2009/04/09

Social Media Marketing Industry Report

MS、HPなど130以上の企業に関するホワイトペーパーを著しているMichael A. Stelznerが「Social Media Marketing Industry Report」を出している。

マーケターがビジネスを伸ばすため、どのようにしてソーシャルメディアを利用しているかを調査したものだ。ただし、回答者880人の70%は従業員100人以下の中小企業経営者(このうちの7割=全体の49%は自営)だ。かなりバイアスがかかっていると感じられるかもしれないが、ソーシャルメディアへの取り組みに中小も大企業、グローバル企業も関係ない。あるのはタテ割り組織、サイロ同士の風通しが悪いことぐらいだ。

それは下の10項目を見れば一目瞭然だ。これはマーケターが答えてもらいたい10の質問をリストアップしたものだ。ここに企業規模の大小は全く関係ない。
  1. ソーシャルメディアの最善戦術は?
  2. ソーシャルメディアの効果測定方法は?
  3. まず何から始めれば?
  4. ソーシャルメディアでの処し方は?
  5. 利用できる最善のサイトおよびツールは?
  6. ソーシャルメディアマーケティングにかかる時間にどう対処すれば?
  7. ターゲットオーディエンスを見つけ、集中するには?
  8. ソーシャルメディアマーケティングをちゃんとした有形の結果へ転換するには?
  9. 各ソーシャルメディアマーケティング同士の連携方法は?
  10. ソーシャルメディアマーケティングは効果があるのか?あるとするとどれくらい?
最後にボーナス質問もある。
  1. 部外者に価値を理解させ、協力してもらうには?
  2. これからの見込みは?
  3. 複雑なソーシャルメディアマーケティングの管理方法は?
  4. トラフィック誘引策は?
  5. コスト効果はあるのか?
ということで調査対象者にいろいろと尋ねている。

ソーシャルメディアマーケティングを利用しているのは88%、従業員100人以下の中小企業経営者の場合は90%を超えている。

これまでのソーシャルメディア利用期間を尋ねると、72%が始めたばかり、あるいは始めてから2~3か月のマーケターだ。始めたばかりのうち、30.2%は自営マーケターで、初めて2~3年のうち、従業員100人以下の中小企業経営者は29.3%となっている。
次にマーケターがソーシャルメディアを利用している時間だが、64%が週に5時間以上、39%が週に10時間以上費やしている。20時間以上という兵も9.6%いる。
これを「ソーシャルメディアマーケティングを始めたばかり」「始めてから2~3か月」「始めてから2~3年」で比較すると、それぞれ週に2時間、週に10時間、週に20時間以上と分かれてくる。

さて、誰もが聞きたいであろう「ソーシャルメディアマーケティングのメリット」は何かという問いだが、トップに来るのは「自社(自営)ビジネスの露出増大」だ。「トラフィックなど増加」「パートナー獲得」などに続き、「検索ランキングアップ」が入っている。

その「自社(自営)ビジネスの露出増大」だが、ソーシャルメディアマーケティングの利用期間によって大きく差が出ている。これを従業員100人までの会社経営者からすると、ビジネスの露出増大に役立ったと84.8%が「強く同意」している。
そして、ソーシャルメディアマーケティングが商談をまとめる役に立ったかどうかを「ソーシャルメディアマーケティングを始めたばかり」「始めてから2~3か月」「始めてから2~3年」のグループで比較すると、「始めてから2~3年」は61.62%も「強く同意」している。が、「始めたばかり」はたったの2~3%しかいない。また、16時間以上ソーシャルメディアを利用している層は50%以上が「強く同意」している。

これ以外にも「ビジネスパートナーの獲得」、「可能性の高い引き合い獲得」、「マーケティングコスト削減」に役立ち、「検索ランキングアップ」、「トラフィックなど増加」などにソーシャルメディアマーケティングが役立ったと「強く同意」する回答者が多い。

そして彼らマーケターたちが使っているツールは以下の通り。「ソーシャルメディアマーケティングを始めたばかり」「始めてから2~3か月」「始めてから2~3年」のグループで見ても、上位4ツール、Twitter、LinkedIn、Blogs、Facebookの順番は変動するが同じだ。
そして彼らが学びたいと思っているツールは以下の通り。この点は、「ソーシャルメディアマーケティングを始めたばかり」「始めてから2~3か月」「始めてから2~3年」のグループで若干違ってくる。初心者はTwitter、中級者はソーシャルブックマーク、上級者はFriendFeedやStunbleUponがトップに入ってくる。
Source:DirectNews / Online Marketer Turning to Social Media
Source:Marketing Whitepapers (pdf)

マーケターは自営であろうが、零細・中小・中堅・大企業であろうと今、最善の戦略、戦術を常に求めている。そして新しいツール、サービス、ユーティリティを勉強しようとしている(はずだ?)。

そこに違いはないが、あるのは流れを理解できない、あるいは流れを止めてしまうサイロの壁だ。この壁が厚く、高いほど、今の消費者、ユーザ、顧客が集うスペースを理解し、そこで彼らが何を語っているかに聞き耳を立て、会話に参加しようとするスタンスからはほど遠くなる。

さて、グローバルブランドを全世界のインターネットユーザが語っている。上にあるようにTwitterを使ったコミュニケーションが最も盛んかもしれない。が、日本のグローバルブランドでTwitter(英語)アカウントを本社で持っている企業はいない。アカウントがあったとしても英、米、独、蘭などの現法、あるいはユーザ会やディーラーが持っているだけだ。本社は顧客の声を聞く気がないのかしら?

参考:Twitter for Customer Service and Branding (Online Ad 2009/03/30)

Razorfishの「Digital Outlook Report 09」にTrends to Watchという章があり、その3番目に「Social Influencer Marketing will go mainstream」が挙げられている。トレンドをウォッチするのではなく、検討する時期だと思うが…。

Source:Razorfish / Digital Outlook Report 09

2009/04/08

Mobile Marketing

米、欧の6カ国で2億人が第3世代携帯を使っている。

その60%はこれからの2年間で音声通信サービスよりも、EmailやMMSといったデータ通信サービスを使用したいと答えている。米国ユーザの71%はモバイルインターネットを毎日でも利用したいそうで、欧州ユーザは41%だ。
その理由は簡便さとユーザの生活を向上させる点だ。
Source:Nielsen Wire / Desire For Convenience, Features Drives Phone Innovation

第3世代携帯、あるいはPDAなど、非常に個人的なインターネットデバイスとして利用が高まってくる。そしてそれを活用できる道がある。

Nielsenが言うように、簡便性(ショッピング、クーポンなど)に絞ったモバイルマーケティングアプリケーション、そしてエンタテイメント系サービスが大きな可能性を開いている。

ただし、この可能性は何もローカルな可能性だけではない。グローバルなブランディングにも可能性は開かれている。

2009/04/07

Top 100 UK Advertisers

2008年のUKにおける広告トップ100社のリストが上がっていた。

オンラインとDM広告を除外したプリント、ラジオ、TV、OOH、映画広告費をまとめたもので前年比4.8%減の総額87億ポンドだ。

中でもプリント広告の落ち込みが6.07%で一番だ。広告費としては一番大きいTVは3.95%減となっている。(クリックでサイトへ)
景気悪化によって車、小売、メディア、テレコム、FMCGブランドが広告費を大幅にカットした。昨年8月まではなんとか持ちこたえていたが、リーマンショック後は急下降し、今年は最大15%までの下落が予想されている。

Source:MarketingMagazine / Marketing's Top 100 UK Advertisers 2009

日本ブランドとしてはNintendo、Toyota、Nissan、Honda、Sony、Panasonicなどがトップ100入りしている。

そこでSamsungとPanasonicを比較してみる。

Samsungは前年比60%増の2,564万ポンド。OOHが41%増(887万ポンド)、プリントが71%増(937万ポンド)、TVが65%増(681万ポンド)。

Panasonicは前年比48%増の1,649万ポンド。OOHはなし、プリントが28%増(563万ポンド)、TVが59%増(999万ポンド)。

オンラインとDMは除外されているが、どちらもオンラインは活用しているだろうから、オンラインとの統合マーケティングを考えるとPanasonicからOOHが抜けているというのはちょっと腑に落ちない。特に携帯のSMSを考えるとOOHは欠かせないはずだが。

2009/04/06

Critical Ad Placement -3

以前、「Critical Ad Placement : Above or Below Folds」、「Critical Ad Placement -2」というエントリを書いた。

下の黒線がfoldsだ。これより上と下の広告の可視性について書いたものだ。

そして最近、CNN.com Internationalへ久しぶりにアクセスしたところ下のようにデザインが若干変更されている。黒線を引くまでもなく、たとえばNikonのスポンサーセクションはFoldよりも上に配置されている。
参考:Critical Ad Placement : Above or Below Folds (Online Ad 2008/04/30)
参考:Critical Ad Placement -2 (Online Ad 2008/07/25)

ま、CNNのデザイン変更は全く別な理由によるものだろう。が、万万が一、こちらのエントリが何らかの影響を与えたとしたら…

ちょっとうれしい(そんなことはないだろうが?)。

2009/04/03

Spiceworks for SMB IT Pros

SpiceworksというSMBのIT・ネットワークエンジニア向けに統合管理ツールを無料で提供するベンダーがいる。たかだか2006年にテキサス州のオースティンで産声を上げたばかりの企業だが、すでにユーザベースが50万人を突破している。

5か月前のスライドを見ると、今後の12ヶ月間でユーザベース100万人突破も視野に入っているようだ。

この企業のプロフィットストリームは何かというと下の画面のようにHPなどITベンダーからの広告だ。2007年に27社だった広告主が、2008年には72社に伸びてきている。
NYTによれば、MS、HP、Dell、Intel、ADM、Sonyなどグルーバル企業が名を連ねている。


Source:NYTimes.com / Reaching Tech Folks on Their Turf

NYTがいうように、SpiceworksはGoogleや業界紙・誌ではカバーできないポイントがある。それはIT・ネットワークエンジニア・専門家が業務に従事している最中に露出することができるということだ。それも雑多なデモグラフィックではなく、IT・ネットワークエンジニア・専門家だけがオーディエンスだということだ。

SpiceworksはFacebookにPagesもある。ここでニュース、コミュニティ会話、製品やベンダーのアップデートを行っているそうだ。 
こういったバーチカルなユーザスペースを活用するマーケティングは、本国からでもできるはずだ。Spiceworksだけではなく他にも、IT系の管理職・経営者層をターゲットにしたバーチカルサイトやネットワークが存在する。

既成レガシーメディアやそのオンラインサイトだけではなく、こんなユーザスペースやバーチカルネットを活用することもできるのだが?もったいない。

2009/04/02

Ideas from IBM

Mashableに「26 Charities and Non-Profts That Tweet」というエントリがあり、Twitterアカウントを持って活動をしている慈善団体および非営利団体をリストアップしている。

そのページにIBMがバナーを貼っていた。
そこからリンクされるのは、Smart Planetというページだ。(下をクリックでサイトへ)
Source:Mashable / 26 Charities and Non-Profits That Tweet
Source:IBM / Smarter Planet

このSmarter xxxというキャンペーンは、Smarter Planetに続き、水、都市、医療、原油掘削、通信、グリッド、金融、インフラ、知識、小売ソリューション、食糧、交通などIBMが関わるソリューションがフィーチャーされている。

ソリューションごとにDeeper View(IBMの詳細ソリューション)、Wider View(世界の動き・報道とIBMの対応)、そしてYour View(Smarter PlanetというBlog)が紹介されている。どこかの企業とは違い、自社ソリューションの説明だけではなく、世界の動きを集めてIBMの対応を説明するだけではなく、Blog会話の三段階でコンテンツ消費、共有、参加を目指している。

ここまでやったとしても、IBMのソーシャルメディア対応が万全といえるものでは決してない。が、少なくともソーシャルメディアを使う広告のツボは心得ている。Federated Mediaがネットワーク化するMashableにバナーを掲出しているということは、その他のBlogにも出しているのだろう。

ただし、Mashableからのリンク先がSmarter Planetのトップページというのはどうなのだろ?Smarter PlanetというBlogからのボトムアップストリームを目指したほうがベターではなかっただろうか?あるいはバナー掲出Blogのユーザプロファイル、デモグラフィックに応じたリンクがベターだったかもしれない。

2009/04/01

ROI on Social Media Marketing

Aberdeenグループから「ROI on Social Media Marketing: Why it Pays to Drive Word of Mouth」という資料が出ている。

クチコミの力を借りていかに企業が、ブランド認知やROMI(Return on Marketing Investment)を向上させ、顧客獲得を増加させ、その他のメリットを享受しているかを調査したものだ。企業を「Best-in-Class」「Industry Average」「Laggard」の3つに分け、「Best-in-Class」に焦点を当てている。

先頭を走るBest-in-Classは、全体の20%を占め、好感度、ROMI、顧客獲得率が大多数で向上している。それに比べるとLaggardsは悲惨だ。好感度はたった2%、顧客獲得率は6%、ROMIに至っては0%の達成度だ。
金融危機、世界同時不況により、どの企業も予算は削減されている。ソーシャルメディアマーケティングも例外ではなく、調査対象の59%は戦略の再検討を迫られているが、39%は変更なしらしい。特に、Best-in-Classでは63%が予算を増やし、変更なしは34%、そして削減するのは3%でしかない。
これだけの成果と、今後の予算に裏打ちされた積極性を見せられるとLaggardだって黙ってはいられないが、「一体どうしたらいいのか?」という問いに答える第3章、「Required Actions」がある。
まずその前に、事実として次の数字が挙げられている。
  • Laggardのうち21%しか、ソーシャルメディアから実行できるヒントや洞察を導きだしたり、引き出すための最適事例を定義していない
  • Best-in-Classの41%に対して、15%のLaggardしかブランドアドボカシー・カスタマー引用を計測する効果測定基準を定義していない
  • Best-in-Classの74%に対して、38%のIndustry Averageしかインフルエンサーを特定する能力に満足していない
ということでLaggardが取るべきステップは何かというと;
  • ソーシャルメディアから活用したり、実行できるヒント・洞察を引き出す最適事例を定義する
    現在でも、Laggardの21%しかこれを定義していない。同じ業界、あるいは別業種・業界企業の事例から学習すべきだ。
    (ケーススタディならいやというほど転がっている)
  • 顧客とのオンライン会話に従事する社員を選抜し、訓練する
    Aberdeenの調査によると、顧客とのオンライン会話に多様な関係者を任命している。製品マーケティング部門、コーポレートコミュニケーション部門、顧客対応部署、PRエージェンシー、デジタルメディア部門、マーケット調査部門など多くの関係会社や社内部署を動員すべきだ。
  • ソーシャルメディアマーケティングキャンペーンの予算を確立し、プロセスの承認を取る
    ソーシャルメディアキャンペーンは企業のマーケティング目的を達成するための切り札になりえるかもしれないが、必要な情報、知識が欠けているため社内調整が困難だ。そのため、ソーシャルメディアマーケティングは他のマーケティング戦略とは別計画とし、他との差異を説明して、想定される成果に対する期待を排除するべきだ。
Source:BtoB Online / Marketer Increase Social Media Budgets
Source:Aberdeen / The ROI on Social Media Marketing

最後の「他のマーケティング戦略とは別計画とし、他との差異を説明して、想定される成果に対する期待を排除するべきだ」というのは意見が分かれるはずだ。

ただし、既成メディアを使ったマーケティングに対して、過去数年、いや、ここ1、2年ほどで名前が浮上してきたソーシャルメディアマーケティングを同じ尺度で測ることはできないという説明をすべきだ。企業がコントロールできないメディアを使うのだという理解をしてもらわない限り、想定される成果自体を設定するなとは言えない。また、上のソーシャルメディアマーケティングの成果を享受しているBest-in-Classをフィーチャーしたケーススタディを理解してもらう必要もある。

Laggardに対する行動ステップだが、グローバルマーケットに対してオンラインのブランディングが必要だと考えている日本ブランドがあれば、ぜひ、検討してもらいたいところだ。

2009/03/31

Facebook URL on TV Ads

March Madnessの中、NCAAの学生バスケットボール選手権を見ていたBivings ReportのTodd Zeiglerが気づいたことがある。

Vitamin Waterというスポーツ飲料メーカー(?)のTVCFのエンドロールにFacebookのURLが出ていたのだ。見にくいが、下の画像がVitamin WaterのFacebookページのURLが表示されている。
詳しくはYouTubeのビデオで。

さて、1か月ほど前にアップしたようなVitamin WaterのFacebookページへ行くとすでに5万人強がファンになっている。


Source:Bivings Report / Vitamin Water Uses TV Ads to Drive Traffic to Facebook Fan Page

日本でも企業Webサイト、あるいはキャンペーンサイトのURLがTVCFのエンドロールに表示されている。特定キーワードを「検索してね」といったタイプもよく見る。

しかし、FacebookなどSNSのURLを表示するTVCFは米国でも初めてのようだ。

企業の公式Webサイトにしたところで、キャンペーン用マイクロサイトにしたところでスタティックなWebサイトは参加するスペースはなく、コンテンツの共有も行われない。それからするとSNSのページをランディングページにしたほうがベターだ。

今後、多くの企業・ブランドがこの方法を執ってくるだろう。

が、しかし、現在、日本のグローバルブランドが米国や欧州のTVCFのエンドロールにFacebook、MySpace、BeboなどのURLを表示するのは不可能だ。欧米企業のオンライン戦略、そしてWeb 2.0戦略から大きく引き離されている日本企業は、露出ギャップに加えてユーザとの会話ギャップも抱え込んでいる。ブランド価値は落ちるばかりだ。

それにしても、Bivings Reportがエントリの最後に付け加えたように、Vitamin WaterのWebサイトはひどい。Vitaminwater.comはそのすべてがFlashで構築されていてどこかのブランドサイトと同じだ。とんがったクリエイティブが全身全霊を注ぎこんで作ったことが見て取れる。最新のカッコいいサイトに出来上がっているが、アクセスするユーザのことを全く無視している。このデザイン、サイト構築にいくらの無駄金を払わされたのだろう。加えて、ページのタグには「Glaceau」というメーカー名しかなく、「Vitamin Water」で検索してもたどりつくのは至難の業だ。

また、Facebookのページも内容がない。ページを立ち上げる際にコンテンツをアップしただけで、アクセスしたユーザとの会話がない。

2009/03/30

Twitter for Customer Service and Branding

SXSWから帰宅する際のフライト遅延がらみのTwitter話をDave Peckが書いている。
(彼の承諾をもらったのでTwitterのスクリーンショットや文章を要約して載せる。オリジナルはSourceを参照)

出発時刻の90分前には空港に着き、セキュリティチェックも滞りなく終わり、あとは午後6:30の搭乗アナウンスを待つだけ。ところがアナウンスはなく、6:56の出発予定時刻も過ぎて、彼は7:00にTwitterに書いた。
tweet1
間髪をいれずに@JetBlueからTwitterがあった。
tweet2
そこで彼は@JetBlueとやり取りし、迅速なレスポンスを受け取った。

が、トラブルはここからだ。

彼は「フライト遅延を責めたのでも、エンジントラブルを責めた」のでもなく、「搭乗客へのコミュニケーションやサービス不足、@JetBlueの対応への不満」をTwitterで送った。

ところがどうしたことか、彼は@JetBlueからブロックされてしまったそうだ。
tweet6
@JetBlueにブロックを中止するように要求したが、それもダメ。

ということで、彼はSouthwestに助けを求めた。
tweet8
この突然のTwitterに@Southwestはどうしたかというと、

レスポンスがあった。
tweet9
そのあとも、@Southwestからは当日のフライトがキャンセルされた最悪の場合も考慮して、翌日のフライトはどうかとまで尋ねている。

その間、@JetBlueからは「ナシのツブテ」。
tweet10

その後、いろいろあった挙句、ようやくJetBlueのエンジントラブルは解消され、彼は家に帰ることができたそうだ。

さて、この一部始終を同じフライトの乗客や、SXSW参加者は言うに及ばず、Twitterユーザの一部が目撃というかウォッチしていた。
tweet14
tweet16
tweet17
tweet18

Source:Newmedia Chatter / Jet Blue, Swing and a Miss.. Southwest Airlines Hits A Twitter Homerun
Source:Newmedia Chatter Website / www.newmediachatter.com

現在、多くの企業・ブランドがTwitterアカウントを持ち、様々な情報を発信している。が、リアルタイムフィードをしている限り、リアルタイムレスポンスも求められる。ということは、何らかのトラブルにある顧客の一番欲しい情報を提供すること、一人ひとりの顧客に対応することが重要となる。

今回のようにフライトが遅延して、搭乗中の表示がありながら何のアナウンスも情報提供もされない場合、航空会社の顧客サービスそのものが問われている。

そして、そのタイムリーな情報の質、対応の体制や状況が個々の顧客だけではなく、他の傍観者にも露出しているだけに企業のブランドイメージや評価に直結してくる。

JetBlueのTwitterには24万人以上のフォロワーがいる。そしてForrester ResearchのOwyangは世界中のTwitterユーザを4~500万人と推測し、CompeteはFacebook、MySpaceに次ぎ、Twitterを3番目のソーシャルネットワークと位置づけ、UVは約600万人、月間5,400万ビジットとしている。

Source:Compete blog / Social Networks: Facebook Takes Over Top Spot, Twitter Climbs

今までとは違い、これほど大きなスペースで、かつ、多くのインターネットユーザが見守る中で行われるオープンな会話に参加するか、コンテンツを共有してもらうか、そしてそれに必要な社内体制を作るかどうかによってブランド認知が確立してゆく。

これらのユーザに背を向けるしかないのか、あるいはSouthwestのように救いの手を差し伸べるのか?

あるいは、何もしないことの(莫大な)損失を甘受するのか?

参考:Return on Ignoring (2009/01/16)

2009/03/27

Refund for Conference

今年の初めに入場者数が前年比22%も減ったCESに関して書いた。














参考:CES & Internet (Online Ad 2009/01/22)

今年はどんな展示会、コンファレンス、セミナーなども苦しくなるという状況で、ANA (Association of National Advertisers) が奇手に打って出た。
5月13日に開催予定の「Brand Building in Tough Times & Beyond」というコンファレンスの内容に満足行かなければ参加費を返金するという。

Source:Ad Age / ANA Offers Money-Back Guarantee to Conference Goers

アジェンダを見ると;
  • Millercoors:Winning with innovation in a tough economy
  • Wal-mart Stores:Extraordinary performance in tough times
  • Dunkin' Donuts:Positive thinking for tough times
  • Fender Musical Instrument:Building market confidence through consumer engagement
  • そしてANAによるBrand Builing in Tough Timesというサーベイ結果
が披露されて、5月13日の午前8時30分から午後4時までのコンファレンスにANA会員で395㌦、一般参加は495㌦かかる。同じ会社から3人が参加すれば595㌦だ。

昨年よりも参加費を100㌦単位で下げたので、予想参加人数は200人で採算ぎりぎりの線らしい。返金はケースバイケースで判断するというが、もし10人が返金を申し出たら赤字だろう。

今回は業界団体のコンファレンスだが、企業が開催するプライベートショーも同じだろう。参加費は無料だが旅費と時間をかけてまで参加した意味のないプライベートショーの結果を上司にどう説明するのだろう?

日本では東京モーターショーも開催日が短縮され、BMW・VW・ベンツは不参加だし、米国ではWPA (Western Publications Association)のメディア出版カンファレンスが中止になっている。

Source:Asahi.com / 縮む東京モーターショー
Source:BtoB Online / WPA cancels media publishing conference

オンラインの展示会、プライベートショーという手もあるのだが…。

と、書いておいたのだが、

追加:2009/03/27 09:53a.m.

TechRepublicから、たった今、IBMのSystem xおよびBladeCenterサーバに関するバーチャルカンファレンスの案内emailが届いた。(下をクリックで登録サイトへ)

2009/03/26

After the megapixel wars

Photo Marketing Association (PMA) のインタビューでOlympusのSLR planning dept.のマネジャー、Akira Watanabeさんが「12メガはほとんどのユーザが必要とする大抵のアプリケーションをカバーするのに十分だと思う」と語った話をCNETが伝えている。

Source:CNET / Olympus: 12 megapixel is enough for most folks

その話をベースに、「長年、消費者はひとつの数字、イメージセンサー上のメガピクセル数をベースにデジカメを売りつけられてきた。しかし、業界の主要メーカーは解像度を上げることは無意味になってきたと認めた」と、New Scientistが記事を書いた。

Source:NewScientist / Innovation: What next after the megapixel wars?

それをConsumerReports.orgのBlogが取り上げて、「カメラ業界は数字ゲームの終わりを公言した。別の言葉でいえば、メーカーが愛して止まない数字、デジカメのメガピクセル数を強調する代わりに、デジカメのその他の機能を謳う広告が始まるということだ」と書いている。

そして、6メガピクセルは、ほとんどすべての消費者に本当に必要な画素数なんだから、デジカメを買う時にはメガピクセルに踊らされるなとアドバイスしてきたと書いている。(引き伸ばしが必要でも8メガあれば十分とのこと)

Source:Blogs.ConsumerReports.org / News Briefs
Source:ConsumerReports.org / Digital Camera Buying Guide

以前、下の参考で紹介したようにNYTのコラムニスト、Pogueが「画素数神話を打ち破る」という記事を2年も前に書いていた。

参考:Megapixel Myth (Online Ad 2007/02/19)

この2年間、消費者はマーケターの言葉、数字にまだまだ踊らされることが多いけれど、Consumer ReportsやBlogなどが提供するデータ、情報、評価は着実に読者を増やしてきている。そして、そのコンテンツを仲間、友人、知人、家族で共有しているユーザも増えてきている。

高画素数を謳う広告を出すよりも、Web 2.0スペースのユーザ達に真実を告げるほうが画素数戦争に巻き込まれて、広告費を浪費する可能性は少ないと思う。また、予算が厳しく制限される今年以降、同じ戦略を踏襲する轍を踏む企業・ブランドは少なくなる(はず)。その時、どんなマーケティング戦略を採用するかがポイントになる。

さて、残念ながらこのCNETの記事は日本語版にはないようだ。

2009/03/25

P&G Digital Hack Night

イベントに先立ち、何週間も前に1通のemailが送られた。詳しい内容は明らかにされていないが、あるイベントに参加してくれというemailだ。

3月初めの夕方、Cincinnatiの会場にはMySpace、Facebook、Google、広告代理店、マーケティング会社、Ad Age、Forrester Researchなど業界の名だたる150近い企業の人間が集められた。その時、初めて、与えられた4時間の中でチャリティのためにTシャツを何枚売るかというコンテスト、「Digital Hack Night」というイベントに参加してもらうという内容が告げられ、即刻、実施された。

このコンテストイベントを仕掛けたのがP&Gだ。参加者を数人づつのチームに分けて、チームごとに何枚Tシャツを売るかの競争をさせたわけだ。
More than 2,000 Tide T-shirts were sold for charity at P&G's 'Digital Hack Night.'
この4時間の間、P&Gが用意したメディアを使った参加者もいたし、自分自身のコネや能力を売り物にした参加者もいた。例えば、Googleのマーケティング役員は非営利団体に対して社会貢献マーケティングのアドバイスを1時間することでTシャツ100枚を売り込み、他社の人間も同じようにコンサルティングサービスをバーターする申し出を行ったり、コンテストイベント自体をWebcastしたり、別セミナーのチケットと交換を申し出た参加者もいたようだ。

ただ、大半は自分や会社のソーシャルメディアネットワークを駆使したようだ。SNS、Blog、Email、Twitter、その他諸々のサービスやツールが活用された。

結果として4時間で一枚20㌦のTシャルが合計2,000枚以上売れて、Feeding Americaにはこの収益5万㌦と同額がP&Gから拠出されて合計10万㌦が寄付された。

Source:Ad Age / P&G Gives Its Marketers a Crash Course in Social Media
Source:Logic Emotion / Turning The Tide: An Insider's Perspective
Source:Logic Emotion / Make A Difference. Now.

コンテストイベント担当者でP&Gのデジタルビジネス戦略チームのLucas Watsonは、「P&Gのマーケティング役員に今まで学んだことがないようなやり方でデジタルメディアを学ぶ経験をしてもらい、彼らを鼓舞し、デジタルメディアに曝したかった」と語っている。

代理店やマーケティング会社の発案ではなく、P&Gという企業・ブランド自体が、自社担当役員、関係部署の人間に対して、「いかにソーシャルメディアがパワーを持っているか、ソーシャルメディアを活用して何ができるか、そのスピードと効果を明らかにする」ためのイベントを開催したことに驚く。

顧客、消費者がどこで、どのように、何を見て、聞いて、話しているかを近い立場で感じている、理解しているP&Gだからこそだし、社内の意識、理解を統一、向上させて次につなげようという高いレベルにいるP&Gだからこそなのだろう。

これはもはや実験段階ではない。年内中に、次のステップも計画され、承認されているかのようだ。

もうここには広告の「こ」の字もない。社会貢献であろうと、Tシャツ販売が目的であろうと、広告ではなく、ソーシャルメディアマーケティングが行われたわけだ。

Ad Ageの記事末尾で、8年前までパンパースのブランドマネージャだったNielsen OnlineのCEOが「今、企業はこの種マーケティングをもっと多く採用し(始め)ている」とコメントしているが、この種マーケティングは広告ではないという点に関するコメントはなかった。参加者の中にはそんな声もあっただろうと推測するが、まだ、誰もそれを声に出して言わないだけなのだろうか?

広告が終焉を迎え、今は、「送り人」、あるいは「納棺士」が脚光を浴びているということなのか?

2009/03/24

Extreme Sheep LED Art

久々にあっと息を飲む、うーんと唸ってしまうビデオが人気になっている。
これはもう見ていただくしかない。


Viral Video Chartによれば、3月17日にアップされ、39万回以上視聴され、382Blogが記事を書き、664件のコメントがある。(3月19日時点)
確か、すでに18日にはViral Video Chartのトップを占めていた。

Source:Viral Video Chart

Viral Blogは、「このビデオがブランド認知向上に役立つのか?ビデオを見た後でユーザがSamsung.com/LEDへアクセスする確率は高いのか?」、「エンタテイメントビデオの価値は、視聴者をWebサイトへアクセスさせるほどアクティブにユーザとエンゲージするほど高いのか?」と自問している。

そこで「バイラルはキャンペーンメッセージ全体を配信することができるのか?」、あるいは「トラフィックをマイクロサイトなどへ誘引し、キャンペーン認知をさせるひとつの方法なのか?」という質問を読者に投げかけている。

Source:ViralBlog / Embed The Entire Camapaign Message In a Viral?

ま、それほどインパクトのあるバイラルビデオだということだ。色とりどりのボールが坂を転げ落ちたり、高いビルがペンキにつつまれたり、泡が町中をおおったりと一瞬で注目を集めるクリエイティブからすると、少し時間が必要だ。しかし、Samsungが伝えようとしたメッセージのインパクトはそれらに劣らず大きく、深い。

このインパクトはキャンペーンメッセージ全体としても、サイトへの誘引トリガーとしても、バイラル化トリガーとしても機能しているということではないだろうか。

とにかく、おもしろい。


追加で、バイラルビデオ、Emailプロモーション、そしてソーシャルメディアツールを取り上げた「Samsung LED TV Campaign」と、オンライン露出が世界へ流出する「Online Exposure Spillover」を書いたので、どうぞ。

参考:Samsung LED TV Campaign (Online Ad 2009/04/16)
参考:Online Exposure Spillover (Online Ad 2009/04/28)

2009/03/23

World Water Day 2009

3月22日、日曜日は「World Water Day」だった。清潔で安全な飲料水へアクセスできる重要性を訴え、認識を上げるためにUNなどが推進しているキャンペーンだ。

それに合わせてUKのDFID (国際開発省)がビデオをアップしている。

Source:WordWaterDay.org
Source:UN World Water Day
Source:UK DFID / World Water Day 2009

DFIDは日本のODAと同じように途上国の開発支援を行っているが、目的は貧困根絶だ。2015年までに貧困を半分にする取り組みを行っている。そして貧困根絶を目指す開発支援に大きな場所を占めるのが清潔で安全な飲料水へのアクセスだ。

世界中に安全で清潔な飲み水さえ手に入らない人が9億人いる。毎日、数千人にも及ぶ子供たちが汚れた水を飲むことが原因となり、予防できる病気で死んでいる。全世界の半分の人々は基本的な公衆衛生知識、設備などさえもない。

この現状とDFIDの取り組みを理解してもらい、そしてDFIDへの支援を求めるビデオがDFIDサイトに加え、YouTubeでも公開されている。一般企業は言うに及ばず、米White House、国防省などに加え、英DFIDもソーシャルメディア露出を行っている。

一方、日本の企業、官公庁は海外ユーザの声に対して聞く耳を持たず、ソーシャルメディアスペースへの参加も、コンテンツの共有も行っていないし、会話などもっての外だ。蚊帳の外と内にいる差は蚊帳の外にいる人間には見えないが、内の人間にはあまりに明らかだ。

参考:White House Web 2.0 (Online Ad 2009/02/17)
参考:US Department of State in Web 2.0 (Online Ad 2008/10/08)

2009/03/19

Corporate Trends in Social Media Marketing

Awarenessから「Corporate Trends in Social Media Marketing」という資料が出ている。

2009年2月19日のBusienss Week記事、「企業にとって、ソーシャルメディアに対抗するのは無意味だ。数百万人の人間がソーシャルWebでコンテンツを作成している。企業の顧客は何年もそうしている。まだ、ソーシャルメディアに進出していないのなら、そうすべきだ」を引き、中堅以上の企業623社のマーケティング担当役員と、ソーシャルメディアをすでに自社マーケティング戦略に導入している大企業5社の役員とインタビューした結果として、次の質問に答えるとしている。
  • 現在、企業はどのようにソーシャルメディアを利用しているか?
  • 2009年のマーケティング予算のうち、どれくらいがソーシャルマーケティングへ割り振られ、どのように割り振られるのか?
  • どのようなソーシャルメディア・ビークルあるいはチャネルが利用されていて、ミグレーションパスは?
  • ビジネス価値を表出するため企業はどのようにソーシャルメディアを利用できるのか?
  • ソーシャルメディア利用を阻害する要因は?
企業が外部のソーシャルメディア・ネットワーキングサイトに参加しているか聞いたところ、過去18か月で、93%の企業がなんらかのソーシャルメディアを利用しているそうだ。加えて623社のうち、372社は企業Blogを立ち上げている。
この企業Blogをやっているのが327社(59.7%)というのは異常に高い。

今年1月8日の「Fortune 500 Business Blogs - Updates」で、Fortune 500にランクされる64社(12.8%、2008年11月時点)が企業Blogを公開していると紹介した(ところが2月11日時点では60社(12%)へと減っている)点からすると異常に高い。

参考:Fortune 500 Business Blogs - Updates (Online Ad 2009/01/08)
Source:Fortune 500 Business Blogging Wiki

ということは、Awarenessの調査対象企業は、そのほとんどが中堅以下というのが実情だろう。Fortune 500にランクされる企業であれば、縦割り組織のしがらみで実験段階へ進むまでにも相当の社内調整と時間がかかる。その点、中堅以下の企業であれば、「Return on Ignoring:何もしないことの効果(損失)」ビデオをイントラネットに上げるだけでトライアルの合意形成はできそうだ(?)。

参考:Return on Ignoring (Online Ad 2009/01/16)

Awarenessが説明しているように、Coneの調査結果によれば;
  • 93% ソーシャルメディアに企業は参加すべきと考えるユーザ
  • 85% 参加するだけではなく顧客とやり取りすべきと考えるユーザ
がいる。このユーザを無視する大企業と、ユーザを理解しようとする中堅以下の企業という姿も見えてきそうだ。

さて、「企業がソーシャルメディアを利用する、興味がある、その理由は?」という問いに対して;
  • 人材養成&確保
  • 顧客エンゲージメント強化
がトップグループで
  • コラボ&コミュニケーション強化
  • (ブランド)プロモーション
  • ネットワーキング(提携、連携強化)
  • マーケティングキャンペーン
が第二位グループとなっている。
Source:Awareness / Corporate Trends in Social Media Marketing

もっとも重要なのは、「企業がソーシャルメディアを利用する、興味がある、その理由は?」という問いの前に、「既存のメディア、マーケティングや広告戦略の限界を理解したうえでソーシャルメディアを利用しているのか?」という問いだ。

この認識がなければ、既存のメディア、マーケティングや広告戦略の延長線上にソーシャルメディアマーケティングが据えられるだけだ。そうなれば、当然、レガシー戦略の限界がそのまま適用されてしまう。また、単に競合が始めたからといった短絡思考で企業Blogを始めたのでは、上のFortune 500 Business BlogのようにBlogを中止せざるを得ない結果を招くだけになってしまう。

広告代理店、SEM代理店、マーケティングやPRエージェンシーが並べ立てるバズワーズに踊らされるだけでは、ソーシャルメディアススペースに参加することもできないし、ユーザと会話することなどできない。企業側に十分な現状認識と情報収集、分析能力が必要なのだが…。

2009/03/18

EU CTR 2008

この頃、ちょっとCTRづいている。独フランクフルトに本拠を置くAdtechからヨーロッパ主要国のCTRデータが出てきたので紹介する。

2008年10月から12月にかけてヨーロッパ6カ国、5,000のWebサイトに供給した100億のディスプレイ広告のCTRをまとめたものだ。
click-through trends of the last four years
それによると0.11%から0.19%の間で上下し、平均CTRは0.12%。ただし、CTRは国、季節、広告サイズによって大きく変動している。

国ごとの平均CTRを見ると、仏が0.18%でトップ、英が0.13%。独が0.1%、ノルウェーが0.06%、フィンランドが0.05%、スウェーデンが0.04%だ。

そして広告サイズごとのCTRは下の通り。(CHはスイス、SEはスウェーデン、DKはデンマーク)
Source:AdTech / Click Through Rate - Up and Down

ビデオやPop-up、そしてHalfsizeのように目を惹く動きや大きさのあるディスプレイ広告のCTRが高い。ビデオは平均1.7%、Po-upとHalfsizeは0.5%だ。また、独のビデオCTRが2.61%とダントツの高さを示している。

参考にあるように、米国でも、リッチメディアでも検索でも今後、CTRが急上昇する見込みはない。欧州では若干CTRが上昇しているように見えるが、数年前までのレベルにまで戻る保証はない。

参考:Search CTR 2009 (Online Ad 2009/03/10)
参考:Rich Media CTR (Online Ad 2009/02/16)
参考:CTR 2008 (Online Ad 2008/12/08)

こんな状況でもCTR、impressionしか広告効果指標として使っていない代理店、クライアントがいるのだろうか?そうでないとすると、何を指標として使っているのだろう。DoubleClickがいうようなInteraction、あるいは別のもの?

どう考えても、今までの広告効果指標では低下するROIを説明できない。いや、ひょっとすると広告効果指標さえ考えていないのかもしれない。

2009/03/17

Greenpeace Campaign "Tell Philips", Done

2007年11月からPhilipsに対して行っていたキャンペーン、「Tell Philips to Simply take back and recycle」が成功裏に終了したとGreenpeaceが発表した。
(下をクリックでサイトへ)
Philips Win

Philipsは消費者にリサイクル料金を負担させる陣営の先頭を走り、学術データを後ろ盾に、ビジネスモデルを構築していたわけだし、製造元に製品リサイクルの費用負担を求める法案にも反対していた。

そのPhilipsがポリシーを180度転換し、費用負担を受け入れると発表し、2020年までに温室効果ガス排出を30%削減するコミットメントも発表した。

Source:Greenpeace International
Source:Greenpeace Blog
Source:Philips / Recycling Program

これは、もはや、グローバルブランドが持続可能な製品開発、販売、引き取り・リサイクルポリシーなしにステークホルダーの納得を得られないということを意味している。また、地球温暖化や消費エネルギー削減に対する企業ポリシーが求められているし、加えてAIDSやマラリア対策、途上国の飲料水や子供の健康保護などにどんな貢献をしているかが求められているということだ。

P&Gは企業の社会貢献の一環として、「Live, Learn and Thrive」運動を行っている。今までに2.15億㌦を寄付し、7億㍑の安全な水を提供し、衛生教育やポリオワクチンを提供している。U2のVonoに共鳴したProduct (Red)にはGap、Motorola、Converse、Apple、Armaniなどが参加している。ExxonMobilは北京オリンピックに合わせたTVCFでマラリア撲滅キャンペーンを行っていた。

さて、e-Waste(エレクトロニクス製品の廃棄物)をめぐったGreenpeaceのlキャンペーンにより、全世界の47,000人がPhilipsに抗議のEmailを送ったということもあるだろう。しかし、本質は従業員、ビジネスパートナー、自治体、一般消費者など、今までマスメディアで声を聞くことがなかった人々の声がソーシャルメディアスペースに満ち溢れているからこそ、グローバルブランドは今まで以上に襟を正すのだ。

GreenpeaceはCoca Colaに対するハイドロフルオロカーボン(HFC)系冷媒(オゾン層破壊能力はないが、地球温暖化への寄与が大きい)の使用中止キャンペーン、McDonaldsと協力したアマゾンの熱帯雨林伐採中止キャンペーン、Appleに対するグリーン化キャンペーンなどで成果を挙げている。

成果を挙げていないキャンペーンに日本のブランドが関係しているものがある。捕鯨禁止に対する支援をCanonに訴えるケースと、Greener Electronics GuideにかかわるNintendoだ。Canonに対して13万通以上のEmailが御手洗会長に送られている。Nintendoには7,000通以上のEmailが送られている。が、両社から積極的なレスポンスは見られない。世界の人々から送られたEmailが無視されている。

参考:NGO Power (Online Ad 2008/08/15)
参考:Mindset Shift Required -2 (Online Ad 2008/03/14)

2009/03/16

Ryanair in Flames

アイルランドの格安航空会社、Ryanairは「乗客が機内で吸う空気以外は、すべて別料金」というビジネスモデルで大成功を収めている。強制加入の旅行保険、クレジットカード処理、電話対応などすべて手数料がかかる。(下をクリックでサイトへ)
ryanair_logo

そのRyanairの航空券予約Webサイトのバグを、Jason RoeというフリーランスのWeb開発エンジニアが見つけた。いろいろとやっていると航空券の値段が「0ユーロ」になるというバグだ。

そこで彼は「0ユーロ」で航空券をゲットするのではなく、自分のBlogでそのバグを指摘した。
ra1

彼が2月19日の午前中にアップしたエントリに対して、午後5:25、Ryanair Staff #1というユーザからの書き込みがあった。

jason!
you’re an idiot and a liar!! fact is!
you’ve opened one session then another and requested a page meant for a different session, you are so stupid you dont even know how you did it! you dont get a free flight, there is no dynamic data to render which is prob why you got 0.00. what self respecting developer uses a crappy CMS such as word press anyway AND puts they’re mobile ph number online, i suppose even a prank call is better than nothing on a lonely sat evening!!

ここまで口汚く罵るというのは、顧客対応以前だし、書き込み者の知性を疑わせるほどのものだ。

その後もRyanair Staff #2、#3というユーザからの書き込みもある。

Source:ViralBlog / Why Ryanair Needs A Social Marketing Agency
Source:JasonRoe.com / Ryanair no credit card fee + 0.00 flight bug

ViralBlogは以下のように書いている。

どうしてブランドは難しい方法で学びたがるのだろう?どうしてブランドは、デジタル消費者がコントロールしている新しい時代だということを理解しないのだろう?なぜブランドは、インターネットはコントロール不能のメディアであり、我々全員が所有しているということを学習することが難しいのだろう?

何度、ブランドに言わなければならないのだろう。広告代理店やPR代理店はソーシャルスペースでブランドの助けにはならないことを。

2009/03/13

Corporate Blogging

ソーシャルネットワークやBlogはWeb 2.0の推進役で、ブランドと消費者の間に未だかつてないやり取りを提供している。そこで、消費者が企業Blogをどう見ているのか、どこまで信用しているのかをForrester Researchがまとめている資料がある。昨年12月のものだが紹介する。

それによると16%しか企業Blogを信用していない。知っている人からのemailは77%、製品レビューは60%、ポータル・検索エンジンは50%、イエローページ(印刷)は48%、新聞は46%が信頼しているのと比べ、非常に低い数字だ。DMの25%、掲示板の書き込みの21%、個人のBlogの18%と比べても低い。

しかし、これをBlog読者やBloggerから見ると、Wiki、掲示板の書き込み、個人Blog、そしてSNSの企業プロファイルや企業Blogの信頼度は上がってくる。
ところがこの企業Blogを信頼するという人々はデモグラフィックプロファイルで有意の差を際立たせるグループでもない。また、企業Blogを信頼する人々は、結局のところ何でも信頼してしまうグループのようだ。
Source:iMedia Connection / Study : Consumers don't trust corporate blogs
Source:Forrester Research (要登録)

企業Blogが信頼されていないのは、加齢臭ではないが宣伝臭ぷんぷんであったり、モデレートされているコメントが企業寄りのものばかりであったり、新製品リリースに合わせてたくさんエントリが増えるが、それ以外の時期は閑散としていたり、結局の所、一方的なメッセージを配信しているだけだからだ。

そこでForresterはあるべき企業Blogの姿を7つにまとめている。その中から2つほど拾ってみる。
  • 顧客が抱える問題(疑問)に応えるBlog
    製品に関するBlogではなく、顧客が関心を抱く問題、疑問などをBlogすることで顧客価値を創造することができる。
  • コミュニティの核心に関するBlog
    顧客が一枚岩のように多くの共通項を抱えている場合、彼らを相互に結びつけることで価値を創造できる。
企業BlogはWeb 2.0タッチポイントの一つとして機能させるべきものだ。ただし、メッセージチャネルではなく、Blog界への参加チャネルであり、顧客の興味、問題、疑問、期待に応えるための会話チャネルとして機能させなければならない。

それができないのであれば企業Blogは不要だし、企業価値を下げる悪影響しか及ぼさない。

2009/03/12

Marketing & Media Survey 2009

Datran Mediaというところが2008年12月に三回目のマーケティング&メディア調査を行っている。Fortune 1000にランクされる企業の3,000人にもおよぶ管理職を対象に行った調査だ。

ディスプレイ広告、Email、検索、ソーシャルメディア、モバイル、オフラインメディア(プリント、TV、他)、DMを対象にどの戦術が最も効果があったかを複数回答で聞いている。

Emailが80.4%で断トツだ。自社リストを持っているところは低コストのマーケティング戦術としてEmailを活用できるので、そのROI効果は高いから重宝しているのがわかる。


今度は、各広告戦術ごとの予算の増減予定を聞いている。これもEmail予算を増やすというのがトップだ。検索がすぐ後ろに続き、ソーシャルメディア予算を増加するという比率も高くなっている。


最後に2009年の戦略で重視する戦術を聞いている。ニュースレターがトップ、リスト増強と行動ターゲティングが続いている。


Source:MarketingVox / Email, Search and Display Show Strongest Online Performance
Source:Datran Media / 2009 Survey

不況下で予算を増額することができないため、自社リストベースのEmailマーケティングとしてニュースレターを核に据えたい。そのためにはリストを増強しなければという構図のようだ。

ソーシャルメディア予算を増やすというのは、ソーシャルメディアスペースに参加するのではなく、広告費を増やすということだ。

しかし、IDCの調査データを伝えるMarketingVoxによれば、通常のオンラインディスプレイ広告をク一度もリックしたことのないユーザは21.1%いるが、SNS内での広告を一度もクリックしたことのないユーザは42.7%もいる。

Source:MarketingVox / SocNet Ads Less Effective Than Others

SNSは広告スペースというよりは、参加し、コンテンツを共有してもらうスペースなのだが、まだまだ広告というマーケティング戦略から離れられない。戦略転換が必要だと思うのだが...?

2009/03/11

Internet in India 2008

IAMAIから「I-Cube 2008」が出ている。

15歳以上の人口8.18億人、コンピュータ利用者が8,710万人、2008年3月時点で5,550万人のインターネットユーザがいて、そのうち3,930万人がアクティブユーザだ。2007年はコンピュータ利用者が6,500万人、インターネットユーザは4,600万人、アクティブユーザは3,200万人だった。
2008年9月時点で都市部のインターネットユーザは5,700万人に増えている。

ついこの間、日本は中国にインターネットユーザ数で抜かれたと思ったばかりだが、あと2~3年もすればインドにも抜かれそうな状況だ。中国のインターネット普及率が19%に比べるとインドの普及率はまだ5.2%でしかない。インドの普及率がふたケタに乗るだけで世界第三位のインターネット大国になってしまう。

Top 20 Internet Users
ところでインドの公用語であるヒンディー語を話す人口は4.9億人もいるのだが、言語別のインターネットユーザトップ10には入ってこない。2006年の国勢調査で英語を話す1.49億人の大半がインターネットユーザになっているのだろうか?

Top 10 Internet Languages
Source:IAMAI / I-Cube 2008 (pdf)
Source:InternetWorldStats.com / Internet Top 20 Countries
Source:InternetWorldStats.com / Top 10 Languages
参考:Internet in India 2007
参考:Internet in India 2006