoogle Trendsによれば、2005年Q4以降、短期の例外はあるが一貫してBraviaをキーワードとする検索回数が、Aquosのそれを上回っている。
また、TechnoratiによればAquosに関する英語でのBlogは3,694件、Braviaは5,221件。Braviaに関するBlogは昨年9月以降からだから、Aquosに関するBlog数を急速に追い越している。
(Blog数は9月11日時点)
DisplaySearch のデータによれば、2005年Q4、SonyのBraviaショック以降、シャープのLCD TV出荷台数シェアは下落の一途だ。その間、Samsungにもシェアを食われ、LGEもひたひたとシェアを上げてきている。2006年Q2、シャープと Sonyのシェア差はわずか0.1%。
Source:DisplaySearch
2006Q1/Q2、2005Q4/2006Q1、2005Q3/Q4
TV、プリントから専用サイトへの誘導よりも、オンラインからの誘導が確率は高いし、Blog書き込みとの連携もオンラインが上だ。「www.moretosee.com」へのアクセスを継続させ、認知を上げるには、オンラインの継続露出が不可欠だろう。
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